糟谷 英俊 院長
HIDETOSHI KASUYA
脳神経外科、ドクター歴40年『患者さんを自分の家族だと思って、最良の医療を提供したい』
徳島大学医学部卒業後、東京女子医科大学脳神経外科に入局、東京女子医科大学教授を経て定年退職。2022年4月に『脳神経まちだクリニック』を開院、現在に至る。
糟谷 英俊 院長
脳神経まちだクリニック
町田市/原町田/町田駅
- ●内科
- ●脳神経内科
- ●脳神経外科
『脳神経外科』を40年間、最前線で診療して開院に至る
「子供のころは、生き物が好きで、将来は「魚博士」(海洋生物学者?)になろうと思っていました。思春期になり、本(小説)を読むようになり、ヒトにも興味を持ち、ヒトの研究も面白いと思い始めていました。」と糟谷院長。そんなころ、両親に相談すると「医学部に挑戦したら」と言われ、医学部に進むことに。このアドバイスには今も感謝しているそうです。大学選びでは、海の美しいところと思い、徳島大学医学部を選んだそうです。大学時代には、よき師、よき先輩、よき友人に恵まれ、のびのびと勉学に励んだとのこと。卒業後は、東京女子医科大学に入局し、関連病院で修行、カナダ、アメリカで研究員として、「くも膜下出血後の脳血管攣縮」の研究を行いました。帰国後も研究を継続し、この分野では世界中で先生の名前を知らない研究者はいないそうです。2007年、東京女子医科大学脳神経外科教授となって、手術、診療、研究、教育に、文字通り超多忙な日々を15年間送り、2022年3月に定年退職されました。これまで国際学会での発表は100以上、英文論文は200以上あるとのことで、クリニックでは英語での診療も行いたいと言われています。
定年後は、海のそばで、半漁、半農、半医のスタイルで暮らそうと考えた時期もあったそうですが、奥様に「おいしい魚が釣れたら行くわ」と言われ、これまでの専門知識・経験を生かして、自宅のある町田で開業することを決心されたとのことでした。
生活習慣病を診療
先生は脳卒中の専門家です。生活習慣が乱れて健康管理がしっかりしていない患者さんが、脳卒中となって病院に運ばれているのを日々経験されて、そのような患者さんを少しでも減らすことができれば、との思いが開業の動機のひとつとのことです。「脳卒中は寝たきりの原因として最も多い病気です。健康診断を全く受けていない人、異常を指摘されても放置している人、薬を服用していても血圧がコントロールされていない人が危険です。薬の服用だけでなく、食事、運動、喫煙、飲酒などが大きく脳卒中リスクに関連します」と糟谷院長。脳卒中診療の経験から、健康管理の在り方を患者さんに科学的な根拠をもって伝えていくのが使命と考えられています。
「なかでも、喫煙が最も大きなリスクです」と糟谷院長。喫煙を減らして、脳卒中になる人を減らしたいため(脳卒中のみでなく、がんなどほとんどの病気のリスク)、日本禁煙学会の専門医を取得し「禁煙外来」をされています。また、睡眠時無呼吸症候群が、高血圧のリスクであることから、「睡眠時無呼吸症候群外来」も始めることにされました。入院せずに診断・治療まで可能とのことです。
患者さんとの会話、「問診」を通して見抜く
脳神経・脊髄の病気は、どのような症状が、いつから、どの程度で、どのような経過をたどり、他に病気はあるか、家族に同様な症状はあるか、他に薬を飲んでいるか、などくわしく「問診」を行い、「診察(神経学的所見)」することで、診断ができるそうです。よく認知症が不安だからMRIを撮りたいという患者さんがおられますが、認知症の診断は「問診」と「診察」で行い、MRIは補助的でしかないとのことです。
先生は、MRIで異常がなく原因がわからない身体の症状をもつ患者さんの治療も得意とされています。「身体表現性障害」というそうです。「問診」を通してその糸口を探り、生活の指導、抗うつ剤や安定剤などを用いて治療されます。
乳児から高齢者まで
「子供は大人と違って放射線のリスクがあるため安易にCTを行えません。小児頭部外傷の診察は簡単ではありません」と糟谷院長。先生は、前職で、子供の頭部外傷を数多く診察されました。近隣に受け入れる病院がなく、患者さんが集まってきたとのことです。さらに、その経験をもとに、500人以上の患者さんの統計をとって研究もされたそうです。「頭を打って怖いのは頭の中に出血を起こすことです。どのような場合そうなるかを研究しました」とのこと。科学的な論文としても示されました。脳神経まちだクリニックでは、頭を打った小児を診療されています。
「若い人には脳神経の病気が多くはありません。その中で、片頭痛は深刻な病気と言えます。ひどい場合は学校を休んだり、仕事に差し障ったりします。その治療薬、予防薬にはたくさんの種類があるため、うまく使いこなすことが重要」とのこと。「生活習慣も大切です。夜更かしも頭痛の原因となるため、生活習慣の指導をご家族と一緒に行いたい」と考えられています。最近は、新しい薬も開発され、使用できるようになったとのこと。女性の場合は、妊娠、出産など重要なライフイベントにも関係してくるため、これらを考慮に入れて診療されているとのことです。
「高齢者では認知症があります。「認知症」と診断された場合、残念ながら治りません。生活習慣の改善や薬で進行を遅らせることが目的となります」と糟谷院長。一方、「軽度認知機能障害(MCI)」と診断された場合、元に戻る率のほうが、進行して認知症となる率より高いそうです。コロナ禍の生活環境の変化で増えていると感じられています。「軽度認知機能障害(MCI)」を見つけ出し、元に戻るよう指導することが重要とのことです。
高齢者には、もうひとつ重要な病気があるそうです。「てんかんは子供の病気と思いがちですが、高齢化に伴い、高齢者にてんかんが増えています。意識を失って倒れてしまう発作ではなく、一瞬ぼーとする、口をもごもごする、など周りがみておかしな行動がある場合、てんかんを疑います」と糟谷院長。確実に診断するために、ご家族には、その症状をスマホで撮影するようにしてもらっているとのことです。薬が非常に効果のある病気とのことです。
これから受診される患者さんへ
脳神経まちだクリニックは、町田駅からすぐそばの、最もにぎやかな通りに面していますが、入り口を入ると、落ち着いた雰囲気に驚きます。強制換気によってそよ風が吹く待合室は、ジャズが流れ、モダンで広々した作りになっています。糟谷院長は、内装の設計会社(ウェルハート)に、フランクロイドライト風に石を使って欲しいと頼んだそうです。診察室も、書斎のようで、緊張が和らぎます。ベビーカーの乳児から、杖やシルバーカーの高齢者、車いすの患者さんにも対応しています。
※上記記事は2022年5月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。
糟谷 英俊 院長 MEMO
脳神経外科専門医
- 出身地:京都
- 趣味・特技:登山(山歩き)
- 好きな本:ノーベル文学賞作家の本を読んでいます。
- 好きな言葉 座右の銘:「Fortune Favors the Prepared Mind(幸運は用意された心のみに宿る)」パスツール
- 好きな音楽:ジャズ
- 好きな場所:南アルプスの山々の山頂付近
グラフで見る『糟谷 英俊 院長』のタイプ
穏やかで明るく話しやすい先生 |
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
穏やかで明るく話しやすい先生 | ||||
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
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