大江 康雄 院長
YASUO OHE
長時間勤務、過剰なノルマ…過酷な労働環境
で働く人たちの疲れた心を回復させる
慶応義塾大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部精神神経科、財団法人井の頭病院、慶応義塾大学病院精神神経科医長を経て、歌舞伎町タワー16F に東銀座クリニックを開院。新宿南クリニックでも、カウンセリングを行ってもいる。
大江 康雄 院長
東銀座クリニック
中央区/銀座/東銀座駅
- ●心療内科
- ●精神科
- ●内科
治療から復職までー日本で懸命に働く人々の助けになるクリニック
大学病院で勤務医や医長などを経て、平成9年に開院しました。今は歌舞伎座タワーにありますが、ここは3年前に移転してきまして、それ以前もすぐ近く、銀座界隈にありました。場所柄、患者さんは勤め人の方が圧倒的に多いですね。やっぱり今の日本の状況では、仕事での悩みを抱えて、調子を崩す人が多いんだと思います。長時間労働やブラック企業などという言葉が当たり前になって、働き方改善への動きがようやく見えてきたかなとは思いますが、それでも労働環境は過酷ですね。とくにIT関連の方、1日中パソコンの前に座って、深夜まで残業するエンジニアの方たち。こんな働き方をしていたら、身体も心も壊してしまうなあ、と思います。そんな方たちに、すこしでも寄り添いたい、楽にしてあげたい、と思いながら日々診療しています。心の病で休職した方の復帰にも力を入れていて、リワークという復職のための施設の紹介なども行っています。
大事にしているのは、普通のこと----“とにかくじっくり、誠実に話を聞く”
もともとは脳外科医を目指していました。けれどだんだん、脳というか心のほうに興味が出てきて。日々の生活や、新聞に載る事件などをみて、「人はどうしてこんなことをしてしまうんだろう?」「なぜこんなふうに考えるのだろう」という疑問が積もってきて、そういうことを研究するには脳外科では限界が出てきてしまうだろうなと考えて、精神科を選びました。
平成9年に独立して当院を開設したときに考えていたことは、「とにかくじっくり、誠実に、患者さんに寄り添いたい」ということ。やっぱり大学病院だと時間が限られてしまいますから、「もっと話を聞きたい」と。そう思いつつも、全ての患者さんの話をとことん聞くのは不可能なのでは?と心配もしていたのですが、これがうまいことできていて、回復しつつある患者さんは、自分から1〜2分でお話を終わらせてしまったりするんです。じっくり話していくのは、だいたいが通い初めのほうだけ。回復基調に入れば自然と長時間の診察は必要なくなっていく。なので、なんとかうまくやれています。
薬も出さず、ただ話をするだけ、の治療も可能
当院について「とにかく話を聞いてくれる」という口コミが多いですか? そうですね、よく言われます(笑)。僕としては精神科医が患者さんの話を聞くのは当たり前で、特別変わったことはしてないつもりなんですが、「こんなに聞いてくれるなんて」と驚かれることが多いので、「あれ?これは普通じゃないのかな?」と思うことは正直あります。とくに、初診のときに、これから出す薬と診療方針についての説明はかなりしっかり行うのですが、それも驚かれる。「いつもなにも言わずに薬を出されていた」という方が少なくない。でも、これも普通というか、絶対しなきゃいけないことなんですけれどね、本当は。それでなくても不安で来ていらっしゃるわけだから、これから行う投薬や治療については、その不安が最小限になるまで説明しなきゃいけないんです。
やっぱり「話をする、聞く」というのが、普通だけれども、でもなにより大事なことです。実際、話をするだけで安心して回復されていく方も多いです。毎回薬を出すわけではありません。患者さんが「薬は嫌」と希望すれば、希望に沿います。しかし本人のためを考えて、薬を飲むほうが良いと思ったら、患者さんと話し合いますね。
ただ、例えば「眠れない」という症状を訴えた方には、薬を出すことが多いです。眠れないときは薬を飲んででも眠らなきゃいけないんです。眠らないと回復できないですから。
来院のきっかけは「いつもと違う」
心の病気というものが、ずいぶん当たり前のことになって、病院にかかることも普通になってきましたが、それでもやっぱり多少抵抗はあると聞きます。とくに「どの時点で」病院に行こうと決心するのかがよくわからない、と。どんなに軽い症状でもいいですから気になったら来てください、とお伝えしているのですが、わかりやすい目安をあげるなら、“いつもと違う”と感じたとき。睡眠、食欲、疲労感、胃腸の調子…身体のどの部分でも、いつもと違うな、と感じたら、それは病院へ行く合図だと思ってください。
そのためにも普段から自分自身について敏感でいることも大事ですよね。とくに男性などは、気付かずに無理を重ねて、どんと大きく症状が出てしまうことが多い。女性はやっぱりそういう点では細かいところに目がいくので、自分の不調にも気づきやすいのですが。自分の心身は今どんな調子なのか?つねに注意している感覚が必要です。
これから受診される患者さんへ
どんなにささいなことでもいいので、なにか違和感があったら来てください。ストレスはあらゆることで発生して、そしてあらゆる症状として現れます。自分では気づかなかったけど、これ、原因はストレスだったのか…ということも多くあります。だから身体と心の声を無視せず診察を受けてほしい。というのは、軽症のうちに来てもらえれば、簡単に治ることも多いからです。我慢に我慢を重ねて重症化して、ようやく病院へ…では、回復するのも大変。実際、とくに男性の方はそういう例が多く、ああ、なぜもっと早く…と思うことが多いのです。とにかく気楽に、気軽に、そしてすぐに、来てください。来てもらったら、きっとなにかしら道が開けます。
※上記記事は2017年8月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。
大江 康雄 院長 MEMO
精神科専門医
- 出身地:広島県
- 趣味・特技:旅行
- 好きな本:東野圭吾
- 好きな映画:サスペンス
- 好きな音楽やアーティスト:ジャズ、フュージョン
- 好きな場所:みなとみらい
- 好きな言葉 座右の銘:『努力は必ず報われる』
グラフで見る『大江 康雄 院長』のタイプ
穏やかでやさしく話しやすい先生 |
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
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