岩谷 泰志 院長
YASUSHI IWATANI
画像や数値で確認できないこころの病。その背景をひとつひとつ解きほぐしていきましょう。
大学卒業後、京都大学の麻酔科に進み、さらに精神医学の道へ。東京慈恵会医科大学に籍を置いた後、関係各所の病院に勤務し、2003年いわたにクリニックを開業。2022年6月、ペディ汐留こころとからだのクリニックの院長に就任。
岩谷 泰志 院長
ペディ汐留こころとからだのクリニック
港区/東新橋/汐留駅
- ●精神科
- ●心療内科
「みんな、何を考えて生きてるんだろう?」素朴な疑問から精神医学の門をくぐる。
小学校2年生の時に、周りの子供達がなぜ強がった発言ばかりで本音とか悩みを語らないのかと、残念に思った事がありました。
それ以来、人の本音や、普通は他人に見せない気持ちを知りたいという思いが自分の中の大きなテーマとなっていったのだと思います。
しかし、医学部に入るとほとんどは身体的な問題を扱い、勉強することになるので、こういったメンタル的な事を仕事にするという発想はなくなっていました。
大学を卒業後、京都大学の麻酔科に進みました。実は、私にはその先の展望がまだなかったのです。麻酔科を選んだのは、「医者として救急の人を助けられなければ恥ずかしいだろう」という思いからでした。
一方で、「みんな、何を考えて生きているんだろう?」という素朴な疑問も、私の中にはずっとありました。自分は何をどう捉え、自分以外の人はどんな悩みを抱えているのか。より深いところでそれを理解したいと思っていたのです。「好きこそ物の上手なれ」という言葉がありますが、医者も専門職である以上、興味がないことには良い診療も出来ない。ずっと気にかけていることがあるのなら、それを仕事にすべきだと考え、精神医学の門をくぐることになったのです。
東京慈恵会医科大学に籍を置いた後、関係各所の病院に勤務し、2003年、港区に心療内科 ・神経内科『いわたにクリニック』を開院し、多くの患者様と向きあってきました。その経験を生かして今度は『ペディ汐留こころとからだのクリニック』の院長として、一人でも多くの患者様のこころに寄り添っていければと強く思っています。
「うつ病」と一括りにできない。原因も様々なら治療方針も多種多様。
診断名となると、うつ病性障害の方が圧倒的に多いと言えます。そもそも、うつとは症候群、つまり、意欲がない、眠れない、といった特徴的な症状をとらえ、それをもって「うつ病」と判断しているということです。
一般に疾患とは、原因もある程度わかっており、その経過も、治療の方法も定型というものがあるのですが、これに対し症候群と呼ばれるものは、原因も様々であり、よって治療方針も多種多様となります。たとえば同じ出来事に見舞われたとして、うつになる人もいれば、そうならない人もいる。そこには元々持っている性格や、培われてきた生活により左右されるのです。うつ症状が認められるからといって全てがうつ病というわけではありませんし、一律ではなく、背景を1つひとつ見て治療を考えていく必要があります。
現在、日本人のうつ病の生涯有病率は20%と言われています。私はこれまで20数年を臨床に費やしてきていますが、なるべくして具合が悪くなり、なるべくしてうつ病になってしまう場合が多いことに気づかされます。その要因の1つは、成長プロセスの中でいわゆる発達課題をクリアしきれてない方が少なくない、ということです。
では、その方がうつ病にならなくて済むにはどうすればよいのか。私は企業の産業医でもあるので、会社の枠組みの中で、予防のためのプログラムを実施していけたらと考えています。クリニックの治療とは別物として、今現在の私の大きなテーマですね。実現するには到底私1人でどうにかなることでもなく、今後、同じ考えを共有出来る人達を募り、現実のものとしていければと考えています。
生い立ちから見つめ直し、共に病気を乗り越える。
「治す」というより、「どう乗り越えるか」といったほうが適当でしょう。無論、その手段はその人その人に合わせたものでなければなりません。多くの場合、まず物事を整理することから始めていきます。自分とはどういう人間なのか。どういう生い立ちがあり、今何に直面しているのか。そうしたことを客観的に把握していくことでボタンの掛け違いに気づいてもらい、こころの葛藤を起こさぬように、また、その葛藤を少なく出来るように導いていくのです。
ここで大事なことは、最終的に病気を快癒させえるのは、患者さんご自身だということです。私たちは回復に至る道程を案内し、サポートしていく役割だと心得ています。
お薬は便利な道具と割り切って。
良くなっていくことを妨げている要因を抑える、という意味ではお薬の役割は重要です。しかし、お薬それ自体がうつ病等を回復させるものではないこともご理解いただきたいですね。たとえば、体内のセロトニンという物質を増やす効果のある、代表的な抗うつ薬があります。服用すれば症状が出にくくなることは確かですが、それだけで病気が治ることはありません。つまり、薬は道具に過ぎないということなのです。
「私は薬に頼りたくありません」と仰る方がいらっしゃいますが、便利な道具と考えれば「頼る、頼らない」とこだわるべきではない、ということをご理解いただけるでしょう。京都へ行くのに新幹線を使わない、という人はいませんよね。我々医師という存在も含め、かしこくサポート役を利用していくことをお考えいただければと思います。
これから受診される患者さんへ
こころの病は身体的な疾患と異なり、画像や数値によって確認出来るものではありません。そのため、心配になることも多いと思われます。その心配事が、治療が必要な病的なものなのか、そこまでのものではないのかを判断するために我々がいます。セカンドオピニオンでも構いませんし、どんな些細に思えるようなものでも結構です。悩み事がおありなら、どうぞお気軽にいらしてお話いただければと思います。
岩谷 泰志 院長 MEMO
精神科専門医
- 出身地:石川県
- 趣味:ショッピング、音楽鑑賞
- 好きな本・作家:レイモンド・チャンドラー、平井和正
- 好きな映画:ハンフリー・ボガート出演作品、ニューヨーク1997
- 好きな言葉:自分の哲学を持つこと
- 好きな音楽やアーティスト:UKロック、ゲイリー・ニューマン、キム・ワイルド
- 好きな場所:クルマの中
グラフで見る『岩谷 泰志 院長』のタイプ
どちらかというと 穏やかで明るく話しやすい先生 |
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
どちらかというと 穏やかで明るく話しやすい先生 |
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穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
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