渡辺 賢治 院長
KENJI WATANATABE
漢方の大家をルーツに持つ漢方医院。「逃げない」「諦めない」「最後までよりそう」治療を提供
慶應義塾大学医学部卒業。同大学医学部内科学教室に入局。米国スタンフォード大学遺伝学教室で免疫学を学び、帰国後、漢方を大塚恭男に学ぶ。慶應義塾大学医学部漢方医学センター長、慶應義塾大学教授を歴任。2019年より『修琴堂大塚医院』院長に就任(各線「四ツ谷駅」より徒歩11分)。慶應義塾大学医学部客員教授。
渡辺 賢治 院長
大塚医院(漢方専門外来)
新宿区/四谷三栄町/四ツ谷駅
- ●内科
- ●漢方内科
幼い頃から抱いていた憧れから漢方の世界へ
漢方に対する漠とした憧れは、少林寺拳法を習っていた中学生の頃より持っていました。手本を見せてくれた師匠の技に東洋的なものを強く感じていたのです。それから程なくして進路を考えるようになった頃、父の読んでいた雑誌に載っていたある文言が目に止まりました。「西洋文化は細分化され、木を見て森を見なくなってしまった。その反対に森を見る医学が漢方である」と。それを見た瞬間、「これこそ私のやりたいこと」と思ったんですね。
大学を卒業後、母校の内科学教室に入局しました。私としては初めから漢方を習いたかったのですが、師であり、当院の先々代の院長である大塚恭男に諭され、その思いを一旦封印しました。大塚から弟子入りを許されたのは、その後、アメリカ留学から帰国したのちのこと。最初の出会いから17年の歳月が経っていました。
大塚恭男の父である大塚敬節は、近代日本漢方の基礎を作った人物です。その敬節が常々口にしていたのが、「反対学を学べ」という教えでした。つまり、最初から漢方に行ってしまうと、漢方しか見えなくなる。その真反対のところに身を置いてこそ、漢方をより深く理解することができるということなのです。アメリカ時代、「なぜに私が遺伝子学を……」とぼやいていたこともありましが(笑)、今となっては、そこに導いてくれたことに大変感謝しています。
大塚敬節が東京・神楽坂で漢方専門医院を始めたのが1931年。その後、戦争を挟み、昭和30年(1955年)より当地で診療をおこなっています。
「逃げない」「諦めない」「最後までよりそう」
近隣の方はもとより、国内遠方や外国からの患者さんが多いのも当院の特徴かもしれません。疾患の種類としては、慢性胃炎、月経の異常、アレルギーなど日常よく見られる疾患から、がん、潰瘍性大腸炎や膠原病など、いわゆる難病に苦しむ方も多く受診されます。
当院では「逃げない」「諦めない」「最後までよりそう」をモットーに診療をおこなっています。そもそも漢方は人間を治す医療でありますので、病気の種類を問わないのです。そういった意味では、まさに「逃げない」ということ。男女の区別なく、どんな年齢の人も、どんな病気の人であっても必ず拝見します。
そして、「諦めない」「最後までよりそう」について。漢方は200種類からの原料があります。その組み合わせを考えれば、選択肢は無限にあるとも言えるのです。他に道がない方々に対し、「なんとかしてあげたい」「少しでも楽にしてあげたい」という思いで日々の診療に取り組んでいます。
自然との共生。漢方の哲学を皆さんと共有していく
漢方で重視している考え方に「未病」があります。です。皆さんは、ある日突然病気になったように思われるかもしれません。しかし、例えば認知症であれば、明確な症状が起こる20年も前に脳の変化が生じているとされますし、動脈硬化にしても、そしてがんも然りです。毎日のように起こる変異に対して免疫力が働き、その目をくぐり抜けたものががん化したとも言えるのです。そうと考えれば、病気というものは非常に長いプロセスがあると言えるんですね。その病気が現実のものとなる以前、つまり未病の段階から働きかけていくことに漢方の特質があるのです。
漢方には、漢方薬・鍼灸・養生という選択肢があります。その3つ目、養生とは、すなわち生活のこと。将来の病気の予防のために生活の知恵を身につけていただき、その結果として漢方薬による治療にたよらず、自立した健康な身体を保てるようにもっていくのが私たちが目指すところなのです。
その意味では、漢方薬とは「補助」と位置付けられるかもしれません。実際に抗がん剤や放射線治療と並行して漢方を用いれば、副作用を抑え、治療の効果を高める「補助」の役割が期待できます。同時に、漢方を用いることで徐々に身体が変化し、自分で治す力というものが自然と呼び起こされていくのです。
私たちが患者さんと共有したいのは、漢方の哲学です。病気は日々の生活から生じるものであり、生活を見直すことによって真に健康な身体を獲得することができます。あなたにとっての主治医は私ではなく、あくまであなた自身であること。その哲学を皆さんに共有していただければと思っています。
生薬へのこだわり
大塚敬節が漢方のエキス剤を最初に作ったのは、先の戦争中のこと。それが本格的に市場に出てきたのが、昭和50年台半ばのことになります。大塚医院では生薬を用いた煎じ薬の漢方治療(自由診療)を中心にしています。
煎じ薬の最大のメリットは、オーダーメイドができるということでしょう。エキス剤は既製品ですから、足したり引いたりということは難しいものがあります。それに対して、これを引くことによってよりこれが生きてくる、といった組み合わせを考えられるのが煎じ薬の最大の利点になります。
一方で現代の生活の中で煎じる時間がないという場合もあります。大塚医院では患者さまの代わりに煎じてパックにするサービスを提供しています。その他エキス剤・丸剤などは出張・旅行の際には便利です。
当院では品質の良いものにこだわって生薬を扱っています。その分、患者さんに費用面の負担をおかけすることになりますが、より効果が高いものを使うことで良い結果を得られるとの考えのもと、厳選した生薬による治療をおこなっています。
※当院では、自由診療で生薬を用いた漢方治療を行っております。
これから受診される患者さんへ
少し頭が重い、月経痛が普段よりもひどい。こうしたことを私たちは「なんとなく不調」と呼びます。ついつい見過ごされがちですが、このなんとなく不調は病気の始まりである可能性があるのです。その不調を放っておくのではなく、まずはご相談ください。そして自分の身体を根本から変えていき、残りの人生を楽に過ごしていただきたいと思います。
また、残念なことですが漢方を最後の選択とされる方が多くおられます。例えば、がんの末期で腹水がたまっている方が来られたとしましょう。治療の方法がないわけではありませんが、そこから元気にしていく行程は大変厳しいものにならざるを得られません。漢方治療は最後の砦ではなく、未病状態からしっかりと身体を作るということ。その観点からご相談いただければと思います。当院は予約制となりますので、まずお電話でお問い合わせいただき、ご予約をお取りください。初診の方はオンラインでもご予約頂けます。
※上記記事は2020年2月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。
渡辺 賢治 院長 MEMO
- 出身地:埼玉県
- 趣味:読書
- 好きな本:『生きがいについて』『老子』
- 好きな映画:『ニュー・シネマ・パラダイス』『ショーシャンクの空に』
- 好きな言葉:「Connecting The Dots」(スティーブ・ジョブス)
- 好きなアーティスト:村治佳織
- 好きな観光地:奈良/特に薬師寺
グラフで見る『渡辺 賢治 院長』のタイプ
どちらかというと 穏やかで明るく話しやすい先生 |
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
どちらかというと 穏やかで明るく話しやすい先生 |
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穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
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