口腔がんの原因・症状とは?
口腔がん(コウクウガン)の原因
口腔がんとは、頭頸部がんに分類される、口腔(口の中)にできるがん(悪性腫瘍)の総称。他のがん同様、原因は明らかになっていないが、喫煙や過度の飲酒、適合していない歯の詰め物・かぶせ物による物理的な刺激が発症の危険因子となると見られている。
口腔がん(コウクウガン)の症状
発生する部位により、舌がん、頬粘膜がん、歯肉がん、硬口蓋(口の中の天井にあたる硬い部分)がん、口腔底(舌と歯肉の間)がん、さらに厳密には口腔がんに含まれないものの、口の外の口唇がんに分類される。部位によっても症状は変わるが、初期には舌や口の中にただれが見られたり、潰瘍が見られたりすることがある。進行すると、痛みや出血、口が開きづらい、話しづらい、などの症状が見られ、歯周組織にまでがんが浸潤していくと、歯がぐらつくこともある。
口腔がん(コウクウガン)の治療
外科手術により、口腔や顎、頸部の組織を一部切除する治療が一般的だが、早期の発見の場合、放射線治療が選択されることもある。また、体力的に手術が難しい場合や手術を望まないケースでは、放射線治療と薬物療法(抗がん剤治療)の併用が行われることもある。
【受診科目】
- 耳鼻咽喉科
- 歯科
- 歯科口腔外科
※3人の医師がこの病気について述べています
医師に聞いた
口腔がんの原因・症状・治療方法
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治りにくい口内炎は「口腔がん」の可能性も
口腔がんはお口の中に生じるがんの総称です。初期は自覚症状がほとんどなく「治りにくい口内炎」として認識されることも少なくありません。口腔がんが生じる原因はさまざまにあり、かみ合わせの悪さや歯周病などが原因になるケースもあります。
お口の中にできると言っても「がん」であることに変わりありませんから、口腔がんに明確な予防法はありません。また治療ではがんを切除する手術しか選択肢がないため、何よりも早期発見・早期治療が重要です。お口の中の慢性的な刺激が細胞に影響を及ぼしてがん化させる可能性もあるため、何らかの異変を感じたときは口腔外科医にご相談いただくことをおすすめします。
志木かくや歯科クリニック
角屋 貴則 院長
- 新座市/東北/志木駅
- 歯科 ●小児歯科 ●矯正歯科 ●歯科口腔外科
口のまわりにできる「口腔がん」は早期発見がカギ
口腔がんの原因ははっきりと分かっていないものの、何らかの慢性的な刺激が要因の一つであると考えられます。たとえば、合わない入れ歯が当たって炎症を起こしたり、口腔内の不衛生や喫煙・飲酒もリスク因子になったりします。
治療では、ほかのがんと同様に切除術が適応となりますが、早期に治療介入できれば簡単な治療で終わることが少なくありません。お口の清潔を維持するためにも定期的に歯科医院に通い、お口の中をチェックする習慣を持っていただくとよいでしょう。
三木歯科医院
八木 修 院長
- 目黒区/大岡山/大岡山駅
- 歯科 ●歯科口腔外科 ●小児歯科
「痛い」「しみる」「違和感がある」といった症状が長く続く場合は専門医に相談を
口腔がんは、舌・頬粘膜・歯肉・唇など、口の中の粘膜に発生するがんの総称で、なかでも最も多いのは「扁平上皮癌」です。胃がんなどと同じ種類の細胞から生じるものです。歯そのものは再生しない組織で、増殖もしないため、歯ががんになることはありません。
がん細胞は誰の体内でも毎日生まれていますが、多くは免疫細胞によって処理されています。抑えきれず増殖してしまったものが悪性腫瘍で、口腔内に発生した場合を口腔がんと呼びます。唾液腺などにも腫瘍は起こり得るため、すべてが扁平上皮癌というわけではありませんが、発生頻度としては圧倒的に多いタイプです。
症状は人それぞれで、「痛い」「しみる」「噛むと違和感がある」といった軽い症状から、入れ歯が合わなくなるといった変化がきっかけになることもあります。進行度や転移の有無によって治療成績は変わりますが、ガイドラインに沿った治療が全国で統一され、生存率は年々向上しています。
ただし、早期発見が何より重要です。見た目だけで初期がんを判別するのは難しく、必要に応じて患部の一部を切除し、病理検査で診断します。結果、がん細胞が確認されなければ、口内炎や入れ歯の刺激による傷など別の原因が考えられます。気になる症状が続く場合は、早めに専門医を受診することが大切です。
木村歯科医院
木村 豊 院長
- 横浜市磯子区/洋光台/洋光台駅
- 歯科 ●歯科口腔外科 ●小児歯科