せんかわ耳鼻咽喉科

宇都宮 一歩 院長への独自インタビュー

病気が“見える”耳鼻咽喉科に魅力を感じて

父が医師でした。その診療をする姿を見て育ったということもありますが……小さな頃に私自身が父の診療を受けて助かったことがありました。その記憶がありましたので、将来、自分が父親になった時に医師であれば子供にとって安心と考えたのです。
防衛医科大学校を卒業後、研修医を経て耳鼻咽喉科を専門に選びました。耳鼻咽喉科はアカデミックに進もうと思えばそれもできるし、町医者になることもできる。選択の幅の広さが科を選ぶ1つのきっかけとなりました。加えて、この科の病気は“見える”ことが多いんですね。鼓膜の所見だったり、鼻の所見だったり、見て診断ができるということも魅力と感じたのです。
大学病院勤務時代は頭頸部癌の手術を多く手がけてきました。もちろん耳も鼻も全般的に診ていましたが、当時の教授が頭頸部癌の経口切除（TOVS）を海外から持ち込んだということもあって、そうした症例を多く診る機会に恵まれたのです。クリニックにおいて手術はできませんが、早期発見して適切な医療機関へと紹介する道筋はつけられますし、どのような治療がなされるかを患者さんにご説明する際、実際の経験からお伝えできると思っています。

地域に根ざした、皆さんに頼っていただける町のかかりつけ医を目指して

『せんかわ耳鼻咽喉科』は2023年6月に開院いたしました。耳鼻咽喉科の中でも、特にお子さんが多いと感じます。鼻が詰まって吸ってほしいですとか、耳の痛みを訴えるお子さんが多いですね。
以前に勤務していた病院もお子さんの多いところでした。7年ほど勤めたのですが、その最後の日、ずっと診ていたお子さんに「ごめんね。今日でここは終わりなんだ」という話をしたところ、その子が号泣したんです。初めは病院がイヤでイヤで、あっちこち蹴飛ばして、苦労した子だったんですけどね（苦笑）。その子が別れを惜しんで泣きじゃくっている姿を見て、こちらも胸がつまりました。町のお医者さんの良いところは、お子さんが成長していく過程に寄り添えるところでしょう。以前の病院と同様に、皆さんに頼っていただけるクリニックになっていければと思っています。

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