高橋 里史 院長
SATOSHI TAKAHASHI
「人生100年時代を“脳”から支える、地域の専門クリニック」
慶應義塾大学医学部 卒業、慶應義塾大学大学院医学研究科脳神経外科学 修了、医学博士。慶應義塾大学病院および関連病院で脳神経外科全般の臨床に従事。専門は脳血管障害(未破裂脳動脈瘤、頸動脈狭窄、頭蓋内動脈狭窄、もやもや病)。外来診療では長年、頭痛・めまい・しびれといった症状の診療および脳卒中の再発予防のための内科的治療にも携わる。シャリテ大学病院脳神経外科(ドイツ連邦共和国ベルリン市)への留学を経て、開業前直近の10年間は大学病院で、脳卒中や頭部外傷の救急治療、未破裂脳動脈瘤や頸動脈狭窄、もやもや病に対する外科的・内科的治療および脳血管障害の臨床・研究に取り組む。2025年9月、『下高井戸脳神経外科クリニック』を開院(京王線・東急世田谷線「下高井戸駅」より徒歩2分)、杉並区南部や世田谷区北沢地域より通いやすい立地。

高橋 里史 院長
下高井戸脳神経外科クリニック
杉並区/下高井戸/下高井戸駅
- ●脳神経外科
人の幸せを支えたい、その想いが導いた医学への道

私が最初になりたいと思った職業は、実は「ジャーナリスト」でした。小学生の頃から本屋さんをぶらぶらと歩くのが大好きで、近所の書店で見かけた落合信彦さんの国際情勢を扱った本を手に取り、「世界を舞台に活躍する仕事は格好いい」と憧れました。その頃は外交官や建築家などにも興味を持っていました。特に親戚に医師がいたわけではなく、幼少期から医師を志していたわけでもありません。
高校生のときには、保健体育の授業で輸血の話を聞いて脳貧血を起こし、保健室で休ませてもらったこともありました。血を見るのが苦手な自分には外科医は縁遠い職業だと思っていたくらいです。ただ、数学や理科が好きで自然と理系クラスを選び、都市計画に興味を持って工学部を志望した時期もありました。その一方で、父親から勧められたこともあり、漠然と「医師」という職業にも興味を持つようになっていました。両親としては、医師であれば組織を外れても「手に職がある」から安心だろう、と考えていたようです。
私が医学部を本気で志すきっかけとなったのは、高校から当時恵比寿にあった塾へ自転車で向かう道すがら、友人と進路について語り合ったときです。「どんな仕事もきっとつらいものだろう。何のためなら仕事を頑張れるのかな?・・・人の幸せのためであれば頑張れるかもしれない」と思いました。健康を害したり、けがをして失いかけた日常を取り戻すためのお手伝いをするのあれば、自分はつらくてもやり抜けるのではないか――。そう考えたことが、医学部を志望した直接の理由だったように思います。
大学時代には、数多くの本を読み、映画やドラマを見ました。特に「シカゴ・ホープ」ドラマに登場した心臓外科医や脳神経外科医に強く惹かれ、「人の命を預かる専門性の高い分野で働きたい」と思うようになりました。卒業後は血管に興味があり、さらに脳という組織に興味を持ったことから脳神経外科を選び、母校である慶應義塾大学の医局に入局しました。
当時は現在の臨床研修制度がなく、卒業後すぐに診療科に所属となりました。当時の慶應は大教室制の外科学教室の中に脳神経外科があり、入局時にまず外科学教室に1年間所属する決まりがありました。毎日早朝から深夜まで、時には泊まり込みで、消化器外科、心臓外科、呼吸器外科、小児外科など幅広い外科領域を経験しました。朝から晩まで病院に身を置く厳しい毎日でしたが、さまざまな外科分野で活躍する同級生や先輩との出会いは、今も私の大切な財産です。
専門研修を終えて、日本脳神経外科学会の専門医資格を取得し、大学院を修了して医学博士の称号を得た後、このタイミングしか海外に行けないのではないかと考え、留学することにしました。行き先は幼少期に住んでいたドイツに良い思いがあったので、ドイツ学術交流会という制度を通じてベルリンのシャリテ大学病院に留学しました。シャリテは旧東ベルリンのフンボルト大学と旧西ベルリンのベルリン自由大学が統合して生まれたベルリン唯一の医学部で、そこに1年余り客員医師として在籍させて頂きました。異国の地での1年は、視野を広げてくれる貴重な経験でした。
帰国後は、恩師であるその当時の教授のご高配で脳血管障害の症例が多い施設に派遣となり、脳神経外科医としての経験を積ませて頂きました。その後直近の10年近くは慶應義塾大学病院にて脳動脈瘤(未破裂・破裂)、脳梗塞(頸動脈狭窄・頭蓋内動脈狭窄に対する血行再建術)、そして「もやもや病」など、脳血管障害を中心に臨床・研究を続けました。もちろん脳腫瘍や外傷など幅広い脳神経外科疾患にも関わりました。
脳神経外科医といえば「手術ばかり」というイメージが強いかもしれません。しかし実際には、大学病院であっても手術をせず投薬や生活習慣の改善と定期的なMRI検査で経過を見守る患者さんも多くいらっしゃいます。これまでは大学病院で経過観察と手術の両方を担ってきましたが、これからは地域のクリニックとして「経過観察や予防」を担い、手術が必要なときには病院と連携する。そんな役割を果たして行きたいと考えています。
地域で完結する診察からMRI検査・診断・治療――迅速でシームレスな“ペイシャントジャーニー”

当院は世田谷区に隣接した杉並区下高井戸1丁目、京王線・東急世田谷線「下高井戸駅」から徒歩2分の下高井戸北口れんが通り沿いにあります。杉並区と世田谷区の境目にあり、両地域や沿線の皆様に通って頂きやすい立地です。
開業にあたり、譲れなかったのが「MRIの導入」でした。頭痛・めまい・しびれ・物忘れといった症状の原因を迅速に調べるため、また無症候性脳血管障害の経過観察を行うためにはMRIが有用です。当院では1.5テスラのMRIを導入し、脳の検査に関しては、空き枠さえあれば、即日検査・即日説明が可能な体制を整えます。症状のある方には当日中に結果をお伝えし、不安を抱えて過ごされる時間を最小限に抑えるよう努めていきます。
また、クラウド型のPACS(画像保存システム)を導入し、検査画像を他施設様と迅速かつ安全に共有できるようにしました。これにより、地域の医療機関からの紹介検査にも柔軟に対応し、結果をスムーズに返却できます。杉並区南部や世田谷区北沢地域をはじめ、京王線・世田谷線沿線で「MRI検査ができる脳神経外科の専門クリニック」として地域医療に貢献していきたいと考えています。
「人の力」×「機械の力」で実現する、居心地の良さと先進性を兼ね備えた地域医療

院内の内装は「森」をテーマにしました。無機質で緊張しやすい医療空間ではなく、木の温もりと緑を基調にした落ち着いた雰囲気を大切にしています。診察やMRI検査を受けて頂く前に、少しでも安心していただけるように配慮を致しました。
当クリニックのロゴは二つの螺旋をモチーフにし、「Support(支える)」と「Shimotakaido(下高井戸)」のSを重ねています。ネイビーブルーとゴールドオーカーの二色ですが、ネイビーブルーは「安心・誠実・知性」を、ゴールドオーカーは「革新・希望・前進」を象徴しています。
また、この二色は、私が大好きな建築家である黒川紀章氏が提唱した、対立する概念を超えて調和する「共生の思想」を体現しています。
「共生」の二項概念としては「人の力」×「機械の力」 という考え方も意識しています。「人の力」はホスピタリティであり患者さんに寄り添う心、「機械の力」は医療DXを推進し、合理性と効率を高める取り組みです。両者を組み合わせ、温かさと先進性を兼ね備えた医療を実現していきます。
また、今回のオープニングスタッフは単に人数を揃えたのではなく、私がホームページで発信した「やりたい医療」「創りたいクリニックのコンセプト」に共感して集まってくださった方々です。そのスタッフのみなさんと意見を交換しながら、来院される皆様にとって居心地の良いクリニックを創っていきたいと思っています。理念を共有できる仲間とともにスタートできることを、とてもありがたく感じています。
「近くにあって安心」を実現――未病からの先制医療で健康寿命を延ばす脳神経外科
当院が特に力を入れているのは「症状のある方への迅速な対応」と「未病段階での予防的医療」です。
例えば、頭痛やめまいを心配されて来院された方には即日MRI検査を行い、その日のうちに結果をお伝えします。患者さんの不安をできる限り早く解消することが重要だからです。そのうえで、症状に応じた治療も丁寧に行います。
一方、頭痛やめまいをきっかけに施行したMRIで未破裂脳動脈瘤や無症候性脳梗塞が見つかる場合があります。そのような場合は「脳卒中」に至る前の「未病」の段階で介入する「先制医療」を行うことで、将来の脳卒中リスクの低減に努めます。生活習慣の見直しや血圧・脂質管理を行い、手術やさらなる精密検査が必要な場合には、大きな病院とも連携します。
特に「未破裂脳動脈瘤」「頚動脈狭窄」「頭蓋内動脈狭窄」「もやもや病」「髄膜腫」「神経鞘腫」など専門的な診断・経過観察が必要な疾患にも対応し、それぞれの疾患に対して適切な施設と連携しながら、地域での初期診療や経過観察を行います。
私自身、大学病院で外来を担当していた頃には、患者さんの利便性を考えて「近くの脳神経外科で様子を見てもらえるところがあれば紹介状を書きますので探してください。変化があればいつでもまたこちらに相談してください」とお伝えしていました。しかし、実際にはそのような適切な施設を見つけることに苦労することも少なくありませんでした。下高井戸脳神経外科クリニックは、まさにそのような「近くの脳神経外科」として、地域の皆様に安心して通っていただける存在を目指しています。
お一人おひとりの想いに寄り添い、未来を支える医療を
患者さんにとって「最も良い医療」は一人ひとり異なります。そのため、「検査データが同じだから」「MRI所見が同じだから」といって、同じ治療を一律に進めるわけではありません。 特に未破裂脳動脈瘤等の予防的手術を行うかどうかの判断には、患者さんの考え方や生き方がしっかりと反映されるべきだと思います。お一人お一人の社会的背景や価値観を踏まえて、その方に寄り添った治療をご提案していきたいと考えています。
また、紹介先の病院を限定することはありません。どちらの病院へも紹介状を書きますし、どちらの病院からのご紹介ももちろんお受けいたします。
頭痛、めまい、しびれ、物忘れ――こうした症状は「脳に関係しているのではないか」と不安になるものです。また「今は症状がなくても将来が心配」というお気持ちも自然です。
『下高井戸脳神経外科クリニック』は、杉並区・世田谷区、京王線・世田谷線沿線の皆様に身近な脳神経外科として、最新のMRIによる即日検査と日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医による診断を行って参ります。
症状のある方も、未病段階での予防を考えたい方も、どうぞお気軽にご相談ください。
「人生100年時代を“脳”から支える」――その思いを胸に、理念を共有するスタッフ一同、皆様のご来院をお待ちしております。
※上記記事は2025年9月に取材したものです。時間の経過による変化があることをご了承ください。
高橋 里史 院長 MEMO
脳神経外科専門医
- 出身地:前橋市
- 出身大学:慶應義塾大学
- 趣味:読書、旅行
- 好きな本:自省録
- 好きな音楽:ジャズ
- 好きな場所:東京
- 好きな言葉 座右の銘:Non res ipsae homines turbant, sed opiniones de rebus. 「人を悩ませるのは事柄そのものではなく、事柄についての見解である」 —— エピクテトス
高橋 里史 院長から聞いた
『未破裂脳動脈瘤』
未破裂脳動脈瘤に対する個別性を重視したテイラーメードの治療アプローチ
増大や破裂の危険因子としては、高血圧、喫煙、飲酒、家族歴などが知られています。また、動脈瘤の大きさ・形・できた部位によっても破裂のリスクは異なり、それに応じて治療の必要性が変わります。
治療には、動脈瘤を直接クリップで閉じる「クリッピング術」や、血管内からコイルを詰める「コイル塞栓術」があります。ただし、すべての未破裂脳動脈瘤に手術が必要なわけではありません。年齢や全身状態、生活背景を踏まえて経過観察を行うことも少なくなく、適切な内科的治療や生活習慣の改善によって破裂のリスクを下げることが可能です。
未破裂脳動脈瘤は「見つけたら必ず手術」という病気ではなく、患者さん一人ひとりに合わせた最適な対応を検討することが大切です。ご心配な方は、下高井戸脳神経外科クリニックへご相談ください。
グラフで見る『高橋 里史 院長』のタイプ
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どちらかというと 穏やかで明るく話しやすい先生 |
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穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
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どちらかというと 穏やかで明るく話しやすい先生 |
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エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
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