井上 留美子 院長
RUMIKO INOUE
“ママ目線”の診療とおしゃべりが評判の
人と人とのつながりを大切にする整形外科医
聖マリアンナ医科大学を卒業後、同大学病院の整形外科に入局。横浜の附属病院や関連病院でも診療に従事するほか、週に1度は実家の「松浦整形外科」でも診療を手伝う。2002年に南阿佐ヶ谷駅より徒歩7分の「松浦整形外科」の院長に就任。
井上 留美子 院長
松浦整形外科
杉並区/成田東/南阿佐ケ谷駅
- ●整形外科
- ●循環器内科
学生時代に他界した整形外科医のお父さんの意思を受け継ぎ院長になることを決意
もともとは語学や映画に興味があったので、医学の道に進むつもりは無かったのですが、「そっちの分野に進むと医者にはなれないけど、医者になってからでもそっちはできるよ」と父にのせられて、つい「そっか」と納得してしまい、医学部に進学しました。
まだその頃は、父の医院を継ぎたいとか整形外科医になるつもりは無く、脳に興味があったので脳外科医になろうかなと考えていたのですが、私が学生のうちに父が他界してしまったこともあり、お世話になった先生方のいる整形外科に入局することになりました。
いろいろ悩みながら大学病院で診療に明け暮れ、医師3年目あたりから週に1度は実家「松浦整形外科」で診療を手伝うようになりました。長男が生まれたのをきっかけに、2002年に大学を辞めて、この医院の院長になることを決意しましが、「本当は受け継ぎたくなかったし、夢だった留学もしたかった」というのが当時の素直な気持ちでした。
父の診療スタイルから学ぶことができなかったのは大変残念ですが、生前父が語っていた「来院してくださった患者さんの痛みをとって帰っていただく治療」を目指して日々診療を行ってきました。
産後の経験を生かして発案した独自の運動療法「整形外科ヨガ」
父が開業した「松浦整形外科」は1978年の開業より38年目を迎える地域に根ざした医院で、患者さんのなかには3世代にわたって来院されている方もいらっしゃいます。また住宅地にあるため、患者さんの年齢層も幅広く、赤ちゃんからおじいちゃんおばあちゃんまで、来院されるきっかけや訴えもさまざまです。整形外科的な治療だけでは解決困難な訴えに対しても積極的に診療しています。
私の専門は「手の外科」と「スポーツ整形外科」ですが、最近は運動療法の一環として始めた「整形外科ヨガ」をきっかけに来院される患者さんも多くなりました。
「整形外科ヨガ」とは、ふたり目の子どもを産んだ後、産後の身体の痛みやストレスを改善するためにはじめたヨガをきっかけに発案した独自のメソッドで、ヨガの先生と2人3脚で約2年間の準備期間を経て2016年4月にはじめたばかりの院内ヨガ教室です。
ヨガは、医師という立場からするとやや敬遠しがちな分野ではあるのですが、産後の身体のしびれがとれたり、加齢とともに衰えるはずの体力が“進化”していくように感じられたりと、医学的な視点からも優れている部分があり「ヨガって無理なく鍛えられるな」って気がついたのがはじまりです。
現在は週に一回、金曜日のお昼休みに医院のスペースを利用して開催しています。60代の方から最高齢は86歳の方までご参加いただき、楽しく運動ができる地域の居場所づくりにも役立っているようです。高齢者の方にとっては特に“筋トレ”が大事なんですが、なかなか一人では始められない。今後はより多くの高齢者の皆さんの健康に役立てるようにヨガ関連の取材や啓蒙活動を通じ広めていければよいと思っています。
検査と機械に時間とお金を使うよりも、じっくり話を聞いた方が「情報量」が多い
外来で診察していると「薬での治療が最善の方法ではない」と感じることがよくあります。また病院で最新の機器を用いて、お金と時間をかけて行なう検査よりも、長いお付き合いで患者さんをよく知り、じっくりとお話を聞いて痛みの原因を探る方が「情報量」が場合もあるかなとなとも感じています。
もちろん「心配だからレントゲンを撮って欲しい」というご希望の方もいらっしゃいますが、整形外科医としての知識と経験をベースに患者さんのちょっとした変化にもも気づいてあげられる視点が、検査機器に頼り過ぎない、「話をするのが一番」という現在の診療スタイルにつながったかなと思います。だって、話を聞いてくれない医者って嫌じゃないですか?(笑)
自分では内科の気質では無いと思い、外科系の道を選んだのですが、医師のほうから根掘り葉掘り聞き出すおしゃべりな私の姿を見て、患者さんから「いつも楽しそうね」って言われることもあるんですけど、男性医師が多い外科分野において女医である私がいることの意味を考えながら診療を行うようにしています。
家庭も仕事も子育ても経験したからこそ気づく“ママ目線”の治療&運動サポート
医師として20年目を迎えましたが、結婚して2人の子育てを経験し、仕事と家庭を両立してきた女性医師だからこそできる取り組みのひとつに、“ママ目線”の診療と子どもの運動サポートというのがあります。たとえば同じギプスを巻くにしても母親にとっては楽に管理できるほうが助かるわけで、“ママ目線”の処置の方法は男性医師にはなかなか気がつけない部分かなとも思います。
又、わが息子たちもバスケと水球にそれぞれ取り組んでいるのですが、自分の身体を自分で管理できるような自覚を持つまでには至らず、いつもケガだらけなんです。そこで、「筋肉が活発に動くためにも体温を上げるアップが大事だよ」とか「ケガをしないようにストレッチするのが大事だよ」などと子どもに伝えるとともに、母親にも指導するようにしています。
子供がもっとも身近な母親が、必要なケアを理解して、家庭でそれを実践できるようになれば、万が一ケガをしてしまったときでも、自宅で対応できるようになります。
理想は「母親が子どもの専属トレーナーになれたら良い」という思いで、スポーツをする子どもたちの診療や指導を積極的に行っておりますので、お子さんと一緒にお母さんたちも気軽に相談に来てください。
これから受診される患者さんへ
2015年の1月から水曜日の午後に内科の診察を行っているのですが、循環器内科を専門とする夫が私の診療をサポートするためにはじめてくれました。整形外科を訪れる患者さんの訴えに多い「足のむくみ」は、足の血流や心臓病とも深い関わりがあり、整形外科と循環器内科のコラボレーションでより良い診療ができると考えています。
主人の診療も「話をじっくり聞いてくれる」と評判で、大きな病院では医者が忙しそうにしているためなかなか聞けないような話も気兼ねなくお話しできます。
また内科を受診に訪れた患者さんが「せっかく来たからちょっと腰を温めて帰ろう」とか、「そういえば膝も痛かったんだよ」と悩みを聞き出すきっかけにもなり、良い連携がとれています。
専門の整形外科分野ではもちろん、それ以外でも入院や手術を必要とする患者さんを他院に紹介するときには、自分が信頼している先生にお願いしています。紹介先を丁寧に選ぶのも私なりのこだわりです。
大学病院や大きな病院だから全てが良いということはなく、医師同士も長いお付き合いの中でおたがいの治療方針や考え方を理解しあえている関係だからこそ安心して患者さんの紹介できると思いますので、はじめて来院される方に対しては、専門外のことでも良いから「悩んでいるなら、まずは来て!」と伝えたいですね。身近なホームドクターとして何でもご相談いただけると嬉しいです。
※上記記事は2016年10月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。
井上 留美子 院長 MEMO
整形外科専門医
- 出身地:東京都
- 趣味:笑うこと、yoga
- 好きな本:『自分の小さな「箱」から脱出する方法』
- 好きな映画:海外ドラマ全般
- 好きな言葉・座右の銘:他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる。
- 好きな音楽:邦楽
- 好きな場所:わが家
グラフで見る『井上 留美子 院長』のタイプ
穏やかで明るく話しやすい先生 |
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
穏やかで明るく話しやすい先生 | ||||
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
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