野口 千明 理事長
CHIAKI NOGUCHI
診療科の枠を超え、1人ひとりの背景に寄り添った、総合的・包括的医療を提供
東京大学医学部医学科卒業。同大学大学院医学系研究科医学博士課程修了。同大学医学部付属病院に外科医として勤務し、医療法人社団「桐和会」理事長代行に就任。2018年12月に『すみだゼネラルクリニック』を開院。2021年に現在地へと移転(JR総武線/東京メトロ半蔵門線「錦糸町駅」より徒歩3分)。

野口 千明 理事長
すみだゼネラルクリニック
墨田区/太平/錦糸町駅
- ●内科
- ●消化器外科
- ●整形外科
- ●皮膚科
生まれ育った墨田区での開業

理系に進むことはかなり早い時点で決めていました。その理系の中で、トータルサイエンスとしての面白さと、人と接するサービス業をしたいという思いから、医学部を希望するようになったのです。 初めになりたかった職業はSEでした。ただ、今思えば、SEと医師はとても似ているような気がするんですね。原因を突き止めてバグを取っていくのがSEの仕事ですが、これは人間の身体にも通じることでしょう。それから、“よくあること”をとっかかりにして問題を解決することがあるのも共通する部分です。理論は大切ですけども、すべての可能性を検査によって明らかにしようと思えば、いたずらに患者さんの時間を奪うことになります。ですから、“よくあること”から入っていくのも間違いではないということなんですね。私は同業者だけではなく、他業種の友人ともプライベートで交流を持っています。彼らの目線や考え方を学ぶことが、日々の診療に役立っている気がします。 2018年に『すみだゼネラルクリニック』を開院いたしました。墨田区は私が生まれ育ったところですから、いつかは帰ってきたいと思っていました。私はそれまで比較的大きな医療法人に属し、新しく入ってきた医師の能力や個性を考慮しながら、適材適所で各クリニックに振り分けるという仕事も担当していました。それが55歳となり、自分自身への提案として、この場所を選んだということなのです。
ゼネラルクリニックという存在

臓器や病気だけを診るのではなく、その方の全人格に関わり、問題点を抽出して解決していくというコンセプトがあり、「ゼネラル」とクリニック名に冠しました。患者さんの主訴を伺うのはもちろんなのですけども、その病気の背景に何があるか、ということを考えるのが私たちの仕事だと思っています。例えば、末梢循環がよろしくないようであれば、血圧やコレステロールの値を聞き、ご存知でなければ検診を勧めるという具合です。一旦症状が治ったらよしとするのではなく、再発を起こさないよう、普段からの生活を改善していく提案ができたらと思っています。
ロゴについては、かなり早い時点から決めていました。ゼネラル(ジェネラル)には、「将軍」という意味があります。ですから、パンダに兜をかぶらせるということを思いついたのです。そのユーモラスな絵柄が、みなさんの心を一瞬でも癒す存在になってくれたらと思っています。
年齢も診療科の垣根もなくあらゆるものを診ていく

ヨーロッパではすでにそうなっていますが、日本においても今後はジェネラリストの開業医とスペシャリストの病院というように二分化されていくと思われます。私たちは、普段、ちょっとしたことでみなさんが相談できるような場所を目指していきます。
SAPHO症候群という病気があります。手足に湿疹が出たり、リウマチのような痛みが胸に出たりと、皮膚や骨、関節に様々な症状が現れる病気です。この病気を診るためには、内科や皮膚科、耳鼻咽喉科と様々な領域に踏み込んでいく必要がありますが、患者さんに3つの科を受診してくださいというのは酷ですよね。また、何科にかかっていいかわからないという病気もあります。そうしたお悩みを一括で診察し、適切な医療へと導いていく、医療のポータルサイト的な役割を私たちは担っていきたいのです。
2024年8月より同じビル内に新たに『すみだカーネルクリニック』を設けました。それ以前、2021年に『すみだゼネラルクリニック』は当地へと移転し、それと共に完全予約制へと移行しましたが、ちょうどその時期に新型コロナウイルスの流行がございました。最大限頑張ってきたつもりですが、それでも発熱の患者さんをお断りせざるを得ないことがあり、完全予約制と発熱外来との共存の難しさを痛感したことで新たにクリニックを立ち上げるにいたったのです。
かたや、完全予約で待ち時間を極力無くし、しっかり患者さんのお悩みを聞いていく。かたや、発熱に代表される突発的な求めにも応じていく。同じビル内にある2つのクリニックがお互いを補完しあうことで、よりゼネラルなクリニックに近づいていけると考えています。
患者さんの経済的・時間的なコストに配慮していきたい
本当に様々な分野を扱う中で、1つ力を入れているのが、消化器がんを治るステージで発見するということです。胃がんはピロリ菌の存在に注意していれば、95%以上防げることがわかってきています。大腸がんも、ポリープのうちに取り除くことができれば、ほとんど癌化することはないと申してよろしいでしょう。病気も様々なものがありますけども、予防できる病気については、しっかり予防していけたらと考えています。 当クリニックの内視鏡検査では、ご希望がない限り、麻酔は極力抑えていきたいと考えています。これは、検査が終わればすぐに仕事に戻りたい方が多いための措置です。肉体的な負担が軽減できるよう努めることはもちろんですが、経済的・時間的コストを減らすことも私どものコンセプトの1つなのです。そのコンセプトに則る形で、今後は一層オンライン診療に力を傾けていきたいと考えています。例えばですが、真夏にわざわざ来院いただき、血圧を測定する必要はそれほどないと思うのです。禁煙外来や睡眠時無呼吸症候群など、オンラインでチェックできれば、それで事足りることは他にもあります。さらにクリニックでは医療DXを推進してまいります。スマホのアプリ1つでチェックインにチェックアウト、そして会計を行えるようになりました。近い将来、電子処方箋が実現していけば、診察が終わってちょっと買い物などをしているうちに処方箋が薬局に届き、お薬をすぐに受け取って帰る、ということもできるでしょう。すべてに通じることですけども、患者さんが経済的・時間的に余裕をおぼえ、医療機関を受診することのハードルを下げていけたらと思っています。
これから受診される患者さんへ
その昔、墨田区はものづくりの街でした。当時とはまた違いますが、スカイツリーに象徴されるように、また新たな形で盛り上がろうとしています。私は墨田区で生まれ育ったものとして、医療面でその流れを応援したいと思っています。何か気になることがありましたら、どんなことでもお気軽にご相談ください。
※上記記事は2024年8月に取材したものです。時間の経過による変化があることをご了承ください。
野口 千明 理事長 MEMO
- 出身地:東京都
- 趣味:ドライブ、ライブ鑑賞
- 好きな作家:阿刀田高
- 好きな映画:『ナイト・ミュージアム』
- 好きな言葉:「調和」
- 好きなアーティスト:ポール・マッカートニー
- 好きな観光地:京都、パリ
野口 千明 理事長から聞いた
『大腸がん[直腸がん・結腸がん]』
ポリープのうちに切除できれば、進行癌になることはない
グラフで見る『野口 千明 理事長』のタイプ
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エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
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