20代医者の年収の現実は?年代別&開業医と勤務医の年収も比較

「20代医者の年収はどれくらい?」「他の年代と比べて20代医者の年収は安い?」と悩んでいませんか。

医者の生涯年収は高いイメージがあるけれど、20代でどのくらいもらえる見込みがあるのか気になるところです。

「割に合わない」「現実は甘くない」などネガティブな言葉も耳にするので、不安に感じる方も多いでしょう。

本記事では、20代医師の年収は、実際にどのくらいもらえる見込みがあるのか紹介します。

また、年代別の年収や、開業医・勤務医の年収比較も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

20代医者の年収は600万円台が目安

20代医者の年収は、600万円台が目安となります。

20代医師の年収が想定よりも低い理由は、研修医期間と学位取得に時間を割く時期だからです。

医学部は6年制のため、卒業する頃には早くても24歳です。そこから2年間は研修医として勤務するため、年収が低くなるのはやむを得ません。

また、研修期間後は学位取得や留学など、知見を広めたりキャリア形成にあてたりする方がほとんどです。

さらに、研修期間はアルバイトが禁止されているため、副業や兼業で収入を増やせません。

20代後半は専攻医として研修を続ける方や、医局に残って学位取得を目指す方など、将来のキャリアプランに合わせて選択肢は様々です。

しかし、どちらにせよ20代では医師としての経験が浅いため、給与設定は他の年代より低めとなっています。

現実は厳しい?医者の将来性

「医者の年収の現実は厳しい」といわれる理由には、主に以下の3つが挙げられます。

  • 研修期間の20代は年収が低くてきつい
  • 激務に対して年収が割に合わない
  • 開業医は税金や老後の資金の準備が必要

医学部を卒業してすぐは2年間の研修期間があるため、「忙しいわりに年収が低い」と不満に感じる方が多い傾向です。

実際に、研修期間の20代前半では、男性医師の平均年収が約475万円、女性医師の平均年収が約436万円と、医者の平均年収である約1,428万円を大きく下回っていることが分かります。

また、年齢を重ねて年収が上がっても、「激務に対して年収が割に合わない」と感じる方も多いようです。

さらに、年収の高いイメージのある開業医でも、経費や税金、借入金の返済などを差し引くと、手取りが低くなってしまう可能性もあるのです。
参照:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」

医者の年収を20代と他の年代で比較

20代と比べて、他の年代の医者がどのくらいの年収なのか比較していきます。

年代ごとにどの程度の年収が見込めるのか見ていきましょう。

20代医者の平均年収

厚生労働省の調べによると、20代医者の平均年収は約602万円です。

細かい内訳は以下の通りです。

年代 平均年収
20~24歳 約509万円
25~29歳 約696万円
20代 約602万円

参照:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」

研修期間である20〜24歳の平均年収が約509万円に対し、専攻医研修の期間に入る20代後半では、約696万円の年収が見込めます。

同じ20代でも前半と後半で、約187万円もの差があることが分かります。

また、20代医者の平均年収である約602万円の手取り平均月収は、ボーナスを受け取る場合、約32〜38万円です。

医学部を卒業してすぐの24歳では、月収が約28万円の見込みとなります。

しかし、20代後半に入れば約187万円も年収がアップする見込みがあるので、今は最低ラインの給与と理解し、見習い期間と割り切るのが賢明だといえるでしょう。

30代医者の平均年収

30代になると、平均年収1,000万円を超える医者が増えてきます。

30代前半ですでに1,000万円に届きそうな水準であるため、20代の研修期間を終え、大きく飛躍する時期だといえるでしょう。

細かい内訳も見ていきます。

年代 平均年収
30~34歳 約969万円
35~39歳 約1,420万円
30代 約1,194万円

参照:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」

30代になると、学位や専門医の資格を活かせる職場を求めて、転職を考える方が多い年代です。

体力があり、即戦力として期待できる30代はどの現場でも歓迎されるため、将来のキャリアプランに合わせて積極的に行動しましょう。

労働環境や専門分野は医療現場によって異なるため、転職サイトのアドバイザーから情報収集しておくと良いですね。

40代医者の平均年収

40代医者の平均年収は約1,474万円です。

さらに、40代後半である45〜49歳では年収2,000万円を超え、医者の最高年収に到達します。

年代 平均年収
40~44歳 約1,474万円
45~49歳 約2,005万円
40代 約1,739万円

参照:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」

経験とキャリアを重ね、最も勢いに乗っている時期といえるでしょう。

20代前半と比べると、1,496万円もの差があります。

研修医で年収が低い時期があっても、続ければ大幅に年収が上がると分かれば頑張れますね。

また、独立開業する方が多いのも40代です。

50代・60代医者の平均年収

50代・60代では大きな年収の差はなく、50代医者の平均年収が約1,849万円、60代医者の平均年収が約1,835万円となっています。

40代で役職に就いたり、開業医に転身したりする方が多く、50代になると収入が安定している方が多いようです。

年代 平均年収
50~54歳 約1,817万円
55~59歳 約1,881万円
50代 約1,849万円
60~64歳 約1,824万円
65~69歳 約1,846万円
60代 約1,835万円

参照:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」

また、病院経営に携わったり、後進の育成にまわるなど活躍のフィールドが変わっていくタイミングでもあります。

50代以降どのように仕事と向き合っていきたいかキャリアビジョンを明確にし、30代・40代では、ゴールに向けて行動に移していきましょう。

開業医と勤務医の20代医者の年収を比較

厚生労働省の調べによると、開業医の平均年収は約2,699万、勤務医の平均年収は約1,467万です。

勤務形態 平均年収
開業医 約2,699万
勤務医 約1,467万

参照:厚生労働省「第23回医療経済実態調査の報告(令和3年実施)」

また、20代は研修期間や学位・専門医の資格取得に追われる時期であるため、開業医に転身する方はかなりまれです。

もし、親の医院を継ぐ医院継承にて20代で開業医となった場合、以下のような年収の差があります。

勤務形態 平均年収
開業医全体 約2,699万
20~24歳勤務医 男性:約474万円
女性:約435万円
25~29歳勤務医 男性:約751万円
女性:約639万円
20代勤務医 男性:約612万円
女性:約537万円

参照:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」

平均年収を比較するとその差は歴然です。

しかし、開業医は経費や開業時の借入金の返済、さらに運営コストがかかるため、手取り額は医院によって様々です。

また、勤務医のように退職金がないため、老後のために積み立てておく必要があります。

年収アップのために開業医を目指すなら、20代のうちから経営者としての視点をもち、経営スキルにも触れておきましょう。

医者が年収を上げるために20代でできること

医者の年収を上げるために、20代からできることを紹介します。

年齢が上がるにつれて年収は上がる見込みはありますが、学位や専門医の資格だけで必ずしも上がるわけではありません。

20代から意識することで、将来の働きやすさや生涯年収にも影響するので注意しましょう。

キャリアプランを明確にする

年収を上げるためには、20代のうちからキャリアプランを明確にすることが大切です。

「将来開業医になる」「年収5,000万円を目指す」など、分かりやすい目標でも大丈夫です。

そこから逆算して、「何歳までに年収2,000万円を達成する」など、細かい目標を設定していきましょう。

また、これからの時代「医者になれば食いっぱぐれない」とはいえない時代になっていきます。

厚生労働省の調べによると、2040年には1.8万〜4.1万人の医師が余ると予想されています。

キャリアビジョンを明確にし、20代・30代で自身の市場価値をいかに高められるかが、将来の安泰にかかわってくるでしょう。

参照:厚生労働省「医師需給分科会」

専門性を高めていく

自身の市場価値を上げるためには、専門性を高めていきましょう。

ほとんどの場合、後期研修を終えると専門医資格を取得します。そのため、20代の早い段階でどの領域に進むか明確にしておくと、事前に準備ができるため有利になるでしょう。

専門医を取得すれば権威性が増すため、転職の際のアピール材料になりますよ。

開業医を目指すなら経営スキルも必要

開業医を目指す方は、経営スキルも身につける必要があります。

開業医になると患者の対応だけでなく、スタッフの管理や医療機器の管理など、マネジメント要素が求められます。

また、年収を上げるには自由診療を取り入れられる科を選んだり、宣伝のために先行投資をおこなうなど経営スキルが求められるでしょう。

将来的に開業医を目指すのであれば、20代のうちから経営スキルを学び、経営者としての意識を高めておくと良いですね。

エージェントを利用して転職する

医者が転職を検討する際は、転職サイトや転職エージェントを利用して転職しましょう。

これまでは医局に残り学位取得を目指すのが通例でしたが、医局を離れて民間病院で研修を続ける医師も増えています。

「医者余り」のリスクを加味すると、医局以外の選択肢を広げた方が賢明であると判断できるでしょう。

医者などの専門職の転職には、1つの職種を専門に扱う、特化型の転職サイトがおすすめです。

医師転職に特化した転職サイトであれば、医師向けの求人が効率よく見つかり、業界に精通したアドバイザーからの支援を受けられます。

医者が年収を上げるために20代で知っておくべき転職サイト3選

20代医者に知ってほしい、年収アップにおすすめの転職サイトを3つ紹介します。

転職をすぐにしなくても、自身の市場価値を知るために、選択肢を広げるためにぜひ活用してください。

1位:医師転職ドットコム

運営会社 株式会社 メディウェル
公開求人数 常勤:27,105件
非常勤:17,514件
非公開求人数 非公開
対応エリア 全国
拠点 札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡

医師転職ドットコムは利用者満足度96.0%を誇る、対応の丁寧さに定評のある転職サイトです。

やみくもに求人を進めるのではなく、一人ひとりのお悩みやキャリアプランに合わせて丁寧に向き合っていきます。相談内容によっては、現職に留まることをすすめる場合もあるようです。

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医師転職ドットコムの口コミ

子どもが好きだったので小児外科医として医局に所属。父親が病気を患い、数年ごとに転勤を繰り返すという医局人事に対応できなくなってしまい、転勤のない民間病院に移ることに。はじめての転職だったので、転職活動の流れや面接で聞かれることについて相談にのってもらえて助かりました。緩和ケア未経験であることに加え、成人の全身管理に関して経験の浅い私が最先端の緩和ケアを行う病院で働けるようになったのは、メディウェルのおかげだと思います。
引用:医師転職ドットコム公式サイト

2位:マイナビDOCTOR

運営会社 株式会社マイナビ
公開求人数 常勤:14,065件
非常勤:15,040件
非公開求人数 非公開
対応エリア 全国
拠点 銀座・新宿・大阪・名古屋・福岡・横浜・さいたま・札幌・仙台・京都・神戸・岡山・広島

マイナビDOCTORは求人を探せるだけでなく、医師転職に関する豊富なコンテンツも魅力です。

就職情報サイトや転職サイトを多数運営するマイナビなら、「20代で転職を目指したい」「まずは情報収集から始めたい」といった方に向いています。

また、非常勤やスポットの求人も充実しているので、掛け持ちや副業を考えている方にもおすすめです。

公式サプリを活用すると、自分に合った求人を紹介してくれるだけでなく、転職に役立つコラムや動画を好きな時にチェックできますよ。

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マイナビDOCTORの口コミ

平日・休日も母親として子供との過ごす時間を増やしたいと思い、総合病院から産業医へ。
1件候補が見つかるごとに、メールで連絡をくださり、こちら側にもゆっくりと考える時間を与えてくれたのが助かりました。
今は当直のない勤務で、週2日の休日は、キチンと休めているので、月~金曜の保育園の送り迎えも含めて、ガッチリと子どもたちと向き合って生活できています。
引用:マイナビDOCTOR公式サイト

3位:リクルートドクターズキャリア

運営会社 株式会社リクルートメディカルキャリア
公開求人数 常勤:13,160件
非常勤:5,892件
非公開求人数 非公開
対応エリア 全国
拠点 東京本社・名古屋支店・大阪支店・福岡支店

リクルートドクターズキャリアは医師転職に特化した転職サイトで、その支援実績はなんと40年以上にも上ります。

歴史の長いサービスには優良企業や多き企業の求人が多い傾向があるため、質の良い求人に期待できるでしょう。

また、「転職するか迷っている」「希望条件が定まっていない」という方でも、気軽に相談できますよ。

「いつか転職を考えている」という20代の方も、キャリアビジョンを明確にするために相談してみると良いでしょう。

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リクルートドクターズキャリアの口コミ

後期研修中に就業先を変更するというのは大きなチャレンジでしたが、キャリアアドバイザーの方からのサポートもあり、都内の一般病院に転職することができました。 施設見学の際、やる気があれば若手でもどんどん症例を積ませてくれる闊達とした雰囲気を感じたことが、入職の決め手となりました。 常勤の働き方が落ち着いてきたら、さらに勉強を兼ねて、週1日外勤(内科系クリニック)をしようかと考えています。
引用:リクルートドクターズキャリア公式サイト

医者の年収は20代で600万円台でも30代で年収1,000万円は可能

20代医者は研修や学位取得など、将来に向けて知識やスキルを身につける時期のため、高年収には期待できません。

しかし、着実に努力を積み重ねることで、30代では年収1,000万円以上、40代後半では年収2,000万円以上が見込めるでしょう。

さらに、どの診療科の専門医になるか、開業医を目指すかなど、将来の選択肢によって年収にも差が出てきます。

「将来のキャリアプランを相談したい」「年収アップのために20代でできることを知っておきたい」など、将来のために準備したい方も、ぜひ一度転職サイトに相談してみてください。