抜弁天クリニック

菊池 智津 院長の独自取材記事

菊池 智津 院長

生活習慣病をはじめ、メンタルな問題から引き起こされる身体症状も丁寧に診療。

菊池 智津 院長キクチ チヅ

大学卒業後、勤務医として経験を積んだのち、若松河田駅・東新宿駅より徒歩4分の場所に開業。

魔法のように痛みを消した1本の注射。

菊池 智津 院長

おそらく胃けいれんだったように思っていますが、私が小学校3年生か4年生の頃、母がすさまじい腹痛に襲われたことがありました。折悪しく父も不在で心細い気持ちでいたところ、それまで一度も掛かったことのない先生が10キロの道程を押して往診に駆けつけてくれました。そして先生が注射を1本うつと、みるみるうちにお腹の痛みが引いていったんです。魔法のように治してくれたこともすごかったのですが、それ以上に、深刻ぶるでもなく、あくまでもさりげなく「お大事に」と帰っていかれた先生のふるまいに心魅かれました。まだまだ小さい頃のことでしたけど、その先生との出会いが私をこの世界に導いてくれたと思っています。

そうして2002年に都営大江戸線の若松河田駅・東新宿駅より徒歩4分のこの地に内科・小児科の『抜弁天クリニック』を開院致しました。実はこのマンションの上の階に住んでいたんです。大学に入ってから、ずっとこの辺りに居を構えていました。この場所には銀行が入ってらしたんですが、そちらが空くことになり、この運びとなったのです。
正直なところ、それまで私は開業ということを視野に入れてはいませんでした。ところが、子供が小学校に上がった時のことですが、同級生のお母さんに挨拶されたものの、その方が誰だかまったくわからないということがありました。病院勤務が忙しいということはあったものの、我が子がこの街でお世話になっているのに自分自身はちっともこの地域と関わってない。「地域のために何か出来ることはないものか?」 その思いが、私の重い腰を上げてくれました。

糖尿病のオーダーメイド治療にかける情熱。

菊池 智津 院長

風邪に始まり、来院される方の症状は多彩ですが、中でも糖尿病に代表される生活習慣病をメインに診ています。
糖尿病の管理において、ヘモグロビンA1cという数値がトピックとして取沙汰されるようになりました。ヘモグロビンA1cとは、過去をさかのぼって血糖の平均値を示すものです。確かに目安とはなるものの、それだけが重視されているかのような現状にいささかの懸念を抱いています。例えば人により、食前と食後の血糖値に大きな差が出てくる人と、そうでない人とがいます。この場合、空腹時を含めて全体的に高い状況にあるのなら、全てにおいて下げるよう努めないといけない。逆に、食後に著しく血糖値が高まるのであれば、それを念頭に置いて治療をしなくてはなりません。

開業してみて一番良いなと思うことは、小回りが効くことです。「食後何時間でいらしてください」と伝えれば、その時間の通りに採血が出来る。状況、状況を細かく診ていくことで、オーダーメイドの治療がおこなえると考えています。
糖尿病は全身の血管病ですから、血糖だけを気にするのではなく、血圧やコレステロール、中性脂肪も全て診ていく必要があります。当院ではご本人に自覚がなくとも、動脈硬化があるとこちらで判断した場合、出来る限り速やかに検査に赴いていただくようにしています。そこで狭心症などが疑われた場合、速やかに対応出来るネットワークを構築してきました。

症状の奥に潜む原因まで拾い上げる。

菊池 智津 院長

例えば血圧が高くていらした方が、原因を辿っていくとメンタルに問題があるケースをよく目にします。うつ病は女性に多い疾患ですが、より深刻になってしまうのは男性のほうなのです。男性はとかく、「泣き言を言っちゃいけない」ですとか、「男はこうあるべき」というものがマイナスに働いてしまい、それが症状を重くしているケースがままあるように感じています。
疾患の属性は異なりますが、そうした疾患を拾い上げていくことも開業医の役割の1つではないかと考えています。この場合、こちらもあせらず、徐々に自分のことを話していただけるように導いていく姿勢が重要ですね。

発達障害であっても、その人らしく生きられる道がある。

現在、小学生のおよそ6%が学習障害やADHDといった何らかの発達障害にあることがわかっています。この発達障害ですが、本人にそれと自覚のないまま大人になっていくケースが多くあります。勉強は出来るけれども、いざ社会に出てみると上手くいかない。他人と一緒にいられない。当院にも散々悩み苦しんだ挙げ句に来院される方が少なくありません。
通常の疾患と異なり、これが非常に難しいのは、ご本人はもとよりご家族がそれを認めたがらないことにあります。お気持ちはわかりますが、言い換えればそれを個性と考え、その人がその人らしく才能を活かして生きていける道を見つけてあげなければいけません。大人になって誰にも言えず苦しませるよりは、子供の時代に何か気が付けば相談されるべきだと考えます。親はいつまでも子の傍にはいられません。我が子のために何がベストなのかを考えてあげるべきなのではないでしょうか。

これから受診される患者さんへ。

今クリニックや病院に掛かっておられるとして、その治療は何のためなのでしょう。「今さえ良ければそれで…」という治療に大きな意味はありません。5年後、10年後に何かが起きないように、そのリスクを限りなくゼロに近づけていく。生活習慣病の治療とはそうあるべきだと考えます。優しく、時に厳しく、皆さんと一緒に未来を見据えて治療をおこなっていきたいと思っています。

※上記記事は2014年07月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

菊池 智津 院長MEMO

生年月日:
4月19日
出身地:
香川県
血液型:
O型
趣味・特技:
オペラ・バレエ鑑賞、うどん作り
好きな本:
花伝書
好きな映画:
スタンド・バイ・ミー
好きな言葉:
「気持ちを前に、そして言葉に」、「ポジティブ・シンキング」
好きな音楽:
クラシック、ボサノヴァ
好きな観光地:
赤灯台(香川県)

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