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電子カルテの保存期間は紙カルテと変わるの?正しい保存期間と保存方法を解説

「電子カルテの保存期間はどれくらいなのか?」

「電子カルテの保存期間と紙カルテの保存期間は同じなのか?」

このような疑問を抱えているのではないでしょうか。

電子カルテに移行した際に保存期間を理解しておかないと、後々トラブルになりかねません。

そこで、本記事では電子カルテの保存期間について解説します。

記事の後半では電子カルテに移行する方法についても解説するので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

電子カルテの保存期間は紙カルテと同じ

電子カルテの保存期間は、紙カルテと同じです。

しかし、「そもそも紙カルテの保存期間って何年だっけ?」と忘れてしまった方もいるかもしれないので、紙カルテの保存期間を復習しながら見ていきましょう。

理解しておかなければならないルールもあるため、きちんと確認してください。

電子カルテの保存期間は5年間

カルテの保存期間は5年間と義務づけられています。

また、カルテ以外の診療に関わる諸記録は3年間の保存が義務づけられています。

それぞれ非常に重要な点なので、必ず覚えておきましょう。

保存期間の起点は診療の終了日

では、5年間(または3年間)はどの段階から始まるのでしょうか?

保存期間は、一連の診療が終了した日から5年間(または3年間)となっています。

この規定は紙カルテ・電子カルテともに共通です。

一連の診療が終了した日から5年間(または3年間)という保存期間は、必ず覚えてください。

電子カルテの保存方法

電子カルテの保存方法は、電子データであることから紙カルテよりも厳格に定められています。

データを適切に扱うために必要な要素なので、理解するようにしましょう。

電子保存の三原則を遵守する

電子カルテの保存方法では、電子保存の三原則を理解することが肝心です。

電子保存の三原則とは、以下の3つを指します。

  • 真正性(虚偽でないこと)
  • 見読性(内容がわかること)
  • 保存性(復元可能な状態で保存すること)

この3つの原則を満たすことで、適切な電子カルテの管理ができているといえる状態になります。

どれも適切な電子カルテの管理には必要な要素であるため、遵守しましょう。

ガイドラインを理解する

では、電子保存の三原則を遵守するためにやるべきことはあるのでしょうか?

それは、ガイドラインを理解することです。

ガイドラインとは のことです。

このガイドラインに、電子保存の三原則に関する内容が詳しく記されています。

時間を見つけてガイドラインを読み込み、理解をすることで、電子カルテを適切に保存できるようになるでしょう。

紙カルテを電子カルテにする方法

ここでは、紙カルテを電子カルテにする方法を3つ紹介します。

  • フラットベット式
  • オートフィード式
  • スタンド式

それぞれどのような方法か、1つずつ見ていきましょう。

フラットベット式

1つ目はフラットベット式です。

フラットベット式とは、1枚ずつスキャンをする方法です。

ズレが無いため確実にデータ化できるメリットがあります。

一方、時間や手間がかかる点がデメリットだといえるでしょう。

オートフィード式

2つ目はオートフィード式です。

オートフィード式とは、複数枚を順番に流す方法です。

スキャナの機能が向上したことから、スピードも画質もフラットベット式よりも向上しています。

スピードはおよそ1分間に30〜50枚ほどです。

スタンド式

3つ目はスタンド式です。

スタンド式とは、上から撮影してスキャンをする方法です。

スキャナが安価なので導入しやすい点がメリットだといえるでしょう。

一方、ページをめくってスキャンするため、慣れていないとズレたままスキャンをしてしまう可能性があるので注意してください。

データ化した後の紙カルテの扱い

ここでは、データ化した後の紙カルテの扱いについて解説します。

捨てられるのか否か、もし捨てられるならどのような方法があるのかをみていきましょう。

データ化した後の紙カルテは破棄してOK

スキャンした電子カルテは、厚生労働省が出している「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(第5版)」に準拠した電子署名・タイムスタンプが押されることで、紙カルテと同様の効力を持ちます。

紙カルテと同様の効力を持った電子カルテがあれば紙カルテは不要になるため、スキャン後の紙カルテは破棄して良いこととなっています。

大量の紙カルテを保管し続けるのは大変なことなので、管理の手間を増やさないために、スキャン後の紙カルテは破棄することが望ましいでしょう。

データ化した後の紙カルテの破棄方法

紙カルテを破棄するには、以下の3つの方法があります。

  • 溶解
  • 粉砕
  • 焼却

これらの方法を自分で行うのは現実的では無いので、機密文書処理事業者に委託することになるでしょう。

なお、業者を選ぶ際には、セキュリティ対策をしているかどうかを確認してください。

紙カルテには個人情報が多く記載されています。

もしセキュリティ対策が不十分な業者だと、個人情報が流出してしまう可能性があるので、よく確認しましょう。

まとめ

今回は、電子カルテの保存期間について解説しました。

電子カルテは紙カルテと同じ、診療終了から5年間が保存期間とされています。

電子カルテに移行した際、以前使っていた紙カルテは不要になるため、破棄できます。

個人情報保護の観点から、セキュリティ対策が万全である業者に破棄を依頼しましょう。