笠井クリニック
江東区/大島/西大島駅
- 内科
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笠井 郁利 院長への独自インタビュー
知的障害の患者さんと接したことで、心理学、臨床心理学から精神医学へ
私は最初、大学で心理学を学んでいたんです。高校生の頃にボランティアで知的障害の患者さんの施設に赴いていたことがあったのですが、そこでテンカンや自閉症の子ども達と近くで接していて「この子達を治すにはどうしたら?」と思ったんですね。当時は何も知らないも同然で、これには心理学、臨床心理学こそ唯一の治療方法なのではと考えたんです。
そのまま心理学の勉強を続け、大学3年の時にフランスに留学する機会がありました。それまでも精神病院を廻っていたことはあったのですが、あちらで治療の実情を目の当たりにし、考えを改めることになりました。実際の治療現場では心理学も有用ではあるが、アプローチとして、より精神医学のほうが優れているという結論に達したんです。お薬に代表されるように色々と使えるスキルが多いというのがその理由ですね。
大学に入り直したのはそれからすぐのことで、筑波大学の精神神経科に入学しました。大学卒業後は東京医科歯科大学の医局に入局し、その後、千葉の東金にある浅井病院で勤務を続けました。研修医時代を含めると8年間お世話になっていたことになります。
『笠井クリニック』を開院したのは平成8年(1996年)のことになります。
気が付けば、高校生の頃に抱いたものとはいくらか違った方向に進んだことになりました。ただそれも、実際の現場に携わることで生じた進化ではないかと現在は思っております。
心の病に悩まれている方の助けとなれるよう、日々精進していきたいと考えております。
患者さんに過分な負担を与えぬよう、廻りへの周知にも努力を
患者さんに多いのはやはり、うつ病やパニック障害を抱えた方々です。それに加え、統合失調症の患者さんも少なからずいらっしゃいます。
統合失調症というのは、幻聴や妄想という症状に加え、あらゆることに対する意欲というものが奪われていく慢性的な精神病です。全人口の100人に1人がこの病気の患者さんだと言われています。
私がこの場所にクリニックを構えたのにはいくつかの理由がありますが、その1つが「入ってきやすい」ということです。このビルには私が入居する以前から歯科や眼科、内科のクリニックが存在していました。傍目には「この人が何科に行くのか」わからない訳ですから、精神科に掛かる患者さんの負担を軽減出来るのではと考えたのです。
精神科や心療内科に対する“敷居”は以前より低くはなりつつあるのではと感じています。知識の豊富な人もいれば、それに比例して精神科の病に対してご理解のある方も増えてきています。ただ、「そんなの根性で治せ」という方が未だにいらっしゃることも事実です。
つらい症状で苦しむ患者さんに過分な負担を与えぬよう、廻りへの周知ということにも出来る限り努力していかねばならないと考えています。