多嚢胞性卵巣症候群の原因・症状とは?
多嚢胞性卵巣症候群(タノウホウセイランソウショウコウグン)の原因
多嚢胞性卵巣症候群は卵胞の成長が途中で止まってしまう病気で、はっきりとした原因は分かっていない。男性ホルモンの分泌過多が要因の一つと考えられており、この状態が長く続くとさまざまな病気の発症リスクを高めることが分かっている。
多嚢胞性卵巣症候群(タノウホウセイランソウショウコウグン)の症状
卵胞が十分に育たないことで月経周期に異常をきたすようになり、不妊につながる可能性がある。また、男性ホルモンの血中濃度が高くなることで糖尿病や心臓病の発症リスクが高まる。男性ホルモンの影響でにきびができやすくなったり、毛深くなったりすることもある。
多嚢胞性卵巣症候群(タノウホウセイランソウショウコウグン)の治療
将来的な妊娠を希望するかどうかによって治療法が異なる。妊娠を希望する場合は、ホルモン療法を行って排卵を促すほか、手術によって排卵しやすくする場合もある。妊娠を希望しない患者に対しては、黄体ホルモンやエストロゲン・プロゲステロン配合剤を使用して、月経周期の正常化を目指すことが多い。
【受診科目】
- 婦人科
※3人の医師がこの病気について述べています
医師に聞いた
多嚢胞性卵巣症候群の原因・症状・治療方法
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多嚢胞性卵巣症候群:卵の質が悪いと誤解しないで!適切な予防と治療が大切です。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は10~20人に1人にみられる疾患で、卵巣内に多くの卵胞が存在することで、様々な症状を引き起こす病態です。通常は生理開始から約2週間かけて卵子が成熟すると排卵しますが、PCOSの方は排卵する卵子を選ぶまでに時間がかかってしまいます。原因は、卵巣のホルモンバランスの乱れにより男性ホルモンが多くなることで排卵機能が低下することや、インスリン抵抗性や高血圧・糖尿病などの代謝異常が挙げられます。症状は、主に無月経や月経不順・不妊・ニキビ・多毛症・脂漏性湿疹などが見られます。診断は、件の症状の有無のほか、卵巣から分泌されるエストロゲン・プロゲステロン・男性ホルモンの数値の検査、卵巣の超音波検査などを実施し総合的に判断されます。PCOSと診断された多くの方は「卵子の質が悪いんですね」とネットの誤った情報を見て誤解されるのですが、実際に生殖補助医療で卵を育ててみると、たくさんの質のいい卵が取れますので、実際は「宝の山」だと思ってください。生殖補助医療を行うときに卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクがありますが、上手に刺激をすれば副作用をほぼ起こすことなく良質な卵子を得る事ができます。当クリニックは、豊富な経験から多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でも質のいい卵をとる技術を心得ていますのでぜひご相談くださいね。治療は患者さんのニーズに合わせて排卵誘発剤・体重管理・ホルモン注射・経口避妊薬・手術などを試みます。治療後は定期的な医師による検診と経過観察を欠かさないようにしましょう。予防法に関しては明確なことはいえませんが、食生活を整えること・規則正しい生活を心がけること・ストレスの少ない生活を送ることが効果的です。
北千住ARTクリニック
大野 基晴 院長
- 足立区/千住/北千住駅
- 婦人科
生理が来ない……。その原因は「多嚢胞性卵巣症候群」かも?
多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)は排卵が起こりにくくなり、月経周期が長くなったり、不規則になったりする病気です。「生理が遅れがち」「生理が来ない」とお悩みの方は、この病気であることが多いです。
診断の際はホルモン値や月経周期に異常がないかを確認し 卵巣内の嚢胞(袋状の病変)の有無を超音波検査で調べます。検査の結果これら全てが診断基準を満たした場合。多嚢胞性卵巣症候群との診断がつきます。
多嚢胞性卵巣症候群は月経不順以外の症状がないことが一般的です。しかし生理がない状態を何か月も放置すると、子宮体がんにつながる恐れがあるため注意が必要です。妊娠を希望する方なら排卵を促す治療が行われ、妊娠を希望しない場合は低用量ピルによる治療が適応となります。もしも気になる症状があるときにはネットの情報に頼らず、婦人科クリニックを受診なさることをおすすめします。
メディカルパーク武蔵小杉
吉川 直希 院長
- 川崎市中原区/新丸子東/武蔵小杉駅
- 婦人科
繰り返す「にきび」の原因は婦人科系の病気かも……?
多嚢胞性卵巣症候群とは、排卵が起こりにくくなる体質と、男性ホルモン(アンドロゲン)が相対的に高くなる傾向を特徴とする、思春期~閉経前にみられる一般的な疾患です。月経不順や不妊症の原因になることが知られています。
ホルモンバランスの乱れは皮膚にも大きな影響を及ぼすため、多嚢胞性卵巣症候群の女性は月経周期に関連してにきびができやすかったり、多毛となるなどの皮膚症状が出る場合があります。この場合、皮膚科でにきびの治療を行うだけでは、根本的な治療とならない可能性があります。
このように、にきびをきっかけに多嚢胞性卵巣症候群と診断される場合もあるため、婦人科にもご相談していただくことをおすすめいたします。治療の方法も、患者さんそれぞれの背景を踏まえ、多くの選択肢をご提示させていただきます。皮膚科に婦人科を併設した当院ならではの診療をお受けいただけるので、お気軽にご相談ください。
日本橋IELAクリニック皮膚科・婦人科
廣瀬 宗 院長 & 遠藤 恵 副院長
- 中央区/日本橋人形町/人形町駅
- 皮膚科 ●美容皮膚科 ●婦人科