不妊症(フニンショウ)の原因
不妊症とは、妊娠を望む健康な男女が一定期間(「1年というのが一般的」<日本産婦人科医科学会>)避妊せず性交してしているにもかかわらず、妊娠しない状態を指す。不妊症の原因は男女どちらか、あるいは両方にあり、約半数は男性側にも原因があると考えられている。 女性の場合、妊娠に関わる器官と排卵が正常であることが必要で、これらに障害があると妊娠しにくくなる。妊娠に関わる器官に障害をもたらすものとして、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮内膜ポリープなどがあり、クラミジア感染等による卵管炎や卵管の狭窄・閉鎖も要因の1つとなる。また、排卵が起こらない原因としては、極度の肥満あるいは体重の減少、多嚢胞性卵巣症候群などホルモンのバランス異常をもたらす疾患も考えられる。 男性が不妊症の原因の場合は、精子を作る機能の低下をもたらす造精機能障害が主たる要因と考えられており、精子の数が少なくなる、あるいは精子の運動性の低下を招く精索静脈瘤が要因の多くを占めるとする見方がある。また、精路通過障害や前立腺炎、勃起障害(ED)、射精障害なども原因と考えられている。不妊症(フニンショウ)の症状
不妊症の原因によって異なる症状が見られる。女性の場合、月経の間隔が極端に短くなったり、長くなったり、月経量が極端に多い、もしくは少ない、生理痛が強い、性交痛などが見られることがある。男性の場合、精索静脈瘤があると陰のうに複数の血管のコブが確認されたり、痛みを感じることがある。また、勃起不全や射精障害では勃起を維持できなかったり、精液量の減少が目に見える症状として自覚される。不妊症(フニンショウ)の治療
不妊症の原因がわかっていれば、その原因に応じた治療が優先される。原因がわからない場合、排卵と受精を補助する治療が行われる。まず自然に近いタイミング法から始まり、排卵誘発法、人工授精、体外受精、顕微授精といったように治療法をステップアップしていくのが一般的。しかし、女性の年齢が30代後半以降の場合、体外受精や顕微授精から治療を開始していくこともある。- 受診科目
- 産科
- 泌尿器科
この病気について2人の医師の見解があります。
医師から聞いた
不妊症の対処(治療)方法
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不妊治療は「年齢」がネックになることも。早めの妊娠を望むなら早めの行動を。
不妊症の原因は女性だけにあると思われがちですが、実際には男性・女性それぞれ半分ずつの確率で何らかの要因を持っているとされています。ですから不妊治療に取り組む際には女性だけでなくパートナーと2人一緒に受診し、どこに問題があるのかを確認することが大事です。治療ではヒューナーテスト・卵管疎通性検査などを行ったうえで、一人一人に適した方法を選択することを心がけています。
また、不妊症はご本人やパートナーに問題がみつかる以外にも「年齢」が大きなリスクファクターとなり得ます。ある調査では35~36歳を境に急激に自然妊娠率が低下するという報告があります。また、体外受精・胚移植の保険適用範囲にも年齢制限があるため、早めの行動を心がけていただくとよいと思います。