佐川医院
佐川 孝臣 院長の独自取材記事
三代続く地域医療を受け継ぎ、相談しやすい“身近な窓口”として寄り添う医療を
佐川 孝臣 院長サガワ タカオミ
順天堂大学卒業後、東京女子医科大学の消化器内科に入局。日本肝臓学会肝臓専門医として肝移植を含む消化器内科の治療に従事。退局後は医療法人で総合診療に携わり、2025年10月より『佐川医院』院長に就任(京浜急行「立会川駅」より徒歩6分)。
三代続くクリニックを受け継ぎ、地域医療の道へ
私が医師を目指したきっかけは、祖父の代から続くこの医院の存在があったことです。当院は1957年に祖父が開業し、父の代へと受け継がれ、長く地域の医療を担ってきました。現在の場所へ移転したのは1980年代のことで、私にとっては幼い頃から慣れ親しんだ場所です。子どもの頃に祖父に診てもらっていた記憶もあり、医師という仕事はとても身近なものでした。
順天堂大学卒業後は、東京女子医科大学の消化器内科に入局しました。父が消化器内科医で内視鏡診療にも携わっていたこともあり、将来この医院を継ぐことを考えたとき、患者さんにとって違和感の少ない変化が少ない診療分野がよいだろうと考えての選択でした。一口に消化器内科といっても、そこからさらに分野が分かれるのですが、私はその中で肝臓を中心に診療を行ってきました。肝臓は身体の中で多くの役割を担う臓器で、代謝や解毒などさまざまな働きがあります。その分、非常に奥が深く、学びに終わりがないという意味でも大きなやりがいを感じて診療に携わってきました。
その後、地元に戻ることを決め、大学病院での診療に加えて、地域医療で必要な内科以外の幅広い疾患をみるために総合診療系のクリニックにも勤務しました。そして2025年10月、父から医院を引き継ぎ、院長として地域医療に携わることになりました。
まず相談できる“窓口”のような存在を目指して
当院に通われている患者さんは、どちらかといえばご高齢の方が中心で、生活習慣病の管理が診療の大きな割合を占めています。祖父の代から通ってくださっている患者さんもいらっしゃり、長く地域に根差した医院であることを実感しています。標榜科として掲げている小児については、小児科専門医ではないため、主にワクチン接種や風邪などの一般的な症状への対応が中心です。より専門的な診療が必要な場合は、適切な医療機関をご紹介しています。
専門は肝臓ですが、クリニックでは特定の臓器だけを診るわけにはいきません。むしろ「どこに相談すればいいか分からない」という時に、まず来ていただける場所でありたいと思っています。大学病院での専門診療に加え、総合診療の経験を積んだことで、さまざまな症状に対応する基礎は身についたと感じています。診察をして状況を判断し、必要に応じて適切な医療機関につなぐ。そうした“地域の医療の入り口”としての役割を大切にしています。
伝えるべきことをしっかり伝える誠実な医療を
診療の際に心がけているのは、患者さんとの「適切な距離感」です。
生活習慣病の管理では、食事や生活習慣についてお伝えしなければならないことも多くあります。時には厳しい内容になることもありますが、医師として伝えるべきことはきちんと伝えることが大切と考えています。
もちろん、人によって受け取り方はさまざまです。しっかり話を聞いてくれてよかったと言ってくださる方もいらっしゃれば、細かく聞かれることを負担に感じる方もいます。そのため、最初に必要なことをきちんとお伝えしたうえで、その後は患者さんの様子や反応を見ながら距離感を調整していくようにしています。
あまり強く言いすぎると受診をやめてしまう可能性もありますし、逆に何も言わなければ健康管理につながらないこともあります。そのバランスを取ることは簡単ではありませんが、患者さんにとって本当に必要な医療を届けるためには大切な姿勢だと思っています。
肝臓専門医として、早期発見と生活習慣の改善を大切に
専門分野としては、やはり肝臓疾患があります。クリニックでできる検査や治療には限界がありますが、エコー検査などを活用しながら肝臓の状態を確認し、治療の方向性を見極めていくことを大切にしています。
私は大学病院で長らく肝臓疾患の診療に携わり、肝移植に関わる症例も経験してきました。肝臓の病気は初期には自覚症状がほとんどないことが多く、気づいた時にはかなり進行しているケースもあります。重症化した患者さんを多く見てきたからこそ、早い段階で異常を見つけ、対応につなげていくことの大切さを強く感じています。
近年はB型肝炎やC型肝炎などのウイルス性肝炎は減少してきていますが、脂肪肝やアルコール性肝障害といった生活習慣に関わる肝臓病は依然として多く見られます。これらは症状が出にくいまま進行し、やがて肝硬変や肝臓がんにつながる可能性があります。肝臓が硬くなってしまうと、現在の医療では元の状態に戻すことは難しいため、早期の段階で気づき、生活習慣の見直しにつなげていくことが重要です。
また生活習慣病の背景には、睡眠時無呼吸症候群が関係していることもあります。高血圧や肥満の原因の一つとなる場合もあるため、当院では今後、睡眠時無呼吸の検査やCPAPによる治療にも対応していく予定です。こうした視点も取り入れながら、生活習慣病の原因を総合的に考え、患者さんの健康管理につなげていきたいと思っています。
これから受診される患者さんへ
地域の皆さんにお伝えしたいのは、「どこに相談すればいいか分からない時に、まず来ていただければ」ということです。
クリニックの役割は、専門的な治療だけではありません。体調の不安や健診結果の異常など、気になることがあればまず相談できる窓口であることが大切と思っています。
実際に健康診断で肝機能の数値が気になると言われて受診される方も多くいらっしゃいます。そうした場合、専門医として一度しっかり診察し、必要な検査や対応を考えることができます。医療は、病気になってからの治療だけでなく、予防や早期発見も重要です。健診を通じて異常の兆しを拾い上げ、必要に応じて対応していくことが、地域医療の大切な役割と考えています。
祖父や父が長年続けてきたように、地域の方々の健康を見守る存在として、これからも地道に診療を続けてまいります。時代に合わせて予約システムやキャッシュレス決済なども取り入れながら、通いやすい環境を整え、地域の皆さんの身近な医療機関であり続けたいというのが私の願いです。
※上記記事は2026年2月に取材したものです。時間の経過による変化があることをご了承ください。
佐川 孝臣 院長MEMO
- 出身地:
- 東京都
- 出身大学:
- 順天堂大学医学部
- 趣味・特技:
- バトミントン、ギター
- 好きなこと:
- ドライブ、温泉
- 好きな観光地:
- 沖縄
- 好きな言葉・座右の銘:
- 「千里の道も一歩から」