弘前 充嗣 院長
ATSUSHI HIROSAKI
おひとりおひとりの方としっかり向き合い、医療としてのリハビリテーションを提供
和歌山県立医科大学卒業。大阪大学医学部附属病院脳卒中内科(現:脳神経内科)に入局。国立循環器病研究センター、国立病院機構 大阪医療センターで脳卒中の急性期治療に従事。千里リハビリテーション病院 勤務を経て、2025年8月、『千里リハビリテーションクリニック東京』院長に就任(東急田園都市線「池尻大橋駅」北口より徒歩5分)。
弘前 充嗣 院長
千里リハビリテーションクリニック東京
目黒区/大橋/池尻大橋駅
- ●リハビリテーション科
患者さんの苦しみや辛さを和らげることに貢献したいと考え、選んだ道
幼い頃から、人と接しながら自分も学んでいける職業に就きたいと考えていました。中で医師という存在に惹かれたのは、手塚治虫 先生の『ブラック・ジャック』がきっかけだったかもしれません。命を救うことは医師の大きな役割ですが、最終的に命そのものは救い切れない局面もあります。では、医師にできることは何か。苦しみや辛さを和らげることこそ、大切な役割ではないかと感じたのです。患者さんに寄り添い、話を聞き、治療を通じて少しでも負担を減らすことのできる仕事――その思いが、医師を志した原点となりました。
もう一つの大きなきっかけは、中学生の頃に父が脳梗塞を患った経験です。当時、何もできず悔しい思いをしたことが、私を脳の病気へと向かわせました。和歌山県立医科大学を卒業後、大阪大学医学部附属病院脳卒中内科に入局。全国的にも珍しい「脳卒中内科」という専門の場で、脳神経と循環器の両方に関わる脳卒中の急性期治療に従事しました。その後、国立循環器病研究センターや国立病院機構 大阪医療センターで経験を積み、数多くの脳卒中患者さんと向き合ってきました。
そして、急性期治療の現場に立つ中で、徐々にリハビリテーションの重要性を実感することとなりました。発症直後の命を救うことが第一ですが、その後の生活をどう支えていくかが、患者さんやご家族にとってはより長く続く課題です。そこで『千里リハビリテーション病院』(大阪府)に勤務し、リハビリに力を注ぐようになりました。そして2025年8月、新しく開設された『千里リハビリテーションクリニック東京』の院長に就任することとなりました。
外来リハビリテーションの重要性
当院の外来リハビリには、主に脳卒中の回復期を経て退院された方が通われています。その他にも運動器疾患や、廃用症候群で筋力が低下した方など、幅広い患者さんが対象です。
リハビリには「180日」という保険診療上の期限がありますが、実際には退院後の生活こそ重要です。入院中に屋外歩行や自宅環境の調整を試みても限界があり、生活の中で新たな課題が見えてくることは少なくありません。私自身、訪問診療に携わった際、自宅に戻った患者さんにとってリハビリがどれほど大切かを目の当たりにしました。だからこそ、外来という場で継続的にリハビリを行える環境を整えたいと考えに至ったのです。
外来リハを提供する施設は全国的にも少なく、多くの方が介護保険によるデイサービスを利用されています。しかし、時間や内容が十分でないケースも少なくなく、患者さんから「本当にリハビリになっているのか分からない」という声を聞くこともありました。外来でしっかりとしたプログラムを行うことは、確実に大きな意味があると考えています。
チームで支えるリハビリテーション
当院の特徴は、医師が診察・評価を行った上でリハビリプログラムを作成する点にあります。リスクや機能を正確に把握し、それぞれの患者さんに適した方法を導く。セラピストがそれを専門的に支えることで、安全性や効果の面でも大きな違いを生みます。
外来リハでは月に一度、医師・セラピスト・栄養士・患者さんご本人とご家族を交えたカンファレンスを実施しています。1か月の成果や課題を共有し、次の目標を確認しながら進めていくのです。『千里リハビリテーション病院』でも行っていた取り組みを、この東京のクリニックでも継続していきます。
運動だけでなく、食事や栄養の管理も大切です。専門の栄養士と連携し、必要に応じて食事内容の提案やサプリメントの利用も含め、全身を整えるサポートを行っています。患者さんが「旅行に行きたい」と希望される時には、外でのリハビリも組み込むなど、生活の延長線上にリハビリを位置づけています。
リハビリテーションのゴールとは
リハビリのゴールは一つではありません。ある目標を達成すれば、また次の目標が生まれていく。常に更新され続けるものだと思っています。自立した生活を目指す方もいらっしゃれば、旅行や趣味を再開したいと願う方もおられます。私たちの役割は、そのおひとりおひとりの希望に応えられるよう支えることです。
今後は、保険診療と自費診療を組み合わせ、制限に縛られずに長期的なリハビリを提供できる環境をつくっていきたいと考えています。動かすだけではなく、体づくりを含めた全身のケアを行いながら、最後まで寄り添う体制を整えていきます。
そして何より大切にしているのは、患者さんが諦めずに前を向けるよう支援することです。これまでリハビリの効果を実感できなかった方にも、新しい方法を提案し、再び挑戦できる場を提供したい。その積み重ねが、患者さんの人生をより豊かにすることにつながると信じています。
これから受診される患者さんへ
私は、できるだけ「医者らしくない医者」でありたいと考えています。患者さんが緊張せず、病気以外のことも気軽に話せるような雰囲気を心がけています。雑談も含めた日常的な会話の中から、その人の生活や希望が見えてくることも多いからです。
リハビリは、単なる運動の積み重ねではなく、人生の再構築に関わるものです。「もう無理かもしれない」と思っている方にこそ、ぜひ一度足を運んでいただきたいと思います。まだできることは必ずありますし、私たちがその可能性を一緒に探していきます。
『千里リハビリテーションクリニック東京』では、患者さんご本人、ご家族、医師、セラピスト、栄養士が一丸となり、それぞれの目標に向かって取り組んでいます。これまでの経験を活かし、皆さんの生活を支える力になれるよう努めてまいります。どうぞお気軽にご相談ください。
※上記記事は2025年8月に取材したものです。時間の経過による変化があることをご了承ください。
弘前 充嗣 院長 MEMO
- 出身地:大阪府
- 出身大学:和歌山県立医科大学
- 趣味・特技:マラソン、ゴルフ、お酒を嗜む
- 好きなこと:旅行、語学・歴史の勉強
- 好きな観光地:スペイン
- 座右の銘:「有言実行」
弘前 充嗣 院長から聞いた
『脳卒中』
脳卒中における「FAST」とは?
脳卒中で最も大切なのは「早期発見と早期治療」です。治療が遅れるほど脳のダメージは広がってしまいます。そこで覚えておきたいのが「FAST」という合言葉です。
・F(Face)顔:顔の片側がゆがんでいないか
・A(Arm)腕:片方の腕に力が入らない、上げられない ・S(Speech)言葉:ろれつが回らない、言葉が出にくい ・T(Time)時間:症状が出たらすぐに救急車を呼ぶ
この中でひとつでも当てはまれば脳卒中を疑い、迷わず119番に連絡しましょう。
脳卒中の治療は急性期で終わりではなく、その後のリハビリテーションが極めて重要です。脳はダメージを受けても「可塑性」と呼ばれる回復力があり、早期から訓練を始めることで失われた機能を別の神経が補うようになります。寝たきりを防ぎ、自分で食事・着替え・歩行ができるようになるためには、発症直後からの積極的なリハビリが欠かせません。
さらに、退院後もリハビリを継続することが生活の質を大きく左右します。外来やデイケア、自宅での自主練習を積み重ねることで、少しずつできることが増えていきます。リハビリは「一時的な治療」ではなく、「生活を取り戻すための継続的なプロセス」なのです。
脳卒中は突然起こりますが、早期発見と治療、そして継続的なリハビリによって後遺症を最小限に抑え、自立した生活に近づくことが可能です。もしもの時のためにFASTを覚えておき、周囲の人と自分自身を守れるようにしましょう。
グラフで見る『弘前 充嗣 院長』のタイプ
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| 穏やかでやさしく 話しやすい |
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先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
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先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
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千里リハビリテーションクリニック東京
弘前 充嗣 院長
目黒区/大橋/池尻大橋駅
- ●リハビリテーション科
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