石黒 剛 副院長 への独自インタビュー

一人ひとりが「その人らしく生きられる社会」を実現したい

私が医師になろうと思ったのは、「Dr.コトー診療所」というテレビドラマを見たのがきっかけでした。高校卒業後は名古屋大学の医学部に進学し、救急医療や訪問診療における緩和ケアなど、さまざまな医療を経験してきました。そうした中で気付いたのは、医療から取り残されてしまった人、病名は付いていなくても何らかの不調を抱える「予備軍」のような人があまりに多く存在することでした。
病院で診療する医師は「病気を治す」ことが仕事です。日本の保険制度は「治療」に対して保険が適用される仕組みになっているため、ときに効率化を求められる場面も少なくありません。私自身、病院という枠組みの中で診療することにやりがいを感じることもありました。しかし、自分が一歩踏み出すことで患者さんに対するアプローチの幅が広がることを期待して、兄と2人で訪問診療専門のクリニックを立ち上げたのです。超高齢化社会といわれる今の日本において、訪問診療は非常に効率的なシステムだといえます。患者さんを中心にご家族みなさんの健康を支え、安心感をもたらし、ひいては医療費の削減にも貢献できるでしょう。また入院・外来・訪問といった役割分担をすれば、医師は自分が診るべき患者さんに集中できるというメリットも生まれます。訪問診療という医療の形は、きっとこの先も続いていくでしょう。しかし私はさらに一歩進んで、みなさんが「こうなりたい」「こうしたい」と思うことをサポートしたいと考えています。一人ひとりが「その人らしく生きられる社会」を作りたい……そんな思いを持つ医師が集まって立ち上げたのが『クリニックTEN 渋谷』です。

「手の届く場所にある医療」がコンセプト。駅チカ・年中無休のクリニック

がんの治療をしたり、認知症の治療や予防をしたりすることは、たしかに病院の役割といえるかもしれません。「病気の治療は病院でするもの」と考える方も多いと思いますが、がんや認知症につながる「生活習慣病」を治療したり、コントロールしたりするのは日々の生活の中でしかできません。体の不調を感じたときに気軽に相談ができて、医療に関する正しい情報を手に入れることができる……。そんな場所が日常生活の中にあれば、きっとみなさんが医療に触れる機会も増えていくことでしょう。そうした「医療の理想形」ともいえる施設づくりを目指し、さまざまなアイデアを形にしたのが『クリニックTEN 渋谷』です。
私たちが何より大切にしたのは「手の届く場所に医療がある」状況を作ることでした。若い世代が多く集まる渋谷を選んだのもその1つで、渋谷駅を出て私の足で10歩も歩けば（ほぼ0分）当院が入るビルに着きます。また当院はコンビニと同じく「年中無休」で診療しおり、完全WEB予約制・事前WEB問診により待ち時間なく質の高い診療を受けていただくことが可能です。さらに、支払いはクレジットカードによる事後決済（キャッシュレス）となっていますから、診察が終わればすぐにお帰りいただけます。はじめて受診なさった患者さんの中には「もう帰っていいんですか？」と驚かれる方も少なくありません（笑）。

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