寺本 民生 院長
TAMIO TERAMOTO
生活習慣の改善にむかい
内科と歯科が連携して事に当たっていく
寺本 民生 院長
寺本内科歯科クリニック
文京区/本郷/本郷三丁目駅
- ●内科
- ●糖尿病内科
- ●代謝内科
いささか風変わりな子どもだったと言えるかもしれません
開業医であった父には失礼なのですけども、私はもともと、農学部に進みたいと考えていました。小学生の時からだったでしょうか。京都にある種苗会から苗や種を通信販売で求め、自宅で育てていたのです。まあ、いささか風変わりな子どもだったと言えるかもしれませんね(笑)。
高校生となり、三者面談の席でもそのことを伝えました。ところがですね、家に帰ると母にこっぴどくしかられたのです。「一体何を考えてるの!」とね(苦笑)。なにしろ当時のことですから、母からすれば、農学部に進んだところで食べていけるのかどうか、疑問だったんでしょうね。
今振り返ってみて、医学を選択したことを誤ったとは思っていません。むしろ、自分の性格に合ってると思っていますし、だからこそこれまで続けられてこられたとも考えています。その意味では、母に感謝しなければいけないところですね。
医師となってからは、初めに消化器内科、次に肝臓の研究、そして今現在の仕事である動脈硬化と、段々とその対象は変化していきました。これは若い研究者に向けてよく言うことなのですが、最初からあまり道を決めつけないほうが宜しいんじゃないかと思いますね。もちろん、ノーベル賞をとるような人達は違うかもしれません。しかし、時に流れにしたがうことも、1つの考え方のように思うのです。
私もね、一時、夢を見た事があるんですよ。あるタンパクを見つけて、「これをずっとやっていけば、世界のトップになれる」と考えた。仮にその研究が上手くいっていれば、もしかしたら私はずっと研究の世界にいたかもしれない。でもね、本質的なことを言えば、私は研究よりも患者さんを診ることのほうが好きなんです。だからまあ、定年を迎えても、場所を替え、新しいことをしようとしてるわけです(笑)。
当クリニックでは、「LSM(ライフ・スタイル・モディフィケーション)」という理念を掲げています
内科 ・糖尿病・代謝内科の『寺本内科歯科クリニック』は、2013年に開院致しました。それより1年早く、私の息子(寺本 浩平 歯科院長)が東京メトロ丸ノ内線、都営地下鉄大江戸線の本郷三丁目駅から徒歩5分の場所にある、この建物の上の階で開業を迎えていた、ということになります。息子とは、もうずいぶん前から一緒に開業をしようと語っていたのです。
当クリニックでは、「LSM(ライフ・スタイル・モディフィケーション)」という理念を掲げています。「LSM」とは、生活習慣の改善という意味。この目標に向かい、内科と歯科が連携して事に当たっていくというアプローチをおこなっているのです。
たとえば、糖尿病の患者さんに歯周病を患ってる方が多いことはよく知られてきていますし、その逆もまたしかりです。治療においても、一方を治療すれば、糖尿病、ないしは歯周病もまた改善していくということがわかってきています。クリニックでは、そうした全身疾患と歯科疾患の関係性をもっと詳細に診ていくということをテーマとして、本年度(2015年)より「パス」を作って診療をおこなうこととしています。
「パス」とはそもそも戦時用語の1つです。「こういうことが起これば、必ずそうする」といった一種のマニュアルになります。心臓カテーテルを例にしましょう。患者さんが入院されれば、まず最初に、これこれこういう検査をおこない、術後には、「何時間止血をおこなう」「抗生物質はこれを用いる」と、あらかじめ何をおこなうかが決めてあるわけです。工程を単純化することでミスが無くなり、効率の良い治療がおこなえるようになる。途中で変化が起こらない限り、パスに則っておこなえば間違いはないということなのです。
現状、内科と歯科の連携に関して、まだまだ難しい部分はありますが、パスを用いることで患者さんにどれだけのメリットがあるかを明らかにすることで、のちのちの指針となるようなものにしていければと考えています。
より包括的に病気の根本原因を診断していきたい
尿や血液の数値から機械的に診断をおこなうのではなく、より包括的に病気の根本原因を診断していきたいと考えています。LDL(悪玉コレステロール)という言葉を耳にされたことはおありでしょう。この数値が140を越えると、一般的に異常と判断されます。しかし、140を越えたからといって、ただちに治療が必要かといえば、必ずしもそうではないのです。糖尿病や高血圧といった他のファクターがあればそういう話になりますが、他に何もない人が145という数値を示したとしても、それは問題がないということなのですね。
数値だけを見て、正常かそうでないかを判断することに意味はありません。大事なことは、その人の状況に合わせて判断すること。食べ物についてアドバイスするときも同様です。一律に「果物は良い」「生野菜が良い」というだけは充分ではない。あなたにとってどうなのか。その観点から、おひとりおひとりの状況に合わせ、診ていく必要があると考えています。
患者さんの心をほぐしていくこと。それもまた、医療の大事な側面
包括的な病気の根本原因を見出していくには、その方のバックグラウンドを知らなければなりません。それを可能にするのが患者さんとのコミュニケーション、ということになってきます。つまりは、話をよく聞くということ。患者さんの訴えのすべてをしっかりと受け止めてあげることが重要なのです。
お話をうかがってると、当然、今の治療と直接関係なさそうなことを耳にすることになりますが、それを無下にするというのは感心しません。話すことそのものが、その方を癒す場合がある。また、何気ない会話の中から、今の状態をうかがうヒントが見つかることもあります。患者さんの心をほぐしていくこと。それもまた、医療の大事な側面かと思っています。
これから受診される患者さんへ
お医者さんに掛かるときは、自分の今の状態を知る、ということを意識なさってみてください。コレステロールの数値が上がったとしましょうか。ではなぜ数値が上がってしまったのか、その原因を患者さんご自身が把握しておくことが大切なのです。原因がわかってさえいれば、努力することは難しくありません。その努力の結果を確認するために診察を受けることは、賢い利用の仕方だと思うのです。
私は患者さんによく、「自分で自分の身体を実験してみなさい」と話し掛けています。漫然と診察を受け続けるだけでは、もったいない。自分の状態を把握するために、上手に医療機関をご利用なさってみてください。
※上記記事は2015.1に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。
寺本 民生 院長 MEMO
消化器病専門医
- 出身地:東京都
- 趣味・特技:スキー、スキューバダイビング、ゴルフ、読書
- 好きな本:銃・病原菌・鉄、海賊とよばれた男
- 好きな映画:O・ヘップバーン主演作品、猿の惑星
- 好きな言葉:思いやり
- 好きな音楽:クラシック
- 好きなファッション:Dunhill、Herno
グラフで見る『寺本 民生 院長』のタイプ
どちらかというと エネルギッシュで明るく話しやすい先生 |
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
どちらかというと エネルギッシュで明るく話しやすい先生 |
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穏やかでやさしく 話しやすい |
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