高野 英昭 院長
HIDEAKI TAKANO
生活習慣病や癌医療は、早期発見・早期治療から発症予防の時代へ。
東北大学を卒業後、研修を経て同大学第三内科に入局。その後、池上駅近くに開業していた父の跡を継ぐ。
高野 英昭 院長
高野医院
大田区/池上/池上駅
- ●内科
- ●消化器内科
- ●消化器外科
- ●糖尿病内科
- ●代謝内科
- ●小児科
病気にならないこと。これこそ、当院の診療方針。
東北大学を卒業後、研修を経て同大学第三内科に入局しました。内科を選択したのは、私の思っていたお医者さんのイメージがそれだったからでしょう。1994年に父の後を継ぎ当院へと戻り、現在にいたっています。専門が消化器になりますので、胃の内視鏡検査をご希望される方が多いですね。私が籍を置いていた東北大学第三内科は、日本で初めて胃がん検診を実施した教室になります。特徴的なのが検診車の存在で、病院で患者さんを待つだけではなく、地域に出向いて住民の方々の検診をおこなっていました。当時、仙台では検診率が7割に達していましたので、逆に東京へと戻ってきて、その落差に驚いたものです(笑)。
医局でもう1つの柱としてあったのが糖尿病で、その経験を活かしながら、ここでも生活習慣病等を拝見しています。
当院では、早期発見・早期治療をかかげています。病気になってから、症状が進んでから治療をするのではなく、病気にならないように治療をすることを診療方針としています。
日本の子供達の生活習慣病と食育に、今こそ警鐘を鳴らす。
東京都予防医学協会の小児生活習慣病予防健診において、実に小学生の約2割が、大人基準の高コレステロール血症(脂質異状症)に羅患しているというデータがあります。子供に良かれと思っている食事に高コレステロール血症の原因があります。この脂質異状症の主な原因の1つが、動物性脂肪の摂取増加です。
私たち、大森医師会のおこなった小児生活習慣病健診では、8割以上の児童に、動物性脂肪の摂取過多が認められました。さらに、摂取源の内訳を見ていきますと、興味深い結果が出ました。順番に話していきますと、46%が牛乳・乳製品、19%が肉類、7%が菓子類、6%が油脂類、5%が卵類となったのです。
「牛乳を飲まないと大きくなれない」「牛乳を飲まないと骨がもろくなる」と聞いて育った我々の世代としては、これは驚愕の事実です。先進国の栄養学は飲まないと欠乏症になると言う、欠乏予防から、生活習慣病予防へと転換していますが日本では、生活習慣病予防を心掛ける食育はまだまだ一般化していませんが、早急に食育のあり方を見当すべき時期に来ていることを、結果が雄弁に語っています。
生活習慣病予防の理想の食事は、伝統的な日本型食生活にあり。
日本では、脳梗塞や心筋梗塞にならないようにすることが一次予防とされてきました。しかし、世界では、そもそも高血圧や脂質異状症にならないようにすることが一次予防と定義されています。
では、具体的にどうすれば、一次予防がなるのでしょう? 結論から言えば、それは普段の食生活になります。欧米では70年代から80年代にかけ、それまでの牛乳・乳製品や肉や卵を多く摂る食生活から、野菜や果物、穀物を中心とした伝統食に生活を戻す取り組みがおこなわれ、理想の食事は米を主食とする日本型食生活が目標とされました。その結果、日本では今も増え続けるばかりの心筋梗塞や脳梗塞、認知症や骨粗しょう症、癌といった病気が、欧米では大幅に減ることになったのです。この方針は、WHO(世界保健機関)も推奨しています。
食とは、身体をつくる源に他なりません。今現在、病気を抱えている方はもちろん、今は問題ないという人も、本当に健康的な食生活とは何かを、自分に問いかけていただければと思います。
深刻な症状が起こる前に、経鼻内視鏡検査、頸動脈エコー検査を。
お口からおこなうそれに比べ、非常に楽だというのが、みなさんの実感ではないでしょうか。お口からの検査を実施していたときは、定期的に受けてくださる方は1割程度でしたが、経鼻内視鏡となり、実に9割の方が毎年検査を受けてくださっています。
大切なのは、毎年患者さんに検査を受けていただくこと。どんなに完璧な検査ができたとしても、「来年は受けたくない…」と思われるようでしたら、検査の意味は薄れます。楽で、余裕のある検査をおこなうことで、深刻な病気とならないよう最善を尽くしていきます。
頸動脈エコーは、コレステロールが蓄積している様子をご覧いただけ、同時に、血管年齢を割り出してくれるものです。コレステロールの数値だけを示しても、「実感が湧かない…」というのが正直なところでしょう。自分の血管がどのような状態にあるかを目で見れるわけですので、非常に説得力があり、患者さんも治療に対しての意欲が高まるようです。
現在のように生活習慣病がクローズアップされる以前、病気とは実際に具合が悪くなるものでした。ところが、コレステロールであれ、糖尿病であれ、生活習慣病にはこれといった症状がないものですから、患者さんは何の不都合も感じないわけです。しかし、その状態を放っておけば、いずれ深刻な症状が起こることは目に見えています。頸動脈エコーは、潜んでいるリスクを患者さん自身に把握していただけるという意味で、非常に有用なツールです。
これから受診される患者さんへ。
生活習慣病や癌は、早期発見、早期治療から、発症予防時代になっています。健康な食事の定義が大きく変わっています。皆様と子ども達の健康を守っていくのは大人の意識だということをご認識いただければ幸いです。
※上記記事は2016.4に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。
高野 英昭 院長 MEMO
消化器病専門医
- 出身地:東京都
- 趣味:ゴルフ
- 愛読書:栄養関連書籍
- 座右の銘:鬼手仏心
- 好きな音楽:オールジャンル
- 好きな場所:熱海、神保町
グラフで見る『高野 英昭 院長』のタイプ
どちらかというと 穏やかで明るく話しやすい先生 |
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
どちらかというと 穏やかで明るく話しやすい先生 |
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穏やかでやさしく 話しやすい |
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