小児気管支喘息(ショウニキカンシゼンソク)の原因
空気の通り道(気道)が慢性的な炎症のために狭窄が起こり、呼吸が苦しくなるもの。炎症を悪化させ、急性憎悪(発作)を誘引する要因として、遺伝的要因(アレルギー素因)やアレルゲン(ダニ・ホコリなど)の吸入、有毒物質(タバコや大気汚染物質)や粉塵などが挙げられるが、中でも遺伝的要因(アレルギー素因)が大きく関与していると考えられている。 小児期の気管支喘息は1~2歳前後をピークとして、以降は緩やかに減っていくとされていたが、最近は0歳児での喘息が多く報告されており、学童期の有病率も増加傾向にあるとの報告がある。小児気管支喘息(ショウニキカンシゼンソク)の症状
代表的な症状として喘鳴(ぜんめい)と呼ばれるヒューヒュー、ゼーゼーといった呼吸音があげられる。乳幼児の場合、泣いたり不機嫌になることもある。急性憎悪(発作)は真夜中から明け方にかけて多く、季節の変わり目に発症しやすい特徴がある。小児気管支喘息(ショウニキカンシゼンソク)の治療
気道の炎症を抑え、急性憎悪(発作)を予防するために用いられる長期管理薬(コントローラー)と、急性憎悪(発作)の時にすみやかに症状を収束させるために用いられるリリーバーとを使い分けることになる。重度の急性憎悪(発作)のケースでは、酸素吸入や気管内挿管による人工呼吸器が用いられることもある。- 受診科目
- 小児科
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小児気管支喘息の対処(治療)方法
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発作をいかに抑えるか、ということが大切
気管支喘息全般に言えることですが、気道に慢性的な炎症がある状態にあり、その炎症の程度が強いと、風邪や気圧の変化、あるいはタバコの煙といった「トリガー」が発作(急性増悪)を惹起させてしまうのが気管支喘息です。
トリガーは避けるに越したことはありませんし、アレルギー検査によってトリガーを見定めることも奨励されています。ただし、風邪や気圧の変化、寒暖差と言ったものは避けようがない面がありますので、基本的には気道の慢性炎症をしっかりコントロールしていくことが大切になります。
そのコントロールするためのお薬が、飲み薬や吸入ストロイドです。現在のガイドラインでは、月に1回ほどの発作であれば、まず飲み薬から始め、それでもなお発作が続くケースでは、吸入ステロイドを用いていくことになります。それでコントロールされた状態が2、3ヶ月続けば、今度はお薬の使用のステップダウンを検討していくことになってきます。
「小児」と名がつくだけあって、成長するに従って、だんだんと喘息を卒業できる子が増えていきます。ここで注意したいのは、発作を繰り返していると、簡単に言えば気道が傷ついてしまう、ということです。そうなると、軽い運動で咳が続いたり、風邪で咳が長引いてしまうなどといったことが起きてきますので、できる限り発作を起こさないよう見守っていくことが大切になります。