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熱田 了 院長

RYO ATSUTA

自分に生じているにも関わらず自分ではわかりにくい自身の病気や体の状況、使用薬剤などを理解してもらう努力をしたい

順天堂大学医学部卒業後、同大学大学院修了、同大学院大学医学部 呼吸器内科学教室入局、臨床講師、准教授、先任准教授などをつとめ、現在も非常勤講師。その他国立相模原病院 呼吸器アレルギー科、公立昭和病院呼吸内科などにも勤務。2001年、University of British Columbia St. Paul's Hospital留学。2018年4月、秋葉原に「秋葉原あつたアレルギー呼吸器内科クリニック」を開院。

熱田 了 院長

熱田 了 院長

秋葉原 あつたアレルギー呼吸器内科クリニック

千代田区/神田岩本町/秋葉原駅

  • ●呼吸器内科
  • ●アレルギー科
  • ●内科

地元はもちろん、地方からの来院も見据えて便利のよい秋葉原に開業

熱田 了 院長

アレルギー、呼吸器、そして内科を標榜するクリニックとして2018年4月に開業したばかりのクリニックです。メインはアレルギー疾患ですね。喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの呼吸器疾患も専門にし、そしてアレルギー疾患や咳の症状などは全身の病気に関わることが多いので内科も…という順番です。順天堂大学病院や国立相模原病院で長年、アレルギーによる喘息疾患などを診てきまして、その経験を町のクリニックで活かしたいとの気持ちから、個人で開業しました。
秋葉原は、接続している電車が多いですし、神田駅、岩本町駅などの駅にも近い。東京や上野などのターミナル駅からも着やすく、地方の患者さんにも便利がいいと考えてのことです。当院は地元の患者さん、前の病院からの患者さんのほか、インターネットでアレルギーや呼吸器の専門医を探して来られる方も多いですね。
待合も処置室もかなり広いでしょう。実は広すぎるかな?とも思ったのですが、いずれ呼吸器リハビリなどもやりたいと考えているので、まあよいかな、と。待合は某コーヒーチェーン店のように、窓に向かったカウンターに椅子を並べ、電源も備えました。他の人と視線が合いにくいですし、なにかと便利に使ってもらえるのではないかと考えています。当然、普通の椅子席もありますよ。照明なども温かい色合いのダウンライトで、それこそカフェのような、病院らしくない雰囲気に仕上がって満足しています。

大学病院と同等の検査機器で、かつてから憧れていた父と同じ町の医院での診療を

熱田 了 院長

大学病院勤務から個人のクリニック勤務になったことは大きな変化と言えば言えるのですが、でも実際、私の診ているアレルギーや呼吸疾患などの多くは入院ではなく外来の患者さんがほとんどなので、ある意味、診療スタイルは同じです。
そもそも医師になろうと思ったのは、三重で開業医をしている父を見ていたから。小児アレルギーを専門にして日々働いている姿を見て、自分もこうなりたいなと思い続けてきました。自分にとって医師といえば父の姿であり、町のクリニックのドクター。今思うと、その姿を念頭において大学病院の外来でも患者さんと接してきたのでしょうね。だから今、ようやく思い描いていた姿になれたわけですが、以前との差はそれほど感じていないのです。大学病院で使っていた機材もほとんど同じで、呼吸機能検査機器、3D呼吸抵抗検査、呼気NO、呼気COなど、必要なものはほとんど揃えました。むしろ新しいものを入れたので以前より便利になったくらいです。

自己判断で薬を避けていると、知らないうちに臓器を弱らせてしまうことも

熱田 了 院長

昔…1990年前半、当時私の勤務していた、アレルギー治療で有名な国立相模原病院の夜中の救急外来は、喘息の発作を起こして点滴を受ける患者さんで溢れていました。それが90年度中盤頃になると、ステロイドの吸入薬が広く使用される様になって、状況が様変わりました。この薬を定期的にプシュッと吸入するだけで、発作が出なくなる。夜中に担ぎ込まれてくる患者さんが激減しました。喘息持ちの患者さんは、普通に日常生活を送ることができるようになった。あれは衝撃的でしたね。薬というものでこんなによくなるんだ、医療はこんなに劇的に状況を改善することができるんだ、と。今、全国に喘息患者は800〜1000万人いるのですが、このうち90%はちゃんと薬を使えば喘息症状から解放され、きちんとコントロールできるとされています。呼吸の存在さえ感じず…喘息患者というのは、つねにヒューヒューと呼吸を感じ、それがいつ発作になるかと怯えて暮らしていますから…過ごすことも可能なんです。
ですが、「ステロイド」という薬剤に対しての抵抗も根強くあって、この誤解をいかにとくか、が大事な仕事になってきます。正しく使えばつらい症状がさっと消え、副作用を避けることができること、全身に効かせるための内服薬に比べて気道だけピンポイントに効けばいいので吸入量はごくわずかな量ですむことなどを、医師は患者さんが納得するまできちんと話さなくてはいけない。
例えば、普通の人でも、肺が1秒間に吐き出す事が出来る空気の量は年々20㏄ずつ減っていきます。慢性喘息の人でも、薬で全く発作が出ないようにすれば、これとほぼ同じレベルに保つことができる。でも、年に一、二度発作が起きるだけで、肺は深刻なダメージをうけます。発作が収まった後も炎症が継続して、回復していないのです。それにより、健康な人よりも何倍も息を吐き出す量が減ってしまう。年に数回だからまあいいか、薬使いたくないし、と放置することで、自覚でしないまま肺を老化させてしまう。たとえほとんど日常生活に支障なくとも、きちんと薬を使って発作を完全に起こさせないようにすべきなのです。こんなことは、説明を受けないとわからないことですよね。だから当院では、なによりも説明と理解を重視するのです。

状況を認識しづらい慢性疾患患者から、どう正しく聞き出すか、が鍵

この薬への正しい知識を持っていただくことと同時に、当院では、病気の状態とご自身の状態についてもきちんとした理解していただくこと、この3つが治療の上で一番大事なことだと考えています。これはアレルギーや呼吸器の疾患の多くが慢性病であることと関係があります。例えば、患者さんに単純に「どうですか?」と聞くと、「だいぶよくなりました」と答えます。で「それはよかった」と思ってしまう。だけど具体的で細かい内容を尋ねていくとそれが間違いであることがわかってきます。ある問診票を例に挙げると、喘息が完全にコントロールできた状態を25点満点とすると、先ほどの患者さんだと医師は25点近いと考えがちですが、実は8~9点しかとれてないなんてこともあるのです。「だいぶよくなりました」なんて言っていても、全然治ってないじゃないか!なんてことが起こる。つまり患者さんは“前よりよくなった”と実感しているけれど、それは実際コントロールできている状態には程遠い状態であったりするわけですね。慢性の病気というのは、痛みに慣れてしまうものなのです。なので、どうしても患者さんの実感と実際の状態が乖離しがちで、だからこそ病気のこと、自分の状態のことを正しく理解する、ということがとても大事なのですね。だって治ったと勝手に思っていたら使わなければいけない薬をやめてしまったり、無理をして再発したり…ということが起こるでしょう。さらに本当はもっと良い状態になれるのに、まあ、こんなもんかなと諦めてしまったり…それはもったいない事です。
そしてきちんとお話して納得してもらうことも大事ですが、医師の聞き方というのも問題になります。いつ聞いても「具合ですか? いいですよ」なんて答えてくれるものですから「そうか」と安心してたら実際違ってた、なんて…もう医師として恥ずかしいですよね(笑)。いかに正確な状態や本音を聞き出すかを強く意識しています。「変わりないですか?」「変わりないです」じゃだめなんですよ。

これから受診される患者さんへ

よく言うのは、病気というのはネガティブ・セレクションだということ。病気が悪化するのもいや、薬も嫌、どっちも嫌。気持ちは大変わかるのですが、でもどっちかを選ばなきゃいけないという状況ですね。このまま苦しいのは嫌。でも薬も飲みたくない。そうなると、どっちを選んだらどんなことが起こるのか、メリットデメリットはなんなのかを正確に知る必要がある。それを十分理解したうえで、じゃあ、と選んでもらう。理解したうえでの選択なら、それが医師と違う答えだったとしても止める権利はありません。それはもう生き方の問題ですから。でもよくわからないまま、偏った知識やイメージだけで判断するのは間違いですから、それを避けるのは医師のつとめだと思います。
患者さんにお伝えしたいのは、病気というのはなかなか自分では気づかないものだということです。ごくごく軽症の症状でも、年に一度出るものなら、きちんと病院で調べて治療してほしい。でないと気づかぬうちに身体にダメージを与えている可能性がありますから。自分の身体は、自分ではなかなかわからないものなんだ、と認識してほしいですね。


※上記記事は2018年4月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

熱田 了 院長 MEMO

アレルギー専門医

  • 出身地:三重県
  • 趣味:旅行。温泉とか好きです。国内外どこでも、一箇所に長く滞在するのが好きです。
  • 行きたい場所:知床
  • 映画:子供と観るジブリ映画
  • 好きな音楽:オールジャンル。クラシックからポップスまで。
  • 好きな言葉:初志貫徹

グラフで見る『熱田 了 院長』のタイプ

どちらかというと
エネルギッシュで明るく話しやすい先生

穏やかでやさしく
話しやすい
エネルギッシュで
明るく話しやすい

先生を取材したスタッフまたはライターの回答より

どちらかというと
エネルギッシュで明るく話しやすい先生
穏やかでやさしく
話しやすい
エネルギッシュで
明るく話しやすい

先生を取材したスタッフまたはライターの回答より

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