古閑 比佐志 院長
HISASHI KOGA
FESSに特化したクリニック。 患者さんに適した、最も低侵襲な治療をご提供
琉球大学医学部卒業。医学博士取得(熊本大学)。ヘリックス研究所第3研究部門主任研究員、かずさDNA研究所・ゲノム医学研究室・室長を歴任。岩井整形外科内科病院・副院長を経て、2019年5月1日、『岩井FESSクリニック』院長に就任(JR総武線「小岩駅」から徒歩5分)。
古閑 比佐志 院長
岩井FESSクリニック
江戸川区/南小岩/小岩駅
- ●整形外科
情熱があれば、不可能なことはない
我々の世代は、手に職を持つことが優先順位の上にきた時代でした。私もその1人で、当初は「患者さんを助けたい」といった高尚な理由からこの世界を目指したのではなく、手に職の中で最高の技術が医学だという認識から足を踏み入れたということになります。
大学卒業後は脳神経外科医として主に脳腫瘍の治療に従事していました。当時の医学の本には、「脳腫瘍は21世紀になっても治ることはない」と書いてありました。そうなると、逆にやりたくなってしまうのが人間というものでしょう(笑)。しかし、実際にその現場に入ってみると、本に書かれていたことが事実だということを思い知らされることになります。今ある医学知識では難しい。では、その次の方法を探すべきと考え、当時熊本大学にいらした脳腫瘍研究の第一人者の方を頼ったのです。その後、ドイツに赴いたのもその研究をさらに進めるためのものでした。父の病があり、想定したよりも短期間で帰らざるを得なかったのですが、日本に帰国後も研究者として10年余りを過ごしたということになります。
再び臨床の世界に戻ることになったのは、やはり父の病がきっかけとなりました。父の面倒を見るためにも、“医者”であるほうがプラスではないかと考えたのですね。ただ、1つ問題だったのが、研究生活等のために医師として20年ほどのブランクがあるということでした。それを負の経験とせず、医師としてのアイデンティティを得られる仕事としてめぐりあったのが内視鏡脊椎手術でした。今から10年ほど前のことになりますが、日本においてはこの種の手術は盛んにはおこなわれていませんでした。それを最も懸命に打ち込んでいたのが、岩井医療財団の稲波弘彦先生だったのです。先生の指導のおかげで、この手術においてはひとかどの人間になれたと自負しています。人間、情熱があれば、不可能なことはないのだと改めて思いますね。
「FESS」専門のクリニックとして
「FESS(フェス)」とは、「Full-Endoscopic Spine Surgery(内視鏡脊椎手術)」の略称です。内視鏡脊椎手術には様々な手術の方法がありますが、「FESS」はそのうちで最も低侵襲なものであり、傷は約7㎜、2〜3日での退院を可能にするものです。また、従来の内視鏡脊椎手術が腰のヘルニアだけを対象とするものであったのに対して、「FESS」は腰椎だけではなく、首や胸椎を含めたすべての脊椎を対象とし、ヘルニアだけではなく脊椎狭窄症などの疾患も対象となります。
この手術の1番の利点は、低侵襲であることでしょう。ご高齢の方は1日でも病院で寝たきりになると体力がガクンと落ちると言われています。この方法では、その日のうちに歩くことも可能になるため、のちのちのことを考えても意味のあるものと捉えています。
低侵襲とはいえ、人の体にメスを入れるわけですので、手術が最終手段という考えに変わりはありません。手術をしないで済むのであればそれに越したことはないわけですので、状態を伺い、投薬等で改善を図ることもこちらではおこなっています。あらゆる可能性を考慮し、その方にとって最適な道をご案内すべく、その窓口として当クリニックの立ち上げにいたったのです。
オンライン診療という新しい形を導入
ありがたいことに患者さんは全国からいらしていただいており、その流れを汲み、クリニックではオンライン診療を導入しました。
足や腰が痛むのに、移動していただくだけでも大変な負担を強いることになります。また、渡航費や宿泊費などの負担も大きなものになることから、オンライン診療が役立てると考えたのです。意外に思われるかもしれませんが、神経の診断は問診でわかることが多いものです。体のどこが不自由かを画面を通して観察することで、どの神経に問題があるかを推察することができるんですね。もちろん、前もってMRIやCTを地元の病院で撮影していただいてデータを送っていただくことになりますので、そのデータと問診で得られた情報をを突き合わせることで正確な診断が可能になります。
オンライン診療で最適な方法を導き出したのち、手術に関しては当院、もしくは地元の病院でこの手術に習熟されている先生の元にご紹介することになります。移動や手間のことを考えましても、患者さんに対してより利便性の高いサービスを提供できると考えています。
「FESS」をもっと利便性の高いものとするために
「FESS」は技術の習熟が必須のため、全国的に見てもこれがおこなえる施設は限られているというのが現状です。クリニックでは医師の見学も歓迎しており、私自身、海外での実地研修のほか、全国様々な場所に出向いてこの手術を広めるべく活動しています。
「手術」は、特別な人間のみが扱えるということでは普及のしようがありません。その意味ではゴッドハンドは必要ないと思っていますし、多くの方が扱えるようになって初めて、その手術方法が確立した、と申してよろしいでしょう。
当クリニックのみで手術が可能ということに満足するのではなく、あらゆる地域でこの手術がおこなえるということに最終的な目標を定めています。
これから受診される患者さんへ
心と体は切り離せないものです。体が痛いと心もどんよりしがちです。それは逆も言えることですので、できる限り明るく接して、患者さんの心と体が少しでも楽になるよう心がけています。
長引く痛みに悩まれている方は大変多いと思いますが、どうぞ諦めないでください。私とて完全ではありませんし、すべてのお悩みを解決できるとは限りません。ですが、少しでも楽になる方法はアドバイスできると思いますので、諦めることなく、1度ご相談いただけたらと思います。
※上記記事は2019年6月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。
古閑 比佐志 院長 MEMO
脳神経外科専門医
- 出身地:千葉県
- 趣味・特技:手術
- 好きな本:『社会的共通資本』(宇沢弘文 著)
- 好きな映画:SF
- 好きなアーティスト:松任谷由実(手術前の1つのルーティンとして常々)
- 好きな観光地:沖縄
グラフで見る『古閑 比佐志 院長』のタイプ
エネルギッシュで明るく話しやすい先生 |
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
エネルギッシュで明るく話しやすい先生 | ||||
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
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