降矢 英成 院長
EISEI FURUYA
困難な世の中でも、自分と他者を信頼できる。
そんな心と体、スピリットを養うお手伝いを
東京医科大学卒業 LCCストレス医学研究所、帯津三敬病院などを経て、1997年、ホリスティック医学を中心に診療する溜池山王に「赤坂溜池クリニック」を開院。日本心身医学専門医。
降矢 英成 院長
赤坂溜池クリニック
港区/赤坂/溜池山王駅
- ●心療内科
- ●内科
- ●精神科
医学生の頃からあったのは、西洋医学だけではたりないのでは、という思い
開院は20年前の1997年、日本ホリスティック医学協会ができたのが30年前で、その少し前から「ホリスティック医学」という言葉がちらほら世の中に出始めていましたね。都会の真ん中で気軽に、がんなどではない普通の病気をホリスティックの視点から診てくれる場がないということで、じゃあ、ということで赤坂のこの場所で始めました。
ホリスティック(=全体的)医療とは、ボディ、マインド、スピリット、この3つの視点から人間を見つめ、治癒していこうというものです。具体的には西洋医学の視点から治療し、同時に様々な代替療法も使って自然治癒力を引き出します。医学生のときからこの考えが好きで、心療内科を専門に勉強しながらも、いずれこういうやり方で医療を実践できたらと思っていました。西洋医学だけではごく一部しか治療できないのではないかという思いがあったからです。
通常の保険内で行う心療内科をコアに、自費診療で様々な代替医療の専門家に来ていただいて施術を行ったり、ストレス診断や自律神経検査などの特殊分析なども行うという独特の方法で運営しています。心の治療とボディの治療(=鍼灸や気功、ヒーリングタッチ等)、あとは自然治癒力をあげるハーブなどの植物系の治療、大きくわけるとこの3つになりますね。当院はひとりひとりホリスティックな姿勢を持った専門家が集まったチームであると考えています。世の中には膨大な量の代替医療があるので、もちろんすべてを把握し扱うのは無理です。このなかで、縁があった療法やトレーナーの方と、私のなかでこれは、とひっかかったもの、そういうものを扱っています。
基本は保険内診療。西洋医学や薬も使うべきときには使う
当院の基本の診療の流れは、まず保険内治療として心療内科に来てもらって、患者さんの要望を聞いて、もっといろいろやってみたいということであれば、代替療法を紹介するというものです。体動かすほうがいいですか?カウンセリングがしたいか?などの好みや、経済状況など伺って、いくつか選んで提案する。でも基本は保険診療です。患者さんの経済状態も考えると、せっかく日本には保険制度があるのですから、使えるなら使いたい。漢方薬も処方できますしね。
一般の薬も使います。ホリスティックと自然療法をごっちゃにしている方が時々いて、薬は使えないのでは?と思われたりするのですが、ホリスティックの意味は“全体をつかむ”ですから、薬も西洋医学も使います。当院で薬を処方する場合は、患者さんが重めの症状のとき、最初の段階ですね。とりあえず落ち着くことが必要なとき。すべての療法において、どれが上でどれが下で、という見方をせず、なるべく広い目で扱いたいと思っています。
ホリスティックの世界で新たな共通認識となるのは、エネルギー医学
どんな療法が効果的なのか、それは患者さんの個性と病状によるので、なにがいいと一概には言えませんが、個人的に今、注目しているのは、最近のホリスティック医学のキーワードのひとつであるエネルギー医学です。気とか心、意識の状態がエネルギーとして体に伝わり、体も変えていくという考えですね。これはホリスティック医学を大きく進化させる新しい考え方だと思います。
例えば、ボディワークでも動きや筋骨格系だけに注目するのではなく、例えばロルフィングなんかは筋膜をやりながらエネルギー(=感情、意識)を調整するものですし、他にもEFTという嫌な感情を経絡刺激を通じて放出するというセラピーや、過去のトラウマを一種のエネルギーとみなして、それを開放して別の良い感情エネルギーに置き換えるというマトリックス・リインプリティングなどがあります。
この認識をすべてのセラピストが持つと議論も深まります。いろんな療法があってそれぞれ理論があるけれども、そのなかに共通の原理があるはずなんです。たとえば植物の持つエネルギーによって人の感情エネルギーの流れを変えるフラワーレメディも、エネルギー医学の観点で見ると共通するものがある、というように。ひとつ大きな土台があって、みんなが共通認識として持つことが必要です。一見ばらばらな各療法のなかに、ひとつの大きな流れをつかむことができる。こういうことが大事です。それぞれの療法を信じる人が、それぞれの世界についてだけ話しているだけでは、あまり発展しません。大きな流れをつかんで、次に発展させていくという意識があれば、ホリスティックも停滞せずに進んでいくんじゃないかと思います。
カウンセリングで“ホリスティック=全体的な視点”を提示し、心を楽に、強くする
この20年、患者さんを診ていて思うのは、残念ながら人々は弱い方向にいきがちかもしれない、ということ。やたらに権利と義務を言い過ぎた結果、窮屈すぎる世の中を作ってしまったんじゃないかと思いますね。自分にはあの権利がある、この権利があると言い出すときりがない。それをつきつめすぎて、結果、“まあいいじゃない”と他人を許すことがどんどん難しくなっている。そしてそれは自分も許されないということですから、生きづらくなるのも当然ですよね。
ホリスティック医学のひとつに“(その人が)社会の構造をどうとらえているのか”をみるということがあります。同じような環境で育った人でも、あの人は社会のなかで混乱しているけれど、この人はしていないということがある。決して“社会が悪いから自分はこうなってしまった”と言い切れない部分があって、結局、その人が世の中をどう見ているか、ということに尽きるんです。被害者意識が大きくなりすぎると自分を変えようと努力しなくなります。社会がよくなれば…と願うよりも、あまり良くない社会のなかでもやっていける。幸せを見つけているようなレジリエンス=抵抗力を持つことが大切です。汚いところでも生きていける力、柔軟になる、ということですね。
そのお世話をするのも当院の役目だと考えています。視点が偏っている人は、本当にただ見えていないだけ、気づいていないだけ、という人が少なくない。一言、違うものの見方を提示するだけで「あ、そうか」と目が覚める人も多いんです。ここはカウンセリングの力ですね。全体的な視点を伝える、ホリスティックを目指すならやらなきゃいけないことだと思っています。そしてこれは保険内診療でもできることなんです。保険診療内だと薬渡しておしまいでしょ?と言われることもあり、実際そんなクリニックもあるらしいのですが、これは大きな問題です。長々と…とはいかなくても、きちんと話をすることは保険内でもできますよ、と伝えたいです。
これから受診される患者さんへ
前の話とつながりますが、健康の土台は“意識”だと考えています。自分と世の中に対する信頼がある人は、体の調整もうまくできるしホルモンや免疫もきちんと働く。信頼がない人というのはいつも怯えているわけですから、ホルモンや免疫も働かなくなる。怯えや不安には、いくら良い食べ物を食べても吹っ飛ばしてしまうくらいの力があります。
私は食べ物で調整するというのはある意味虚弱な人がとる手段だと思っています。いい食べ物ばかり摂っていたら、純粋培養的になって、悪いものに対する抵抗がなくなってしまう。弱い体のままでしかいられない。最初は食事で良い体を作ったら、あとはあまり食べ物にこだわらない体にもっていくことが大事で、それは意識が作るんですね。世の中で起きることに対して、信頼、受け入れができること、この意識です。「自分はできるという信頼感、世の中は友達であるという認識が必要だ」という心理学者アドラーの言葉、これが、まさに。今、アドラー心理学は大流行していますが、この言葉の真意がちゃんと伝わっているかな、と少し心配になりますね。
当院では、このような“信頼できる自分”に向かってのサポートをしています。悩んでいるとき、弱っているときはどうしても視野が狭くなりますから、ガイドが必要。ぜひ気軽に訪れて活用してほしいと思います。
※上記記事は2017年9月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。
降矢 英成 院長 MEMO
- 出身地:東京都
- 趣味:すべてのスポーツ鑑賞、自然散策
- おすすめの都内公園:新宿御苑、明治神宮
- 好きな場所:信州などの高原
グラフで見る『降矢 英成 院長』のタイプ
穏やかでやさしく話しやすい先生 |
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
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