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石戸 淳一 院長

JUNICHI ISHITO

摂食障害の治療をメインとした新たな“こころみ”

群馬大学医学部医学科卒業後、武蔵野赤十字病院総合診療科、横浜市立市民病院救急総合診療科などで内科研修。横浜市立大学附属病院とその関連病院で脳神経内科医として勤務。その後は地域の療養病床、リハビリテーション病棟担当医として勤務。その間に心療内科医を志し、国立国際医療研究センター国府台病院(現・国立国府台医療センター)心療内科で摂食障害の診療を中心に研鑽を積む。2024年7月1日、『ISTこころみクリニック大門浜松町 心療内科・精神科』を開院(都営大江戸線/都営浅草線「大門駅」より徒歩3分、都営三田線「芝公園駅」より徒歩5分、JR線「浜松町駅」より徒歩7分)。

石戸 淳一 院長

石戸 淳一 院長

ISTこころみクリニック大門浜松町 心療内科・精神科

港区/芝大門/大門駅

  • ●心療内科
  • ●精神科

神経内科から心療内科へ。より患者さんの心に寄り添う診療を

石戸 淳一 院長

私は幼い頃と中学時代に、比較的大きな手術を経験しました。子どもの頃に患者として病院で過ごしたこと、また、父が勤務医として働く姿を間近に見ていたこともあり、医療という分野に対して素直に関心を抱くようになりました。
医学部卒業後は、武蔵野赤十字病院、横浜市立市民病院などで初期研修を行い、その中で脳神経内科という専門に出会いました。急性期・慢性期どちらにも対応しながら、落ち着いて深く診ることができる診療スタイルに惹かれ、脳神経内科を志すようになったのです。

その後、療養型病院やリハビリテーション施設でも多くの経験を積みましたが、次第に、より患者さんの「心の部分」に寄り添う必要性を感じるようになっていきました。実は学生時代から心療内科や精神科にも関心があり、国府台病院の心療内科を見学したこともあります。当時、若かった私は重篤な摂食障害の患者さんの姿に衝撃を受け、自分には難しいと感じて距離を置いてしまったのですが、内科や高齢者診療での経験を重ねた今なら十分に取り組めるのではないかと考えるようになりました。
改めて国府台病院に見学に伺った際、私の熱意を受け入れて頂き、本格的に心療内科、特に摂食障害の診療に携わるようになりました。そうした中、こころみグループと出会い、私が目指す「外来での摂食障害治療」に本気で取り組める環境が整い、2024年7月、『ISTこころみクリニック大門浜松町 心療内科・精神科』を開院する運びとなりました。

外来診療だからこそ可能な摂食障害へのアプローチ

石戸 淳一 院長

摂食障害とは、精神的な理由により、うまく食事が摂れなくなってしまう病態です。痩せたい気持ちが抑えられずに極端な制限をしてしまったり、反動で過食を繰り返してしまったり、あるいは強い不安から食べること自体が怖くなるケースもあります。
表面的な診断に関しては比較的容易と言えるかもしれません。神経性やせ症、過食症など、いくつかの典型的なパターンがあります。ただし実際には、他の精神疾患を併発していたり、生きづらさが食事に現れている方も多く、治療は個別的で複雑です。
当院では、そうした患者さん一人ひとりの背景を丁寧に聴き取りながら、その人にとって「生きやすい状態とは何か」を一緒に考えていきます。薬物治療を補助的に使うこともありますが、対話を中心に据えたアプローチこそが、摂食障害の外来診療の鍵です。外来での日常生活をベースにした治療でなければ、根本的な改善は難しいと私は考えています。

専門領域にとどまらない、柔軟で幅広い診療

石戸 淳一 院長

当院の患者さんの多くは摂食障害の方ですが、それだけに限定しているわけではありません。うつ病、適応障害、トラウマなど、一般的な精神科・心療内科領域の患者さんも数多くいらっしゃいます。摂食障害の治療を進める中で、しばしば他の精神的な課題と向き合う必要が出てきます。そうしたケースでも幅広く対応できるよう、常に臨床力を磨きながら診療に臨んでいます。
心療内科という分野は、心と体の両面を理解しながら診ることが求められます。これまでに培ってきた内科・脳神経内科での経験は、現在の診療の中でも確かな土台になっています。

グループ院としての強みを最大限に生かす体制

当院は、こころみグループの一員として、医療体制のサポートや専門性のネットワークを活かした診療を行っています。たとえば、血液検査に代表される検査はグループ内の他クリニックに委託することで、効率的かつ迅速に対応できる体制を整えています。また、外来での治療だけでは対応が難しく、入院が必要となるケースでも、こころみグループの支援によってスムーズな入院先の手配やサポートが可能となっています。

診療面では、私自身がグループ内の『田町三田こころみクリニック』で一般精神科の外来を担当しています。現在、当院で診療を受けている患者さんも、状況に応じて別拠点での受診が可能で、転院しても継続して私が診療を担当することができます。これは「患者さんの生活に合わせた医療」を実現するための重要な仕組みであり、小さなクリニックだからこそ柔軟に対応できる部分でもあります。
こうした多拠点間の連携により、安心して治療を継続できる環境を整え、患者さん一人ひとりに合った選択肢を提供しています。

これから受診される患者さんへ

摂食障害の患者さんは、「治したいけれど今はまだ難しい」と感じていることが少なくありません。それでも、まずは誰かに話してみること、相談してみることが回復の第一歩となります。
当院では、「相談から治療まで」という言葉を掲げています。いきなり治療を始めるのではなく、まずはお話を聞くところから、一人ひとりのペースに合わせた関わり方を大切にしています。
摂食障害に限らず、心と体の不調で悩む方々が、ご自身の生活を少しでも「生きやすいもの」に変えていけるよう、医師としての立場から丁寧にサポートしていきたいと考えています。患者さんの力を信じ、共に歩む姿勢を大切に、今後も真摯に診療を続けてまいります。

※上記記事は2025年7月に取材したものです。時間の経過による変化があることをご了承ください。

石戸 淳一 院長 MEMO

神経内科専門医 /心療内科専門医

  • 出身地:東京都
  • 出身大学:群馬大学医学部
  • 趣味:ガジェット
  • 好きなアーティスト:BUMP OF CHICKEN
  • 座右の銘:「言行一致」

石戸 淳一 院長から聞いた
『摂食障害[食行動障害]』

心理的な治療と身体的な治療の両方が必要

摂食症(摂食障害)は、心理的な理由から食事が適切に摂取できなくなる疾患グループです。肥満恐怖、もしくはやせ願望が強くなってしまい、体重が病的に減少しているのにかかわらず、体重を増やせない、十分に食べられないのが神経性やせ症摂食制限型(AN-R)といい、「拒食症」という言葉のイメージ通りの疾患です。また、明らかに大量の食べ物を短時間に食べてしまう「むちゃ食い(過食)」を繰り返すようになる方も多く、体重が増えないように自分で嘔吐する、下剤を使うなどの不適切な排出行為をしてしまうことがあります。病的にやせている場合は神経性やせ症過食排出型(AN-BP)、正常体重になると神経性過食症(BN)と診断されます。肥満恐怖がメインではなく不快の感覚や不安から食べられなくなるのが回避・制限性食物摂取症(ARFID)、むちゃ食いを繰り返し不適切な排出行為をしない場合はむちゃ食い症(BED)と診断されます。これらは全て精神的な理由が関係していますが、適切に食物を消化する機能が使われないため、腹部の不快感、もたれ感、便秘症など内科的症状を起こします。また、栄養が適切にとれないために脳の働きが低下し、結果的にまた精神的に悪くなってしまうという悪循環がみられます。また、うつ病、不安症、発達障がい、トラウマなど他の精神疾患によって摂食症を発症することもあります。そのため治療は、心理的な治療と、身体的な治療の両方が必要となります。病的なやせの方はまず体重を増やすための治療を優先されるのが一般的であり、体重が正常範囲にある場合は規則正しい時間に食事をすることが治療となります。そのような食事の治療の後、もしくは同時並行的に体重・体型についてのとらわれや、様々な不安を克服していくサポートが行われます。不安症状や気分の落ち込み、イライラなどの症状が強いときには補助として薬物療法が行われることもあります。
また、安心できる療養環境を整えるために、治療が必要な疾患であることを周囲の人に理解して頂くことも重要です。ストレスや不安に反応してさらにやせたくなってしまう、もしくは過食衝動が強くなってしまうため、その対処方法を考えていくことも治療となります。

グラフで見る『石戸 淳一 院長』のタイプ

穏やかで明るく話しやすい先生

穏やかでやさしく
話しやすい
エネルギッシュで
明るく話しやすい

先生を取材したスタッフまたはライターの回答より

穏やかで明るく話しやすい先生
穏やかでやさしく
話しやすい
エネルギッシュで
明るく話しやすい

先生を取材したスタッフまたはライターの回答より

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