LTハートクリニック
北林 和夫 院長の独自取材記事
地域の中で、心に寄り添う医療を。
北林 和夫 院長キタバヤシ カズオ
国立信州大学医学部 卒業。東京大学医学部付属病院 精神科を経て、立川相互病院 小児科入局。国立精神・神経医療研究センター 小児神経科、陽和病院 精神科、秋元病院 精神科、ゆうメンタルクリニック勤務を経て、2025年に『LTハートクリニック』院長に就任。(JR常磐線「三河島駅」より徒歩2分、・JR山手線「日暮里駅」より徒歩12分)。
人と心に向き合う医療を志して
もともと、生物学そのものに強い興味を持っていました。生命とは何か、その仕組みを解き明かしたいという思いが医療の道を志した原点です。医学部へ進んだのも、医師を志したからというより、生命科学の世界を深めたいという気持ちが大きかったように思います。実際、当初はウイルス学や寄生虫学の研究者を目指し、大学でも研究室の教授から多大な影響を受けました。しかし、進路を考える中で、臨床を経験しておくことは将来に必ず役立つと感じ、小児科に進むことを決めたのです。
小児科では、医療の現場そのものに触れながら、子どもたちの全身を診るという姿勢の大切さを学びました。そして臨床の経験を深める中で、心の問題に悩む子どもたちの存在にも気づき、精神面に目を向ける必要性を感じるようになりました。その後、児童の発達や心を扱う領域にも携わるようになり、小児と精神、両方の視点からアプローチすることにやりがいを覚えるようになったのです。また、さらに学びを深めたいとの思いから、脳神経分野にも足を踏み入れました。筋ジストロフィーや脳の障害など、身体面の理解なくして本当の意味で心を診ることはできないと感じたからです。こうした経験を積み重ねるうちに、精神・身体・発達という複数の視点を併せ持つ私の診療スタイルが形づくられていきました。
やがて、地域のクリニックで働く機会を得たことをきっかけに、より日常に近い場所で患者さんに関わる良さを感じるようになりました。これはまったくの偶然ですけども、『LTハートクリニック』の新しい取り組みを知り、「ここでならこれまでの経験を活かしながら、地域に根ざした医療を届けられる」と感じ、開院に携わることを決意しました。今はこの場所で、日々多様な患者さんと向き合いながら、医師としての歩みを続けています。
その人らしさを尊重しながら寄り添っていく
小さなお子さんからご高齢の方まで、幅広い年齢層の患者さんが来院されています。お子さんの場合は、発達の遅れや集団行動への不安、学校生活に関する悩みなどが中心です。言葉が出ない、集団に入れない、登校しづらいなど、ご家族が抱える心配ごとに丁寧に耳を傾けながら、発達段階に応じた支援を行っています。
成人の方については、仕事や家庭での悩みが多く見られます。職場での人間関係や責任の重さ、気力の低下や不眠といった症状を抱え、「少し休みたい」「働き方を見直したい」と相談に来られる方が少なくありません。年代としては20代から50代・60代まで幅広く、それぞれの生活背景に寄り添う必要があります。
ご高齢の方は認知症関連の相談が中心です。ご本人だけでなく、ご家族からの相談も多く、日常生活での変化や困りごとについて、できるだけ不安を軽くできるようサポートしています。
患者さんの年齢や背景によって悩みの種類は異なりますが、どの世代にも共通しているのは、「今の生き方を少しでも楽にしたい」という思いです。その気持ちに寄り添いながら診療にあたることを心がけています。
小児・精神領域で培ってきた経験を生かして
診療では、できるだけ“全体として診る”ことを心がけています。小児科を学んだ際、「子どもは全身を診ることが大切」と教えられました。頭から足の先まで一つの身体として捉える姿勢は、その後どの領域に進んでも大事にしてきた考え方です。
精神科では、患者さんの人生の流れを「ストーリー」として受けとめます。今の状態だけを見るのではなく、その方がどんな背景や歴史を持ち、今現在どの段階にあり、これからどのように歩んでいくのか。その全体像を長い目で捉えることが、治療の第一歩と感じています。
もちろん薬が必要な時期はありますが、最近は「人薬(じんやく)」という考え方が重要視されてきています。「人薬」とは、人との関わりそのものが心を支える力になる、という意味です。医師としての言葉や態度、診察での関わりもその一部であり、患者さんに安心を届ける存在でありたいと考えています。
限られた時間の中でも、患者さんの歩みに寄り添い、今どこにいて、どこへ向かおうとしているのかを一緒に見つめていく。そんな診療を大切にしています。
支え合うつながりをこの地域でも
ここで取り組んでいきたいと思っていることの一つに、「支え合いの場づくり」があります。精神科医療では、病気だけを治すのではなく、互いの思いを共有し、助け合いながら歩んでいくための環境づくりも欠かせません。私は小児科・精神科に携わるなかで、自助グループの大切さを強く感じるようになり、断酒会に関わったり、薬物依存症の方が集まる会に支援者として参加したりと、当事者同士が語り合う場を支える活動を行ってきました。
また、不登校のお子さんたちが集まれる「親の会」や、自由に過ごせるフリースペースづくりにも携わり、そこから多くの可能性を感じています。病気として扱うのではなく、その子の世界を尊重し、同じ立場の仲間とつながりながら回復していく。そうした場は、思いのほか大きな力を発揮します。
将来的には、この地域でも同じようなつながりを少しずつ育てていけたらと考えています。発達特性を持つ方が互いに交流できるサークルのような場も良いかもしれません。今すぐに大きなことはできませんが、状況が整っていくなかで、自然な形で輪が広がっていけばいい。そんな思いで、毎日の診療に向き合っています。
これから受診される患者さんへ
“今日1日を精一杯生きる”。これは私自身の標語でもあり、患者さんにお伝えしたい思いでもあります。過去にとらわれすぎず、また未来を必要以上に心配することもせず、まずは目の前の一日を大切にしていく。精神科の診療は、ともすれば悩みを抱える時間が長くなりがちですが、小さな一歩を積み重ねていくことで、人は必ず前に進むことができます。
まだ受診の一歩を踏み出せず悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。無理に動き出す必要はありませんし、閉じこもっている時期があっても良いと思っています。カタツムリのように無理に引っ張り出そうとすると、かえって殻に閉じこもってしまいます。大事なのは、「こんな場所もある」という情報にそっと触れ、興味がわいたら一度立ち寄ってみるという、そんな自然な流れです。
『LTハートクリニック』は、喫茶店に入るような感覚で来ていただければと思っています。絵本を眺めるだけでも、絵を見て少し和むだけでも構いません。今日できることを、今日のペースで。皆さんが安心して過ごせる場として、この場所がお役に立てれば幸いです。
※上記記事は2025年11月に取材したものです。時間の経過による変化があることをご了承ください。
北林 和夫 院長MEMO
- 出身地:
- 長野県
- 出身大学:
- 国立信州大学
- 趣味:
- 散歩、音楽鑑賞
- 好きなこと:
- 「公園の風景を眺めること」
- 好きな言葉:
- 「明日は明日の風が吹く」
心臓の不安に寄り添い、検査から治療まで一貫して支える循環器の専門クリニック
LTハートクリニックは桜新町駅から徒歩3分。動悸や息切れ、胸の違和感など心臓や血管の症状を中心に、生活習慣病の管理まで幅広く対応しています。院長先生は、一人ひとりの話に丁寧に耳を傾け、不安を安心へと導く診療を大切にしています。落ち着いた雰囲気の院内には各種検査機器を備え、安心して相談できる環境が整えられています。
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