現在は寛解が目指せる病気。早期診断、早期治療が重要ですので、気になる症状があればすぐに受診を。
関節リウマチは、関節に炎症が起きることで、関節の腫れや痛み、朝のこわばりなどの症状をきたし、関節の変形、動かしづらさを生じる病気です。自己免疫疾患の一つで、本来病原体を排除するための免疫系が、誤って自分自身の関節組織を攻撃してしまうことで関節炎が起こります。特に40〜60代の女性に発症することの多い病気ですが、それ以外の年齢や男性でも発症することがあります。遺伝的要因、外的要因が重なって発症に至ります。外的要因として、歯周病や喫煙の関与が証明されています。関節の炎症が長引くと、関節に変形をきたし、関節が動かしづらくなるなどの機能障害を生じてしまいます。一度変形が生じると、治療によって元に戻すことはできなくなりますので、その前に治療を開始する必要があります。そのためには、早期に関節リウマチと診断することが必要です。また、発症後早期は治療が比較的効きやすく、治療を開始すべき重要な時期とされています。したがって、関節リウマチは早期診断、早期治療が非常に重要です。それにより、より良い状態を目指すことができるようになります。治療は、疾患修飾性抗リウマチ薬という種類のくすりを用いて行います。これにより、痛みをとるだけではなく、病気自体を良くしていきます。その中には生物学的製剤という注射薬やJAK阻害薬という内服薬が含まれ、これらを適切に使うことで従来よりも圧倒的に多くの患者さんにおいて寛解(症状がなく、病気が完全に良くなった状態)を達成することができるようになりました。早期診断、早期治療のため、気になる症状があればリウマチ専門医へご相談ください。