認知症の原因・症状とは?
認知症(ニンチショウ)の原因
高齢者の認知症の約60~80%を占めると言われるアルツハイマー型認知症に次いで、血管性認知症やレビー小体型認知症が続く。慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症などの疾患が原因となることもある。
認知症(ニンチショウ)の症状
後天的な脳の障害により、認知機能が徐々に低下し、日常生活に支障をきたすようになる疾患。ものを覚えられない、これまでできたことができなくなる、といった症状の他に、徘徊などの行動が見られるようになる。老化現象による、いわゆるボケとは異なる。
認知症(ニンチショウ)の治療
現時点において根本的な治療法は確立されていないが、進行を遅らせる治療薬等の開発が進んでいる。一方、慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症などの疾患のように外科的治療で治るケースもある。
【受診科目】
- 脳神経内科
- 精神科
※8人の医師がこの病気について述べています
医師に聞いた
認知症の原因・症状・治療方法
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旧来の認知症観と決別し、新しい認知症観にアップデートを
認知症は、脳が壊れてしまうために生まれてから獲得してきた脳の働きを失ってゆくことで生活に支障をきたす状態です。原因としてアルツハイマー病やレビー小体病、脳血管障害などがあります。今まで何の苦労もなくできていたことができなくなった日々を過ごす認知症当事者を追い詰めるものは“偏見”です。ある認知症当事者の本には“認知症になった人はかわいそうな人でもなく、劣った人でもありません”と書かれています。つまり認知症になった当事者は、そうした偏見の中に身を置く日々を過ごさなければなりません。ほとんどの人が認知症に対してこうした偏見を持っています。だから“認知症”という診断を受けた瞬間から、認知症当事者は、偏見に満ちた眼でみられ、付き合い方が変えられ、居場所を失うのです。
2022年の統計では認知症と軽度認知障害をあわせた人は65歳以上の約27%もいるということです。つまり約3人に1人は認知症もしくは軽度認知障害になると推計されています。もう他人事ではないのです。もし自分が認知症になり、その途端に周囲の人間から偏見に満ちた扱いを受けたら、あなたは耐えられますか?
認知症の患者さんを沢山拝見していると、出来ないことはまだらに生じてきます。一方、その他の部分はそれまで通りの生活を変わりなく行うことができます。何年もかけて病気が進行すれば、助けを求めることが多くなるものの、かなり進行するまでサポートさえあれば一人暮らしも可能です。しかし、かなりの割合でそれまでの生活が続けられなくなるのは、あきらめの気持ちです。認知症=何もできない人のイメージが強すぎるために、診断された本人もそれまでの生活を続けることを諦めてしまいます。認知症は確かに進行します、でもそれは年単位のスピードであり、どう進むかは生活の仕方で大きく変わってきます。実際に、私は諦めた人と諦めなかった人の生活は明らかに差が現れるのを数多く拝見してきました。2024年1月1日に施行された「共生社会の推進を実現するための認知症基本法」の基本計画にあるように、そろそろ古い認知症観を捨て、新しい認知症観に基づいて認知症と向き合うべきではないでしょうか。
代々木駅前脳神経内科・内科クリニック
松村 美由起 院長
- 渋谷区/代々木/代々木駅
- 内科 ●脳神経内科 ●循環器内科 ●消化器内科
「認知症」の治療法は1つではない……?
加齢に伴って患者数が増加する「認知症」には、さまざまなタイプがあります。一般に広く知られるアルツハイマー型、血管性、レビー小体型、前頭側頭型の「4大認知症」のほか、65歳未満で発症する若年性認知症などもあります。
認知症の治療法は認知症のタイプによって異なります。またビタミン不足などで認知症と同様の症状が現れることがあるため、正しい診断のもとに適切な治療を行うことが大事です。もしも物忘れや幻覚など心配な症状があれば、早めにご相談いただくことをおすすめします。
当院に受診される方の中で、認知症の方は1割程度で、一番多い理由はうつ状態や不安や不眠の方です。日本の医療のいいところは世界にも誇れるアクセスの良さですので、精神的な悩みのある方は一人で抱えずに、重症化する前に是非早めにご相談いただければと思います。
村上医院
村上 健 院長
- 江戸川区/鹿骨/篠崎駅
- 精神科 ●心療内科 ●内科
社会との接点を持ち続けることで症状の進行抑制が期待できる
私たち人間は成長するまでの過程で、話すこと/覚えること/食べること……などの能力を身につけます。認知症はこうしたさまざまな能力の低下が、加齢の速度よりも早く進行する病気です。認知症には日本人にもっとも多いアルツハイマー型認知症のほか、血管性認知症・レビー小体型認知症・前頭側頭型認知症の4つのタイプがあります。
認知症の症状にはもの忘れ(記憶障害)などの中核症状のほかにBPSDと呼ばれる周辺症状があり、怒りっぽくなったり、うつ症状が現れたり、食事ができなくなったりするほか、幻覚が見えるという方もいます。こうしたさまざまな症状によって患者さんご本人の生活維持が難しくなり、ご家族が支えきれない状態になることが大きな問題だと言えるでしょう。
現在まで、認知症は根本的な治療法は確立されていません。そのため患者さんには「治らない」ということをご理解いただいたうえで、一人一人がその人らしい生活を続けられるように、適切な治療や介護サービスを受けていただくことが重要となります。完治を望めない病気ではあるものの、デイサービスや友人との会話などを通して社会との接点を持つことにより、病気の進行を抑えることが期待できます。
文京根津クリニック
任 博 理事長 ・ 院長
- 台東区/池之端/根津駅
- 内科
認知症予防の生活習慣について-『元気で楽しく100歳』に向けて
人生100年時代を迎え、単に長生きするだけでなく、『元気で楽しく100歳を迎えること』が、現実的な目標となっています。そのためには、がんも脳卒中も心筋梗塞も気になりますが、最重要かつ最も悩ましいテーマは、頭と足腰を健全に保つことではないでしょうか。
中でも認知症の予防について関心が高まり、新薬のニュースが大きく取り上げられたりしています。しかし、現状では適応は限られ、効果も限定的です。一方、様々な生活習慣と認知症の進行とが大きく関係していることが医学的にも示され、予防のためにも重要な要素になっていることがわかってきました。糖尿病、高血圧、脂質の管理や、バランスよくしっかりと栄養を摂ること、飲酒、喫煙のコントロール、などが大切な事は言うまでもありませんが、加えて、人とのコミュニケーションを密に保ち、社会の中で積極的に活動することの重要性が示されています。若い頃からしっかり学び、頭を使うこと。目や耳を健全な状態に保ち、様々な情報を得る機会を増やすこと。生活、運動、仕事、娯楽など、人や社会と積極的につながり、体全体を動かす様々な機会を大切にすること。など、全身、そして生活も含めた、トータルな健康づくりが、認知症予防の鍵になっています。
健康診断を始めとする、健康チェックを入り口に、心身、そして生活も含めた健康管理、さらには家族や地域も含めた健康作りを進め、みんなで、笑顔で100歳を目指しましょう。身近なかかりつけ医にも、そのお手伝いをさせていただくことが可能です。お気軽に相談してみて下さい。
かしの森クリニック
関川 泰隆 院長
- 世田谷区/弦巻/桜新町駅
- 内科
お口から認知症の兆しが見えることが多々ある
高齢化が進んできている影響なのかもしれませんが、患者さんの中に認知症の方が多くなってきている実感を持っています。今までなかったことが急に現れるようになると言うのでしょうか。歯みがきを忘れてしまっていたり、磨き残しが目立ってきたり。これまできれいにされていた方が、気づくと、そのような状態が目立つようになってくるのです。
ご家族の方から「ちょっと最近」と相談を受ける機会も多くなってきました。ご家族が近くにいらっしゃる方はまだいいのですが、お一人暮らしやご高齢のご夫婦となりますと、こちらもその後の対応が難しくなってきます。歯周病菌が認知症に関係していることがわかってきており、歯科も関係のないことではありません。お口周辺にその兆候が現れやすいということもあり、気づいたことがあればお伝えするようにしています。
山内歯科医院
山内 真紀子 院長
- 港区/白金台/白金台駅
- 歯科 ●小児歯科 ●矯正歯科 ●歯科口腔外科
「認知症」があっても自分らしく暮らしながら、健康寿命を延ばすために
認知症とは、さまざまな原因によって脳の神経細胞の働きが徐々に低下し、記憶力や理解力、判断力などの認知機能が低下することで、日常生活に支障を来した状態を指します。脳の病気というイメージが強いかもしれませんが、その背景には、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病をはじめ、難聴、筋力低下、睡眠の質の低下、社会的孤立など、全身や生活環境に関わるさまざまな要因があることが分かっています。
裏を返せば、日々の習慣や生活環境を見直すことが、認知機能低下の予防や進行抑制につながる可能性があるということです。適度な運動やバランスのよい食事、人との交流、質のよい睡眠などを意識しながら、自分らしい生活を続けていくことが大切になります。
2022年に行われた65歳以上を対象とした調査では、認知症の人は約443万人、軽度認知障害(MCI)の人は約559万人と推計されており、その合計は1000万人を超えています。実に高齢者のおよそ3.6人に1人が認知機能に関わる症状を抱えている計算になり、2040年には約3.3人に1人へ増加すると見込まれています。
こうした背景を受け、2024年1月には「認知症基本法」が施行されました。認知症の有無にかかわらず、一人一人が互いを尊重し合い、安心して暮らせる社会の実現に向けた取り組みが進められています。
認知症は、もはや特別な病気ではなく、誰にとっても身近な病気になりつつあります。だからこそ、物忘れが気になり始めた方や、介護に悩むご家族は、一人で抱え込まず、地域の脳神経内科医や在宅診療医に相談していただきたいと思います。
内山在宅クリニックすぎなみ
内山 正信 院長
- 杉並区/梅里/新高円寺駅
- 内科 ●脳神経内科
認知症は誰もがかかる可能性のある病気。進行に合わせて適切なサポートを
認知症は動脈硬化や生活習慣病などの影響によって発症すると考えられていますが、基本的には誰もがかかる可能性のある病気です。病気の発症には遺伝的な要因もあり、脳梗塞を経験している方の場合は進行が速いといわれます。
認知症はもの忘れ(記憶障害)から始まることが一般的で、穏やかだった人が怒りっぽくなるなど心理面・行動面に変化がみられるようになります。やがて進行すると今どこに居るのか分からなくなる、時間の感覚がなくなるといった見当識障害が現れ、さらに進行すると自宅のまわりを徘徊(はいかい)することもあります。
現在のところ認知症対する根本的な治療は確立されていないため、多くの場合症状はゆるやかに進行していきます。忘れっぽくなったことをご本人が気にしているようならまだ安心といえますが、周りの人が気付くような変化がみられた場合には症状が徐々に進行していると考えてよいでしょう。
認知症患者さんはご自分が認知症であることを受け入れられないケースが多く、日常生活を送るうえでは周囲のサポートが欠かせません。処方されたお薬を適切に使用するというのはもちろん、デイサービスや趣味を通じて周囲と関わる機会を持つことも大切です。患者さんご本人が楽しんで打ち込める、生きがいのようなものを見つけてあげてほしいと思います。
さいとう内科クリニック
齋藤 拓郎 院長
- 所沢市/小手指町/小手指駅
- 内科 ●放射線科 ●消化器内科
「他者との交流」こそが認知機能維持に役立つ
認知症は脳の機能低下が生じ、記憶や判断力などの認知機能に影響を及ぼす病気です。年齢を重ねるにつれてさまざまな物質が脳内にたまり、神経の伝達を妨げることが大きな原因だと考えられています。近年は認知症の治療薬開発が進められていますが、いまだ特効薬と言えるものは現れていません。
認知症についてはお薬による治療よりも、非薬物療法によるアプローチが有効です。非薬物療法とは文字どおりお薬を使わず、他者との交流によって認知機能の維持を目指す方法です。たとえばデイケアなどの通所サービスを利用して、家族ではない第三者と会って話をすると脳が刺激され、認知機能にもよい影響をもたらします。
高齢者を1人ぼっちで家に閉じ込めるようなことは避け、社会性を保てる環境を整えてあげることが、認知機能の維持に有効であることをぜひ知っていただきたいです。
西嶋医院
西嶋 公子 院長
- 町田市/成瀬台/こどもの国駅
- 内科 ●小児科