今、我々獣医師は動物の病気を、薬や注射、手術などの西洋医学の手法を主に使って治療しています。 西洋医学のすばらしい点もたくさんありますし、それを捨てる必要はないと思います。
しかし、見つけ出される病気が多様化する中で、果たしてそれだけでいいのでしょうか。

病気の種類によっては、西洋医学的なアプローチが根本的な解決になっておらず、 単に症状を抑えるだけの対症療法的なものになっている事がしばしばあります。しかも薬による副作用、 手術による後遺症が、治されるべき動物を苦しめたりもします。
もっと動物の根本を見つめ、根っこから病気を叩いていき、安全で安心な治療法を考えなければいけないのではないでしょうか。
そんな中で、西洋医学に代わる医療、あるいは西洋医学的な治療を助ける医療が代替医療（オルタナティブ・メディスン）・ 補完医療だと私は捉えています。

これからの獣医療は西洋医学と代替医療、その両者の共存を考える事によって、 より快適で健康な一生を動物たちに提供できるのではないかと考えております。
ホリスティックというのは病気をひとつひとつ個別に考えるのではなく、病気を起こしている動物の全体を捉えて、 体全体を治していくことによって病気を治していこうとする医療です。

人も動物も本来、自らのものとして持っている自然治癒力があります。 ストレスや生活習慣など様々な要因で自然治癒力が低下して病気はもたらされます。
ホリスティック医療では、自然治癒力を高め、【自ら癒す】ことを大事にします。そして、自分の力で病気を克服していく手段として、 種々の代替医療・補完医療を用いるのです。

ホリスティックの扉を開けて動物が本来あるべき姿で毎日を過ごさせてあげましょう。