布施 淳 院長
JUN FUSE
身体と心の関わりに注目、「ポジティブ心理学」の概念も取り入れ最高の体調を作る
東京慈恵会医科大学卒業後。20年以上にわたり循環器救急・生活習慣病の診療を中心に従事。国立病院機構東京医療センター循環器内科、集中治療室(ICU)副室長、東京医療保健大学大学院臨床講師等を歴任。2018年9月、「ウェルビーイングクリニック駒沢公園」を開院(駒沢大学駅より徒歩7分)。
布施 淳 院長
ウェルビーイングクリニック駒沢公園
目黒区/東ヶ丘/駒沢大学駅
- ●循環器内科
命に関わる医療現場で20年以上研鑽、患者さんの身体と心の関わりにも注目
私の家は父親が整形外科の開業医をしており、自宅の隣に診療所がありました。街の開業医として診療していましたので、風邪などさまざまな症状を診療することも多かったようですね。人のために働く父の様子を見ていて、自然と自分も将来医師になりたいと考えるようになりました。
東京慈恵会医科大学卒業後は循環器を専門とし、20年以上にわたり循環器救急や高血圧や糖尿病などの生活習慣病の診療を中心に従事。医療従事者の教育にも深く関わり、救急・心肺蘇生講習会を長年定期主催いたしました。循環器を専門として選んだのは、研修時の救急医療現場での体験がきっかけです。心臓疾患など循環器の患者さんは命が危険な状態で運ばれてくることがほとんどです。 しかし、良い治療を素早くおこなうことで元気になり、歩いて帰れる方も多いのです。 これは循環器疾患の特徴と言ってもいいもので、当時現場で目の当たりにしてとてもやりがいを感じました。
国立病院機構東京医療センター循環器内科、集中治療室(ICU)副室長、東京医療保健大学大学院臨床講師等を経て、循環器専門医として診療する一方で、心と身体の関わりやポジティブヘルスに着目し、2018年9月にウェルビーイングクリニック駒沢公園を開院いたしました(東急田園都市線「駒沢大学駅」より徒歩7分)。今では個人と社会のウェルビーイング向上に取り組み、院内外で活動しています。
命が助かっても幸福じゃない現実を目の当たりにし、ポジティブ心理学に着目する
救急医療の現場で疑問に感じることありました。命が助かって喜んでくれる人がいる反面 、あまり嬉しくなさそうな人がいたり、退院後に乱れた生活を送り発作を起こすなどして、再び入院してしまう方がいることです。次第に「幸せや生きがいとは何だろう」「それを持つためにはどうすればいいんだろう」と考えるようになりました。調べてみると、生きがいや幸福度と生存率は深く関係しているというデータがいくつも出てくるんですね。病気になったから幸せでないのではなく、 幸せじゃないから病気になる傾向にあるのです。心理的問題が、身体的問題に大きく影響していることを知り、ポジティブ心理学に関しても学び始めたんです。それから循環器専門医として診療する一方で、心と身体の関わりやポジティブヘルスにも着目してきました。Gallup社認定ストレングスコーチ、日本ポジティブ心理学協会認定レジリエンストレーナー、同ポジティブ心理学プラクティショナーの資格もとり、患者さんを心理的・身体的・社会的な包括的視点からサポートできればと考えました。
クリニック名のウェルビーイングという名前は、日本語にすると「幸福」という意味を持っています。患者さんの幸福のためには、身体的なことはもちろん、心理的なことや社会的な健全さも合わせて考えてあげなければいけないという思いを込めています。「個人の価値観を大切にし、よりウェルビーイングな状態を目指していこう」というのが当院からのメッセージですね。
1人1人に寄り添い、最高の体調を作ることを目的に
ウェルビーイングクリニックは、一般的なクリニックとは全く違う考え方で診療をおこなっています。コンセプトとして「最高の体調を作る」「一人一人のためにしっかりと時間をかけて、一緒に解決策を考えていくドクターになる」「正しい医療情報をもとに、長期的な観点で、コストと効果のバランスを考えて、最適な方法を選択していく」という3つを掲げました。
最高の体調を作るために身体の診断はもちろんのこと、日々の食生活、ストレスの状況、運動習慣など心と身体の状況を全体的に見た上で、運動のための時間づくりまで考慮し、アドバイスをしていきます。また、心と体のつながりも大切と考え、心身を豊かにする学問「ポジティブ心理学」の概念も積極的に取り入れています。
具体的には、まずお話をお聞きした上で検査による医療面のチェックをおこないます。それに加え、日々の行動や思考・感情・ストレスや環境と心臓血管系疾患の関係に着目した行動循環器学、そして先ほどのポジティブ心理学を加えた生活習慣指導を実施。また、最近はウェアラブルデバイスの進歩により、心拍数などいろいろなデータが一般の人でも手軽に分かるようになっています。 そうしたデータを正しく活かしていけるアドバイスもできればいいなと考えています。
リラックスし共有できる場を作ることを重視したクリニックづくり
診療には環境や空間も大事な要素の一つです。また、身体的心理的に良好な状態を保つためには、
やはり運動は必要不可欠です。ですから開院の際には場所や院内の空間にもこだわりました。以前からなじみがあり、公園や緑がそばにある駒沢を開院の場所に決めたのはこうした理由があるんです。
開院当初に描いたイメージは、リラックスできる場所で開放的な気分でご自分の心身の問題などを考えてもらうこと。医師と患者が良い関係を保ちつつ、対話をする中で共に解決していこうと考えました。街中にあるクリニックや大学病院では、混雑しているため待ち時間が長いわりに診療時間は短く、医師と患者のコミュニケーションを十分にとることができません 。それでは本当の良い医療ができないと考え、時間を十分にかけられるような環境、患者や医師がお互い言いたいことを言える心理的安全性を確保した空間を作ろうと考えたんです。
クリニック内は外からの光も十分に入るように設定して、開放感のある雰囲気を心がけました。壁には大型プロジェクターで検査結果などを投影できるようにしています。エントランス近くの部屋にはバランスボールを置いた部屋も準備して、運動可能なスペースも設けています。今後はソファなども置いて、患者さんとゆったりコミュニケーションを取れる、よりリラックスした空間にしていきたいですね。
これから受診される患者さんへ
遺伝的要素はあるものの、食事と運動、睡眠とストレスを管理し、是正すればあまり病気にはならないものです。しかし残念ながら、普通に日常生活を過ごしているだけでは病気になりやすいのが、今の社会です。患者さんからお話を聞くと、生活の中に心身の状態が悪化する原因が隠れていることも少なくないんです。そうしたことは慌ただしい外来の中ではなかなか聞き取れないことも多いため、そうしたヒントを聞き逃さないようお話をしっかりと傾聴していきます。患者さんの想いや希望、価値観、人生の生きがい、目標を把握した上で医療を提供していきたいですね。また、医師と患者さんの短いコミュニケーションの中で、薬が無駄に出ていることも非常に多いんです。 そうしたご相談にもお答えしていけたらと思います。
内科を受診しても特に異常が見つからない、持病を持っているけれど、どのような運動したらいいのかわからない。 薬を減らしていきたいなど、 どんな悩みでもご相談いただきたいですね。相談先がない、医療機関で話を聞いてもらえなかったという方も気軽に足を運んでください。患者さんの話をしっかりとお聞きして専門的な視点から体調を改善する方法を考えます。日常が今より幸福になるよう、皆さんが安心して相談できるような場でありたいと思います。
※上記記事は2018年10月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。
布施 淳 院長 MEMO
- 出身地:千葉県
- 趣味:健康情報の論文検索、ジョギング、筋トレ、ピラティス、救急処置の講習会参加、ピアノ演奏
- 好きな本:いのちを呼びさますもの —ひとのこころとからだ—
- 好きな言葉・座右の銘:死ぬこと以外かすり傷
- 好きな音楽:クラシック(特にショパンなどピアノ曲)
- 好きな場所: 温泉(秘湯系)
グラフで見る『布施 淳 院長』のタイプ
穏やかでやさしく話しやすい先生 |
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
穏やかでやさしく話しやすい先生 | ||||
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
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布施 淳 院長
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