岩田歯科医院

岩田 悠 院長への独自インタビュー

80年を越える歴史ある歯科医院を父より引き継いで

『岩田歯科医院』は昭和9年（1934年）に創業した医院です。もともとは、深川の辺りで私の祖父が興したものだと聞いていますが、生家のあったこの地へと移り、それを父が継いだということになります。その父の診療している姿を小さい頃から見て育った私は、誰に言われるでもなく、ごく自然にこの世界を目指すようになっていました。
大学卒業後は研修医を経て、大学の協力施設的な位置にあった歯科医院からお話をいただき、父の診療所を継ぐまでお世話になりました。それが2012年のことで、父から受け継ぐにあたり、全面的な改装を施しました。
以前はいかにも病院然とした佇まいでしたが、壁の色を工夫し、診療所と待合室を隔てていたドアを取り払うことで、開放的で少しでも寛いでいただけるような空間を目指しました。キッズスペースや洗口スペースもその時にしつらえたものです。
診療室はパーテーションで仕切るのではなく、ブラインドの上げ下ろしで任意に半個室になるような造りになっています。皆さんにお聞きしますと、個室だと「何やら寂しい」という声を多くうかがいました。地域柄というものかもしれません。奥に1つ、個室を設けてあるのですが、ほとんどの方がブラインドをあげたままの診療を好まれているように思いますね。

まずお話を！すべてはそこから始まります

まず、お話をしましょう！歯医者さんには、ほとんどの方が緊張されていらっしゃいます。しかし、その状態では、本当に伝えたいことが伝えきれないのではと思うのです。当院では世間話から入っていき、緊張をほぐしていただくことから始めていきます。それで多少なりとも打ち解けることが出来れば、徐々に本当の声が出てくるようになります。たとえば、「最初はこの歯だけ治れば…」と思っていたものが、「実はここも気になっていて…」という具合ですね。
あるいは、お話をしていく中で、患者さんの生活環境や好みというものが見えてくることもあります。その少しずつ見えてきたものに合わせ、治療を組み直していくことも可能になるのです。

自分で開業をしてから、型通りの対応では通用しないことが多々あることに気づきました。もちろん、親しき中にも礼儀ありで、丁寧に接していくことは大切です。ただ、型通りではなく、その人その人に合った形を模索し、接していくことが大切だと思っています。

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