大宮 謙一 院長
KENICHI OMIYA
―在宅ではできない、ではなく在宅でもできる!を目指して―
可能な限り病院レベルに近い医療を在宅で実践し地域の皆さんの思い・きづなをつなぐ役割を果たしていく
徳島大学医学部医学科卒業。KKR札幌医療センター斗南病院で初期研修医を務め、以降、医療法人医仁会 中村記念病院、医療法人鉄蕉会 亀田総合病院、医療法人社団 藤崎病院で脳神経外科医長、部長職を歴任。2022年に『東京ツナクリニック』を開業(東京メトロ半蔵門線「住吉駅」より徒歩2分)。日本脳神経外科学会脳神経外科専門医、日本脳卒中学会脳卒中専門医、日本病院総合診療医学会認定病院総合診療医、日本認知症予防学会認知症予防専門医、ICD(Infection Control Doctor)、PNLSインストラクター、日本医療経営実践協会理事。
大宮 謙一 院長
東京ツナクリニック
江東区/住吉/住吉駅
- ●訪問診療
- ●内科
- ●脳神経外科
- ●脳神経内科
- ●外科
- ●循環器内科
- ●精神科
在宅だから出来ないではなく、在宅でも出来る、という医療の提供を
長らく脳神経外科医・救急医として救急の現場に携わっておりましたが、救急を受ける立場として、「もう少し出来ることがあったのではないか」という思いを抱くこともありました。逆に言えば、この分野に可能性を感じていたのです。
在宅医療に関して、「これはで出来ない」というケースがこれまでは多かったと思うのです。“輸血は入院しないと出来ません”、“静脈点滴もちょっと難しいので皮下注射なら検討します”、といったようにです。在宅で行っていい治療は医師法に制限はなく、現場の医師の裁量によるところとなります。
現実的に難しい患者さんもいらっしゃいますが、医師がいわば一肌脱いで訪問看護師さんと連携ができればしっかりとした治療が在宅でも実現できると気づきました。
縫合や輸血、ドレーン管理など病院であれば研修医の先生が行う処置が在宅では困難となっているという常識を変えていきたいと考えており、在宅だから出来ない、ではなく、在宅でも出来る、という医療の提供を目指し、『東京ツナクリニック』を立ち上げることを決めたのです。
当院では患者さんのご自宅を“面会フリー、好きなことができる最高の個室病棟に入院している”と考えています。個室入院の患者さんに対して各種処置を行うことは当然であり、スタッフも抵抗なく対応しております。幸い優秀なスタッフに恵まれ、当院の質の高い医療に貢献してもらえています。
重症例を含め様々な症状の患者さんを支えていける存在に
脳神経外科医というと、「手術」というイメージをお持ちの方が多いかもしれません。しかし、実際は開頭手術にいたるケースは少なく、全体の1割に満たない程度でしょう。脳神経外科医の診療のほとんどは、内科的・保存的治療への対応ということになります。
保存的治療としては、神経疾患や脳梗塞等の疾患の管理・治療が主たるものとなり、外来では脳梗塞や心筋梗塞の二次予防としての高血圧や糖尿病等、生活習慣病の管理がメインとなります。そう考えれば、全身を診ることが可能な脳神経外科は在宅診療との親和性が非常に高いと言えるのです。
私は全科救急の現場で10年以上にわたりあらゆる患者さんを拝見してきました。重症例を含め多くの経験を受けて総合診療に関しても見識を積むことができました。脳神経外科医・総合診療医として現場で培ってきた臨床医としてのスキルを十分に生かしていけるのが在宅医療と考えています。
病院であれば当然行われる手技が家に帰ったら出来ない、というケースを減らすことも大きな目標です。一見難しそうなケースでも退院前カンファレンスで病院様とやり取りし、オーダーメードの対応をすることで在宅療養の環境を整え、柔軟な対応を行うことでこれまでご自宅に帰りたくても帰れなかった患者さんを在宅で診ていくことを可能にできるようスタッフ一同尽力しています。
治療の選択肢の幅を広げ、治療の可能性を広げていく
「こんなことも出来るのですか?」と患者さんやご家族が驚かれるものとしては、点滴や輸血もそうですし、それから中心静脈ルートの確保があります。従来、ご自宅でお薬を投与する場合には、末梢点滴注射、それが難しい際には皮下点滴に限られていました。皮下注射は様々な薬剤を投与するのに適しておらず、病院では一般的に行われていません。一方で末梢点滴に関しては、血管が取りづらくなってくると、在宅ではもう打つ手がない、と判断されることが多かったわけです。
中心静脈ルートが確保できれば、末梢点滴が取れなくなった場合でも長期間かつ安全に抗生剤や解熱剤を投与することが可能となり、治療の選択肢の幅が広がることになります。
当院には脳神経外科医である私に加え、神経内科、精神科のドクターも在籍しています。
脳卒中や水頭症、脊髄疾患あるいは認知症などの病気にも対応が可能ですし、神経難病についてもしっかりアプローチが可能です。パーキンソン病やALS(筋萎縮性側索硬化症)などの神経系の疾患は進行により寝たきりになってしまうことが多いものです。一般内科の先生が診ることも可能かと思いますが、難病であることから薬剤の調整や咀嚼障害、手足の拘縮(こうしゅく)といった症状への対応は難しい面があります。我々のチームは救急をベースとしており、あらゆるものを診ていくというスタイルが基本となっていますが、それに加えて神経系に強く神経難病もしっかり診療できることも特長の1つです。神経疾患の患者さんにおいては実際に定期的に腰椎穿刺やボトックスの投与を必要としている患者さんもおり、とても喜ばれています。
「家で診ることは難しい」と言われ、望まれない入院を強いられるケースは少なくなかったと思われます。もちろん入院が必要なケースはありますが、出来ることを増やし、選択肢が増えていけば、その患者さんにとって、広義の意味では社会にとっても有意義なことと考えています。
患者さんやご家族が望まれる満足度の高い医療を提供
常に明るく、気持ちの良い接遇を心がけています。これは患者さんのみならず、他の事業者さんに対しても同様で、スタッフの奮闘のおかげもあって「ツナさんのスタッフさんはみんな優しく、丁寧でいいですね!」というお褒めの言葉をいただくこともあります。その姿勢に加えて、患者さんの望みを100パーセント叶えてあげられるように努め、さらにご本人やご家族が気づいていないニーズも掘り下げ、提供していくことを職員の目標としています。
例えば、医療費の助成や様々な申請について、患者さんとご家族はご存知ないことも多いのです。
この部分については、医療関係者、あるいは介護従事者との情報の格差があることを実感しています。医師として患者さんを診てお薬を出すだけ、という姿勢ではなく、患者さんとご家族のお困りごとを具現化していき、それを解決するプランを提案していくことも重要な役割と認識しています。
その提案も、そして治療も、最終的にお決めになるのは患者さんです。あえて「何もしたくない」という方にはそのご希望に添いますし、「しっかり治療して欲しい」ということであれば望まれる治療を全力で提供していきます。選択肢があるということが非常に重要で、患者さんやご家族が望まれる、満足度の高い医療を提供していきたいと思っています。
当院の取り組みとスタッフ採用
当院では社会貢献、人間教育、医療水準の向上を目標に医療に取り組んでおります。また、私事ではありますが医療安全・感染対策を軸とした医療マネジメントも一つの専門として活動してきたことにより、2024年に日本医療経営実践協会の理事を拝命いたしました。
日本の医療では自己犠牲が美とされる部分があり、医療従事者が厳しい労働環境・待遇で働いていることが多く、努めている医療機関を辞めたいと感じている職員が多いという統計が発表されています。医療部門のマネジメントの専門家として、働きやすい環境と、職員の組織への貢献と頑張りを十分に評価し、各々に還元することを実践しております。
おかげさまで取り組みのおかげで各種事業所様、病院様より患者さんのご紹介をいただいておりますことを受け、現在当院の取り組みを広げていく仲間を募集しております。医師、看護師、救命士、セラピスト、事務スタッフなど専門性は問わず、在宅医療に興味があり優しくやる気のある方を大歓迎しています。日本の在宅医療をより充実するため、当院へお力添えをいただけます方は是非ご応募ください!
『東京ツナクリニック』では土曜日曜の定期訪問もスタートしました。土日の訪問を希望されるご家族も多く、そのニーズに応えていきたいと始めたものです。医療以外の一般的なサービスにおいてはお客様のニーズに応えることは、社会人として当たり前のことだと思うのです。
患者さん、そして事業者さんが望まれることに応えていき、それが社会的な貢献にもつながっていけば嬉しく思います。患者さんとご家族の希望される生き方や治療方針を十分にくみ取り、真摯に患者さんに寄り添った医療を提供できるようスタッフ一丸となり尽力しております。
※上記記事は2024年12月に取材したものです。時間の経過による変化があることをご了承ください。
大宮 謙一 院長 MEMO
- 出身地:宮城県
- 出身大学:徳島大学医学部医学科
- 趣味:名所・史跡巡り、トートバッグ集め
- 好きなもの・こと:温泉、パンどろぼうグッズ
- 好きな観光地:あまり人がいない穴場のスポット
- 好きな言葉・座右の銘:「和顔愛語」
大宮 謙一 院長から聞いた
『水頭症』
認知症、歩行障害、尿失禁の3つ症状が同時に見られたら医療機関の受診を
治療の流れとしては、まず頭部画像検査(CTもしくはMRI)を行い、水頭症の疑いがあれば腰椎穿刺と言い、腰から水を抜く処置が行われます。腰椎は頭とつながっていますから、そこから水を抜いて症状に改善が見られれば水頭症である可能性が非常に高い、ということになってくるのです。水頭症であることが強く疑われる場合(Probable NPH)は、シャント手術という治療が行われます。シャントとはバイパスのようなもので、違うルートから水の逃げ道を作り、余分な髄液を絶えず流すことで症状の改善を図っていくのです。
手術で治すことができる認知症として脳外科医として見逃してはならない病態です。しかしながら先に挙げた3つの症状は、「年のせい」と判断されるケースが少なくありません。歩行障害や認知症、尿失禁が3つ同時に起こることは他の疾患ではあまり見られないことですので、この3つの症状が進行性にみられた場合、一度画像診断が可能な医療機関を受診いただくことをお勧めいたします。
グラフで見る『大宮 謙一 院長』のタイプ
どちらかというと エネルギッシュで明るく話しやすい先生 |
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
どちらかというと エネルギッシュで明るく話しやすい先生 |
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穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
CLINIC INFORMATION
東京ツナクリニック
大宮 謙一 院長
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