山本 鐵雄 院長
TETSUO YAMAMOTO
補綴専門医が手間暇を惜しまず作った入れ歯なら、食べる楽しみが再生する。
大学卒業後も20年間大学に残り、入れ歯などの義歯や被せ物などを学生たちに指導。50歳を機に、京急蒲田駅すぐそばに、自身のクリニックを開業。
山本 鐵雄 院長
山本歯科医院
大田区/蒲田/京急蒲田駅
- ●歯科
- ●小児歯科
- ●歯科口腔外科
歯科医としての”生きがい”を求め、指導する立場を選択。
もともと母親が歯医者をやってましたのでね。祖父、祖母に母親と、私で3代目です。親父は船乗りでしたが、やっぱり医者の家系でした。ですが、ただ跡を継ぐだけでは嫌だなと、ずっと思っていたんですね。だから歯学部を卒業するときは本当に悩みましたよ。国家試験をとれば歯科の免許はもらえるけども、じゃあどんな歯医者になるべきなんだろう、って。
英語で仕事っていうと、ジョブとワークがありますよね。ジョブは生活のために働くこと、ワークはそこに”生きがい”がプラスされるんです。じゃあ自分にとってのワークとは何なのかなと、夏休みいっぱいかけて、本当に真面目に考えました。
それで結論としては、自分は歯医者をつくろうと思ったんです。良質な歯科医療を自分1人でやるには、限りがあります。たとえば1ヶ月に患者さん100人診たとしても、1年間で1200人、10年かけても1万2000人だけですよね。ですが、自分が指導者として後輩たちに教えていくことができれば、何十倍、何百倍もの患者さんに高い水準の医療を受けてもらうことができます。これは本当にやりがいのある仕事だと思い立って、20年間大学に残って、入れ歯などの義歯や被せ物などを学生たちに教えてきました。
開院したのは2003年、私が50歳の時でした。はじめは患者さんのカルテも4枚しかなくて、棚に立てて収納するとヘロヘロと倒れてしまいましてね。ですが、マイプリティワイフ(笑)も娘も応援してくれてましたので、頑張ってきました。今年(2014年)で11年、今はカルテの棚もいっぱいになりました。患者さんと私たちの歴史がここには詰まってます。
型取りから咬み合わせまで、院長が行う義歯が口コミで人気。
やはり義歯のご相談が圧倒的に多いですね。患者さんのうち、だいたい8割くらいが義歯の方です。
お年寄り同士のクチコミですとか、ドクターからの依頼も多いですね。
義歯づくりの要となるのは、お口の型取りです。今は既成の型をもとに、技工士に任せるクリニックが多いですが、うちでは咬み合わせの段階までは、私が院内で製作しています。
手間暇を惜しまないからこそ、痛みやズレのない義歯が生まれる。
義歯の完成までに必要となる工程は、大きく分けて4つです。まずは診断・設計、個人トレー製作のための「一次印象」です。はじめに既成トレーで型をとって、そのあと製作した個人トレーにもう一度、コンパウンドという熱を加えると柔らかくなる素材を巻きつけ、口の中の筋肉や粘膜の動きまで細かく印記させてからもう一度型をとります。下顎は体の中でも特別動きが激しい部分ですから、開け閉めしたり、頬っぺたをひっぱったり、舌を動かしたりと、さまざまな動きにも対応できるようにして入れ歯の型を起こさないといけません。そうしないと痛みやズレ、落ちてしまうなどの原因になってしまいます。時間も費用もかかりますが、このひと手間を惜しんではだめなんですね。
そうして型が完成したら、次は入れ歯のかみ合わせを決める「咬合採得」です。実際に患者さんにも噛んでもらって、1mm単位で咬み合わせの高さを調節します。
ここまでの過程をきちんとやることが痛くなく、よく咬める入れ歯をつくるために、とても大切なことです。人工歯を並べて仮の入れ歯をつくり、色や歯並び、形を患者さんに見てもらう「試適」の作業に入ります。技工士さんにお任せして、入れ歯が完成します。
完成までの期間は1週間に1度いらしていただいて、だいたい1ヶ月半程度でしょうか。開院当初から大学と同じ時間と手間をかけて、その時間内でできる限りの治療を行う、というのが私の主義です。
採算度外視。補綴専門医として良い入れ歯をつくることに妥協無し。
本当は、保険診療でここまで時間と手間をかけていたら、今の診療報酬ではまかないきれません。赤字です。何故採算がとれなくても続けるのかとよく聞かれますが、それはこれまで積み上げてきた補綴専門医としてのプライドです。まして大学では自分のみならず、学生たちに良い入れ歯を作るには必ずこうしなければいけないと教えてましたからね。それが開業医になったからコストカットなんてやっていたら、自分が大学で患者さんが満足してくれる入れ歯ができるか努力してきた25年間を否定することになりますから。
一生懸命いい入れ歯をつくってね、おじいちゃんおばあちゃんが喜んでくれるんだから、やっぱり頑張らないといけませんよ。
これから受診される患者さんへ。
食べるってことは楽しいことのはずなのに、入れ歯があわなくて毎回の食事が辛いっていうのは、本当に嫌なことだと思います。だから、食べる楽しみをもう1回、取り戻してもらいたい。うちで入れ歯をつくってもらう人には、「おしんこと煎餅はいつだって食べられるようにするよ」と話してます。
臨床実習では学生を指導するときにはよく、待合室で1時間患者さんを見てなさい、と言っていたんです。それでどうだったかと学生に聞くと、みなさん不安そうな顔をしてた、って答えるんですよね。楽しくて病院に来る患者は一人もいません。
患者さんは、やっぱり痛みや不安な気持ちを抱えてきているのだから、体だけじゃなくて、心まで全部きれいにクリーニングしてあげなくちゃいけない。それが医療だと話していたんですよ。
だからこそ、患者さんには少しでも楽しく話しをしながら、治療ができればいいなと思ってやってます。それがうちのスタイルですね。
※上記記事は2014年12月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。
山本 鐵雄 院長 MEMO
- 出身地:神奈川県
- 趣味:バイオリン演奏、アメフト(公式審判員をしています)
- 好きな本:O・ヘンリー
- 好きな映画:ゾンビ映画
- 好きな言葉: 「人間万事塞翁が馬」「まぁいいか」
- 好きな音楽:クラッシック、オールディーズ
- 好きな場所:山陽地方、ハワイ島
グラフで見る『山本 鐵雄 院長』のタイプ
エネルギッシュで明るく話しやすい先生 |
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
エネルギッシュで明るく話しやすい先生 | ||||
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
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山本 鐵雄 院長
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