佐伯 良重 院長
YOSHIE SAEKI
オーナー様と命を預けてくれる子達のために。
アップデートを繰り返し、日々の診療に還元。
日本獣医畜産大学獣医学部を卒業。1990年に『佐伯獣医科病院』を開院(西武池袋線「保谷駅」より徒歩10分)。現在にいたる。
佐伯 良重 院長
佐伯獣医科病院
練馬区/南大泉/保谷駅
- ●犬
- ●猫
あの時代に小さい頃からの夢を叶えられたことの幸せ
小学校の卒業文集に将来の夢として獣医師と書いたぐらい、小さな頃から動物が好きで、漠然と動物園の獣医師になりたいと思い、獣医学部へ進学しました。当時、女性の獣医師は全体の1割しかおらず、小動物臨床獣医師として開業する女性はさらに限られていました。その中で、動物が大好きという子供の夢をそのままかなえられたことは、非常に恵まれたことだったと思っています。
私が獣医大学を卒業した当時、小動物臨床のレベルはアメリカとの間に雲泥の差があり、最新の知識を学び追いつこうと、日本中の獣医師が切磋琢磨していた時代でした。診療に必要な先進医療器械も日本にどんどん導入されていた頃で、私達の世代はその真っ只中で学び続けてきた、日本の小動物臨床におけるパイオニア世代にあたります。
『佐伯獣医科病院』は1990年に開院し、一昨年(2015年)に拡張リニューアル工事をおこないました。その当初から変わらないのが、待合室から診察室、検査室、手術室、入院室と続くオープンなスペース。これには、「どんな治療をしているか見えるのが安心」とオーナー様に喜んでいただけていましたので、リニューアルにあたってもそのまま引き継ぐ形となりました。もちろんその一方で、診察室での会話がそのまま待合室のオーナー様の耳に届くことをプライバシーの観点から好ましくないと考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし逆にそれが、オーナー様同士で互いに励まし合い、時には共に涙する触れ合いにつながっています。それが当院のいいところであり、そうした昔ながらのあたたかみを残した病院でありたいと思っています。
技術への投資が、オーナー様への責任と恩返し
動物は話ができません。また痛みを我慢する生きものです。そんな動物の状態を速やかに的確に把握するためには、血液検査や画像判断検査などから、さまざまなデータを得る必要があります。当院ではオーナー様にとってもできるだけ時間や費用に負担が掛からないよう、最新の獣医療器械の導入を積極的におこなっています。
中でも超音波診断装置による心臓・腹部エコー検査は、体に針を刺すような侵襲(しんしゅう)もなく、安全かつ迅速に高い精度で異常を検出することができる素晴らしいツールとして重宝しています。またその他にも、血液検査機器やデジタルX線検査機器、あるいはベンチレーター付き吸入麻酔に電気メスや超音波メス。さらには歯科診療にも対応するため、獣医療用の歯科ユニットも導入しています。
臨床獣医師は職人さんと同じで、いい道具がないとその技術も生かせませんので、医療器械の導入に対する投資は惜しまずにやってきました。それが私にとって小さな命を私に託してくれるオーナー様への責任と恩返しであると思っております。
オーナー様の立場に寄り添っていくことが大切
オーナー様の意向をしっかり聞くことに努めています。オーナー様全員が高度医療を望まれるわけではありません。ホームドクターの私のもとで命を全うさせてあげたいと言ってくださる方には、オーナー様の立場に立って考え、複数の選択肢の中で病状に最も適した方法で、「無理をさせないように今からできることを最大限やっていこう」とお話しています。
最近はペットも高齢化してきましたから、心臓疾患・腫瘍疾患の割り合いが増えてきました。私達に必要とされているのは、迅速に無駄や無理のない診療技術を駆使し、病気で来院した子がその時点でどういう状況にあるのかを正しく判断し、現在の獣医療で可能な科学的根拠に基づいた治療法を正確にオーナー様にお伝えするということです。
獣医は人の総合診療医と同じで、内科も外科も、時には産科婦人科、泌尿器科、そして眼科や耳鼻科、歯科まで、さらにオーナー様が高度医療を望むのであれば、その子にとって一番適切な専門の先生にたどり着かせてあげることまでマルチな知識を求められるのです。
獣医師という仕事は、苦しみと悩みの連続。でも、それでも……
獣医師はペットの病気という苦しみと痛みの裏側に立つ生死に関わる仕事ですから、私自身はこの仕事を楽しいと思ったことはありません。むしろ、「あの時こうしていれば…」という後悔と懺悔の思いを、いつまでも抱えています。
そんな私に「最後まで診て欲しい」と言ってくださるオーナー様と、その命を託してくれるかわいい子達のために、知識も技術も一流でありたいとここまでがんばってきました。「佐伯先生はどの勉強会にもいますね」と若い先生たちに笑われるくらい、東京では勉強フェチなおばさんで知られています(笑)。
私はこの仕事が自分に合ってるなんて少しも思わずにこの年にいたっているのですが、最近周りの獣医さんたちに「佐伯先生って、天職だね」と言っていただくことも多くなって、「ひょっとするとそういうことなのかも…」と思えるようになりました。
35年近くやっていますと、ウチに来てくれていたお子さんが成長して結婚し、子供が産まれ、そのお子さんが今や高校生や社会人になっています。親子二世代で慕ってきてくださるオーナー様を見ると、ここで開業医として長くやってきて本当に良かったなと思います。
これから受診される飼い主さんへ
コンパニオンアニマルとして、家族の一員として強い絆で結ばれるペット達は、私達人間よりはるかに短い寿命ですから、私達獣医師はどうしても、悲しいお別れの場面に幾度となく立ち会うことになります。そんな時でもオーナー様のお心を考え、そして旅立つ子達に最後にしてあげられる最善を尽くしてあげたいと思っています。そして残されるオーナー様の痛みを分かち合える、あたたかいホームドクターであることが私らしさであり、私のやり方であると思い、獣医師としての最後の幕引きまでそれを貫きたいと思っています。
※上記記事は2017年3月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。
佐伯 良重 院長 MEMO
- 出身地:東京都
- 趣味・特技:セミナー出席
- 好きな本・作家:岩合光昭
- 好きな映画:海外医療ドラマ
- 好きな言葉・座右の銘:誠心誠意、正直
- 好きな音楽・アーティスト:竹内まりあ
- 好きな場所・観光地:アフリカ
グラフで見る『佐伯 良重 院長』のタイプ
エネルギッシュで明るく話しやすい先生 |
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
エネルギッシュで明るく話しやすい先生 | ||||
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
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佐伯獣医科病院
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