榊原 聡 院長
SATOSHI SAKAKIBARA
皆さんが本来の仕事や生活に戻れるよう、
いつでも気軽に相談できる場所でありたい。
旭川医科大学医学部を卒業。北海道大学附属病院精神科に勤務。東京都立松沢病院精神科医長を経て、2017年に『つきじ心のクリニック』を開院(東京メトロ日比谷線「築地駅」から徒歩1分、東京メトロ有楽町線「新富町駅」から徒歩4分、東京メトロ日比谷線「東銀座駅」から徒歩6分)。
榊原 聡 院長
つきじ心のクリニック
中央区/築地/築地駅
- ●精神科
- ●心療内科
精神科の奥深さに魅了され、現在の道に
「国境なき医師団」という名称をお聞きになったことはあるでしょうか。私が高校生の時に、その団体に所属するフランス人医師が戦地に赴き、怪我を抱えた人を治療しているといった記事を新聞で目にしました。身の危険がおよぶ場所にわざわざ出掛け、困っている人を助ける。当時は海外で仕事をすることに憧れを抱いていた時期でもあり、それを可能にする医師という職業に興味を覚え、この道を志すこととしたのです。
憧れが憧れでしたから、大学に入学した当初は外科医を夢見ていたのですが、実習でさまざまな科を廻る中で、より自分に適性があり、魅力的と感じたのが精神科でした。精神科は、患者さんを色々な観点から総合的に診ていくことが求められます。その奥の深さと、学問的にまだ未開拓な面があることが、医師になりたての私を逆に奮い起こしてくれたのでしょうね。
北海道から東京へと戻ってきた私は、都立松沢病院に勤務し、2017年の5月に『つきじ心のクリニック』を開院いたしました。こちらは銀座がすぐ隣に位置するにもかかわらず、古いものと新しいものが共存していて、他にはない魅力を持っている街です。また、私の父はこの辺りに縁のある人で、自分自身も浅からぬ縁を感じていました。築地という思い入れのある場所で、新しいスタートラインに立てたことをとても光栄に思っています。
患者さんの全体像をつかみ、できることから取り組んでいく
近隣にお住まいの方はもちろんですけども、この辺りはオフィスで仕事をされている方も多いものですから、その方々もしっかり診ていきたいと思っています。イメージとしては、だんだん心身の元気がなくなってしまった方にお立ち寄りいただき、またここで元気を取り戻して日常に帰っていただくというもの。忙しく仕事をされている方、家事や育児に懸命にとりくまれているママ達、悩んでいる若者。そうした方々をサポートさせていただければと思っています。
実際の診療では、その人の全体像を把握して、生活の中で何をどのように改善したらいいのかをアドバイスすることを第一に考えています。もちろん病状によってはお薬も優先されますが、まずは本人のご希望をうかがいながら、睡眠や生活リズムといったものにも着目し、できることから改善していただくのがベターだと考えています。
大人の発達障害のサポートにも力を入れていきたい
病気の種類でいえば、うつ病や不眠症、更年期障害、不安障害が主な対象となると考えていて、最近ではそれに大人の発達障害が入ってくるものと想定しています。
大人の発達障害でよくあるものとしては、注意力が散漫になったり、欠如してしまうことで、指示を忘れてしまったり、それが元で仕事を失敗してしまうというもの。それが発達障害によるものであれば、何らかのサポートが可能かと思いますので、引っかかることがありましたら、まずはお気軽にご相談ください。
そもそも発達障害は病気というよりも、その人が持つ特性と位置づけられるもので、お薬を飲めばぱっと良くなるというものではないのです。しかし、その特性を考えた“コツ”を身につけることで、生活をスムーズにすることは可能です。たとえば、4つ5つすることがあったら、優先順位をつけて、それを見える形にリスト化するのも手でしょう。ご本人だけではなく、職場の方にそうした点に注意していただくのもポイントになります。
彼ら彼女らは、仕事ができないわけではないのです。少しの工夫でみんなと同じようにできるわけですので、それをより多くの人が共有することで、社会はもっと豊かになるのではないかと思っています。
国境なき医師団に参加し、持ち帰ったものと得たもの
外科医でなければ難しいと思ってあきらめていた時期もあったのですが、精神科でもニーズがあることを医師になってから知り、2004年に国境なき医師団に籍を置き、中東のパレスチナに赴いたことがあります。
2004年は「9.11」からの余波がまだ色濃い時期で、彼の地は今にも増して、混乱の最中にありました。その状況下で最も被害を受けるのは、子ども達でした。私が赴任したところでは、イスラエル軍による強制的な取り締まりが日常茶飯事であり、多くの人が連行されていきました。子供にとっては、「お父さんが大人に連れ去られ急にいなくなる」というのは、恐怖以外の何物でもありません。それにより、夜中にうなされたり、情緒が不安定となったりおねしょを繰り返してしまう子ども達を多く見てきました。それに対し、ごく簡単なものですけども、その子供の母親たちに「ストレスでお子さんはそういった症状を出している、そのことを理解しサポートすることが大切」とカウンセリングをして廻るのが、当時の私の仕事だったのです。
言葉では言い表すことのできない体験も多くしてきましたが、今思うのは、異なる価値観を受け入れることの大切さ、のようなものです。日本という国であっても、バックボーンは人それぞれ。精神科が他科と異なるのは、同じ検査をして、同じ治療をしても、必ずしも同じ結果に結びつかないということです。だからこそ、その人の生き方であったり考え方というものを尊重する必要があるのです。ああいう場所に行ったことで、それまで頭では理解していたつもりだったことを本当の意味でわかったような気がしています。
これから受診される患者さんへ
『つきじ心のクリニック』では、おひとりおひとりの状況やバックグラウンドに則した、テーラーメイドのアドバイスをおこなっていきます。心の病気は、事によっては時間の掛かるものもありますが、来院された方が「ここに来て良かった」と思っていただけるような医療を提供していきたいと考えています。何か思い悩むことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
※上記記事は2017年5月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。
榊原 聡 院長 MEMO
精神科専門医
- 出身地:千葉県
- 趣味:サッカー(見るのもやるのも。)、旅行、読書
- 好きな作家:宮沢賢治・村上春樹
- 好きな映画:ミステリー系
- 座右の銘・好きな言葉:漂えど沈まず
- 好きな音楽:ジャズ
- 好きな観光地:最近はハワイ
グラフで見る『榊原 聡 院長』のタイプ
穏やかでやさしく話しやすい先生 |
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
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穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
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