切迫流産の原因・症状とは?
切迫流産(セッパクリュウザン)の原因
受精後間もない流産の約半数は、受精卵そのものに問題が異常があるとされている。母体の腹部に強い力が加わったり、母親に全身的な病気がある場合もあるが、原因がはっきりしないケースも多々ある。
切迫流産(セッパクリュウザン)の症状
下腹部の張りと痛み。流産に至る手前の状態。
切迫流産(セッパクリュウザン)の治療
妊娠中期までの切迫流産は安静を保ち、止血薬や子宮収縮抑制薬などをもちいる。
【受診科目】
- 産婦人科
※1人の医師がこの病気について述べています
医師に聞いた
切迫流産の原因・症状・治療方法
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切迫流産とは
切迫流産とは、妊娠22週未満に出血や下腹部痛などの症状がみられ、流産となる可能性がある状態を指します。ただし、子宮頸管は閉鎖しており、超音波検査で胎嚢や胎児は子宮内に確認され、経過によっては正常妊娠への回復が可能な状態です。
【原因】
切迫流産の原因は一つではなく、複数の要因が関与して起こると考えられています。多くの場合、はっきりとした原因を特定することはできません。
主な原因として、以下のようなものが挙げられます。
・胎児側の要因:妊娠初期の流産の多くは、胎児の染色体異常など、受精・発育の過程で生じた要因によるものとされています。
・ホルモンの影響:黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が不十分な場合、着床や妊娠維持がうまくいかず流産につながることがあります。
・子宮や骨盤内の状態:子宮筋腫、子宮奇形などが胎児・胎盤発育の妨げや子宮収縮の原因となることがあります。
・感染症:腟や子宮、骨盤内の感染症(炎症)が、子宮収縮や出血の原因となることがあります。
・母体の体調や環境要因:強いストレス、過労、脱水、喫煙などが胎児・胎盤発育の妨げや子宮収縮の原因に関与する可能性があります
切迫流産は、誰にでも起こりうる妊娠初期のトラブルの一つであり、妊婦さんの日常生活中のちょっとした動作や行動が切迫流産の直接的な原因となることはほとんどないと考えます。
【症状】
主な症状は以下の通りです。
・少量から中等量の性器出血
・下腹部痛や下腹部のはり感、違和感
・腰痛
妊娠初期には正常な経過でも少量の出血や軽い痛みがみられることもあり、症状だけでは切迫流産と診断することはできません。
【診断】
診断は、症状と診察・検査所見を総合して行います。
・診察(腟鏡診・内診):出血の程度、子宮頸管の開大や子宮内容物の排出の有無、破水の有無などを評価します。
・超音波検査:胎嚢や胎児の位置、胎児心拍の有無、子宮頸管の状態などを評価します。
・血液検査:必要に応じて、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)や黄体ホルモン(プロゲステロン)などを測定することもあります。
症状と上記診察・検査の結果から、切迫早産の状態にあるか判断します。
【治療】
切迫流産は、先述の通り様々な原因により引き起こされ得るため、すべてのケースに効果のある根本的治療は存在せず、安静・経過観察が基本となります。
激しい運動や重労働を避け、十分な休息をとるなどの生活指導が行われます。
安静そのものが流産を確実に防ぐという明確な医学的根拠は限られていますが、症状の軽減や精神的な安心につながることがあるという報告もあります。
また症状や状況に応じて、以下のような対症療法が行われることもあります。
・黄体ホルモン(プロゲステロン)製剤:妊娠の維持を目的として使用されることがあります。
・子宮収縮抑制剤:強い下腹部痛や、子宮の張りが認められる場合などに用いられます。
・止血剤:出血が目立つ場合に対症的に使用されることがあります。
【切迫流産の予防としてできることはあるか?】
切迫流産を完全に予防する確実な方法は、現時点ではありません。特に、妊娠初期の切迫流産の多くは、胎児の染色体異常など、本人の努力では防ぐことが難しい要因が関与しているためです。
ただし、妊娠中の体調を整えることで、症状悪化を防ぐ助けになる可能性はありますので、以下のような生活指導を行っています。
・十分な休息をとる
・無理なスケジュールを避ける
・強い腹圧がかかる動作を控える
・身体を冷やさないようにする
・脱水を防ぐため、こまめに水分を摂取する
・喫煙や飲酒を避ける
これらは「予防」というよりも、妊娠中全期間を通して妊婦さんの身体を守る、「基本的なセルフケア」と考えてもらうとよいと思います。
【切迫流産と診断された場合、仕事や家事はどうすればよいか?】
切迫流産と診断された場合でも、必ずしもすべての仕事や家事を中止する必要はありません。症状の程度や妊娠週数、仕事内容に応じて調整することが大切です。一般的には、以下の点に注意します。
・身体的負担の大きい作業は控える
‐長時間の立作業、同一姿勢を強制される作業、腰に負担のかかる作業、寒い場所での作業、長時間作業場を離れることのできない作業など
・ストレスや緊張を多く感じる作業を控える
・過度に疲労するような、強い腹圧がかかるような、無理な姿勢をとるような家事は控える
・仕事中でも家事中でもこまめに休憩をとる
・性器出血や下腹部の痛みが続く場合は、早めに産婦人科に相談する
症状が強い場合には、仕事量の調整や一時的な休職が勧められることもあります。
不安がある場合は、自己判断せず、主治医と相談しながら無理のない範囲を決めることが大切です。
吉田産婦人科医院
吉田雄一郎 院長 & 隆之 副院長
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