「看護師が転職しやすい時期はある?」「何月に中途採用が多いんだろう…」と、看護師転職が有利になる時期があるのか気になりますよね。
転職活動をするなら、少しでも採用の確率が高い時期におこないたいと思う方は多いでしょう。
この記事では、看護師の転職に最適な時期を詳しく解説します。
「病院とクリニックの転職すべき時期は同じ?」「経験年数によって狙うべきタイミングはある?」などと気になっている方は、ぜひチェックしてみてください。
この記事の内容
看護師の転職の時期で有利なタイミングはある?
職場によって多少異なりますが、看護師という大きなくくりで見ると11月〜3月が転職に最適な時期といえます。
また、政府統計の総合窓口「e-Stat」によると、1年間のうち1月が最も求人数が多く、有効求人倍率も高い月となっています。
月 | 新規求人数 | 有効求人倍率 |
---|---|---|
1月 | 37,331 | 2.47倍 |
2月 | 36,709 | 2.33倍 |
3月 | 36,629 | 2.16倍 |
4月 | 33,571 | 1.86倍 |
5月 | 34,239 | 1.76倍 |
6月 | 36,827 | 1.81倍 |
7月 | 33,802 | 1.86倍 |
8月 | 34,685 | 1.89倍 |
9月 | 35,452 | 1.90倍 |
10月 | 36,752 | 1.99倍 |
11月 | 34,188 | 2.11倍 |
12月 | 34,436 | 2.29倍 |
参考:政府統計の総合窓口「e-Stat」 / 厚生労働省一般職業紹介状況(職業安定業務統計)令和5年1月~12月
それぞれの数値を高い順に並び変えると、以下の順番になります。
月 | 新規求人数 | 有効求人倍率 |
---|---|---|
1位 | 1月:37,331 | 1月:2.47倍 |
2位 | 6月:36,827 | 2月:2.33倍 |
3位 | 10月:36,752 | 12月:2.29倍 |
4位 | 2月:36,709 | 3月:2.16倍 |
5位 | 3月:36,629 | 11月:2.11倍 |
6位 | 9月:35,452 | 10月:1.99倍 |
7位 | 8月:34,685 | 9月:1.90倍 |
8位 | 12月:34,436 | 8月:1.89倍 |
9位 | 5月:34,239 | 4月:1.86倍 |
10位 | 11月:34,188 | 7月:1.86倍 |
11位 | 7月:33,802 | 6月:1.81倍 |
12位 | 4月:33,571 | 5月:1.76倍 |
参考:政府統計の総合窓口「e-Stat」 / 厚生労働省一般職業紹介状況(職業安定業務統計)令和5年1月~12月
統計データを見ると、企業の採用活動が活発で求人数も豊富な1月が看護師の転職の時期に最適といえるでしょう。
とはいえ、これらの結果はあくまで統計データを基にしたものであり、「12月は病院の繁忙期で忙しい」「ボーナス月は離職者が多いから狙い目」など、月ごとに転職の向き不向きが存在します。
以下からは月ごとの採用事情を詳しく解説しているので、転職を計画的に進めたい方はぜひ参考にしてくださいね。
看護師の転職時期の違いによる採用事情【月別】
看護師の転職時期の違いによる転職のしやすさを、月別に詳しく解説します。
月別の「転職のおすすめ度」一覧も参考にご覧ください。
月 | 転職のおすすめ度 |
---|---|
1月 | ★★★★★ |
2月 | ★★★★☆ |
3月 | ★★★☆☆ |
4月 | ★☆☆☆☆ |
5月 | ★★☆☆☆ |
6月 | ★★★★★ |
7月 | ★★★☆☆ |
8月 | ★★☆☆☆ |
9月 | ★★★★★ |
10月 | ★★★★☆ |
11月 | ★★★★★ |
12月 | ★★☆☆☆ |
1月の採用事情
1月は看護師の転職時期に最もおすすめのタイミングです。
年末で退職をした人の補充や、4月に向けての求人数も増えるため、十分な選択肢の中から希望に合った転職先が見つかるでしょう。
また、1月は求職者の動きが活発ではないため、ライバルが少なく狙い目です。
2月の採用事情
1月と比べると採用活動は落ち着いていますが、4月入社に向けてまだまだ採用には前向きな時期です。
4月入職を目指す方は、2月中に内定先を決めたいところでもあります。
また、風邪が流行る冬の時期は人員補充のための求人も多くなるので、中途採用を狙う方は、気になる職場の求人情報をこまめにチェックしておきましょう。
3月の採用事情
3月は求職者が増え、求人数も少なくなるため転職活動には不向きな時期です。
3月退職の方が転職活動をおこなう時期でもあるので、できれば2月以内の内定獲得がベストと言えるでしょう。
また、直近の4月入職を目指すのは少々無理があるので、焦って応募しないよう注意しましょう。
4月の採用事情
4月は新卒看護師の就職がメインのため、中途採用の求人は少なめです。
また、入職できても新人看護師の教育に忙しく、中途採用者の研修が疎かになる可能性があります。
看護師の転職時期にはあまり向かない月といえるでしょう。
5月の採用事情
5月は4月入職で人員の補充が完了している施設が多く、採用活動は積極的ではありません。
また、医療業界は新人教育に追われ忙しい時期でもあります。
求人数も多くないため、6月の採用が活発になる時期に向けて情報収集をしておきましょう。
6月の採用事情
6月は離職者が多く、中途採用の求人が増える時期です。
新人看護師の研修も落ち着く時期のため、中途採用者のフォローが行き届きやすくなり、転職に適したタイミングといえます。
また、夏休みを取得する看護師の補充で即戦力を求めている傾向にあるので、好条件の求人を見つけるチャンスです。
7月の採用事情
7月は6月に離職した人の穴を埋めるために、求人が増える傾向にあります。
中途採用を狙う看護師は、6月から7月にかけて積極的に動きたい時期です。
ただし、採用担当が長期休暇を取る可能性もあるため、気になる職場の求人はこまめにチェックしておきましょう。
8月の採用事情
求人自体は少なくないものの、夏期休暇や盆休みの影響で採用担当が忙しい時期でもあります。
また、人手不足になりやすい時期でもあるため、入職できても手厚いフォローは望めません。
転職の時期にはあまり向いていないタイミングといえます。
9月の採用事情
9月は採用活動が活発になる時期で、とくに即戦力となるベテラン看護師の転職に適したタイミングです。
大量採用をおこなう医療機関や企業も多いので、転職時期におすすめといえます。
また、管理職候補の採用も9月に多い傾向にあるため、転職サイトなどを活用し情報収集をおこなうと良いでしょう。
10月の採用事情
10月は9月の大量採用の後なので、求人は落ち着き気味です。
とはいえ、異動や年末に向けて下旬にかけて求人が増える傾向にあるため、求人が見つからないということはありません。
転職時期としては、どちらかといえば9月と11月の方がおすすめです。
11月の採用事情
11月は年末に向けて採用活動が活発になる時期です。求人数も増加傾向にあるため、転職の時期におすすめといえます。
4月入社・入職の求人も増えるので、気になる方はチェックしておきましょう。
なお、職場環境は異動や転職で慌ただしい可能性があるため、研修に参加できるのか、即戦力採用なのかといった求人の見極めが必要です。
12月の採用事情
12月は医療業界が繁忙期のため、採用活動は停滞しがちです。また、求職者自体の動きも鈍くなるので、求人も少ない傾向にあります。
転職できたとしても現場が忙しく、職場の看護師と良い関係を築くのは難しいため、転職活動は年明けを待った方が良いでしょう。
看護師の転職におすすめの時期【施設別】
総合病院やクリニック、一般企業など、看護師の転職におすすめの時期を施設別に解説します。
希望する転職先に合わせて転職活動をおこなうと、採用の確率がぐっと上がりますよ。
就職先の施設 | 転職におすすめの時期 |
---|---|
総合病院 | 4月 9月~10月 |
クリニック | 大規模クリニック:4月、9月~10月 小規模クリニック:(欠員の際に募集) |
一般企業・その他の施設 | 4月 (欠員の出やすい6月~7月、9月の大量採用も狙い目) |
総合病院
総合病院では、4月に新卒採用と中途採用をまとめて行うケースが多いです。
就職・転職したい年の1年前の4月から募集が開始され、8月に内定が決まります。
公立病院や大型病院など、人気の病院へ転職を目指す方は計画的に行動しましょう。
また、9月~10月あたりに中途採用の大量募集を出す病院もあるため、ある程度の経験年数がある看護師は、好条件での採用を狙える可能性があります。
その他、欠員補充や増員のために通年を通して募集を出している病院も多いので、転職サイトのアドバイザーにチェックしてもらうと良いでしょう。
クリニック
比較的規模の大きいクリニックでは、4月にまとめて大量採用しているケースが多いようです。
大規模クリニックでは研修制度が整っているので、経験年数が浅い看護師も転職しやすいでしょう。
また、個人で経営する小規模クリニックでは、欠員が出た際に欠員補充の募集を出すケースがほとんどです。
通いやすい地域のクリニックや、気になるクリニックのある方は、こまめに求人情報をチェックしておきましょう。
また、募集状況を確認してくれる転職サイトもあるので、うまく活動できると良いですね。
一般企業・その他の施設
一般企業への就職・転職を目指す場合は、総合病院と同様に1年前の4月から転職活動をおこなうのがベストです。
企業によって異なるため、転職成功の可能性を上げるためにはこまめなチェックが重要といえます。
また、欠員の出やすい6月~7月、中途採用の大量募集が多い9月~10月、4月入社の補充のため1月〜2月も狙い目です。
看護師の転職におすすめの時期【経験年数別】
看護師の転職におすすめの時期を、経験年数別に解説します。
就職先の施設 | 転職におすすめの時期 |
---|---|
1〜3年目 | 1月~2月 4月 6月 |
4〜5年目 | 1月~2月 4月 6月 11月 |
6年目以上 | 9月~11月 (条件の良い求人が見つかり次第) |
1~3年目
臨床経験の浅い看護師1~3年目は、研修を受けられる4月やフォローが行き届く6月あたりが転職時期におすすめです。
また、看護師としてのスキル不足が不安な方は、第二新卒枠で応募できる求人もチェックしましょう。
なお、美容クリニックや健診センターなどは、接客スキルやコミュニケーション能力を重視するため、経験が浅くても採用される可能性があります。
気になる職場がある方は、転職サイトで職場ごとの対策を聞いておきましょう。
4~5年目
看護師4~5年目になると一人前と扱われるため、即戦力として歓迎されやすい傾向に在ります。
そのため、求人が出やすい時期とは別に、秋から冬にかけての欠員補充が出るタイミングも狙い目です。
「研修の時間を設けたい」「ある程度ゆとりのあるタイミングで転職したい」という場合は、1月〜2月、4月、6月、9月〜11月のタイミングを狙いましょう。
また、臨床経験3年以上になると応募できる求人の幅が一気に広がるため、気になるクリニックや企業に応募できるようになります。
6年以上
看護師としての経験が6年以上ある方は、どの医療施設でも歓迎されやすく、自分のタイミングで転職時期を決めても良いでしょう。
秋から冬にかけて中途採用の募集が増えるため、条件の良い求人や管理職候補の求人も見つけやすく、転職時期におすすめです。
なお、大手企業や人気の病院へ転職を狙う場合はライバルも多いため、早めの準備と対策が必要となってきます。
万全な状態で望みたい方は、転職サイトを複数活用すると情報収集に役立つのでおすすめです。
看護師の転職におすすめの時期【月初・月中・月末】
月初・月中・月末の中では、月中が看護師の転職時期におすすめです。
月初は入職する看護師が多く、採用担当者が多忙な場合があります。また、給与の締め日の兼ね合いで、多くの職場では月初と月末は忙しくなります。
月中であれば時間に余裕のある職場も多いので、月内でおすすめの転職時期は月中といえるでしょう。
とはいえ、職場や月によって異なる場合もあるため、あくまで目安として考えると良いですね。
看護師の転職の時期を逃さない転職成功の4ポイント
看護師に最適な転職時期と一緒に、転職成功の4つのポイントも確認しておきましょう。
理想の転職を叶えるためにご活用ください。
①転職したい時期を定めておく
「4月入職を目指したい」「ボーナス受け取ったら転職したい」など、転職したい時期を明確にすると動きやすくなります。
例えば、4月入社・入職を目指す場合、中途採用も新卒入職と同様に、1年前の4月から募集が始まるケースもあります。
また、中途採用を狙うなら、転職したい時期の3ヵ月前には情報収集を始めたいところです。
転職に最適な時期を考慮して決めると、スムーズに転職活動が進みます。
②情報収集は十分におこなう
公立病院や大手企業など、人気の高い職場ほど情報収集が重要になってきます。
病院やクリニックは人手不足の施設が多く、臨床経験があれば転職の難易度は比較的低めです。
しかし、人気の美容クリニックや公立病院、健診センターなどはライバルも多いので、対策が必要となってきます。
求人情報、書類選考が通りやすい履歴書・職務経歴書の書き方、面接対策などの情報は、転職サイトのアドバイザーから集めることができますよ。
③転職先が決まってから退職を伝える
「転職先が決まってから退職すべき?」と気になる看護師も多いですが、引き止めなどの心配がある場合は、転職先が決まってから退職を伝えた方が良いでしょう。
医療施設は人手不足の職場が多く、転職の相談を先にしてしまうと引き止められてしまう可能性があります。
現職に迷惑のかからないタイミングで転職できるのが最善ですが、自分の気持ちを優先して動きましょう。
④転職支援サービスを活用する
看護師の転職には転職支援サービスの活用がおすすめです。
とくに専門職である看護師は、特化型の転職サイトを利用すると、業界の転職事情に詳しいプロのアドバイザーに相談できます。
どの転職サイトに登録すべきか迷った際は、下記の看護師におすすめの転職サイトを参考に選んでみてください。
【看護師におすすめの転職サイト】
転職サイト | 特徴 | おすすめの人 |
---|---|---|
1位:看護roo! |
・求人数139,000件 ・看護師向けの総合情報サイトも運営 ・看護学生からお世話になっている看護師が多く人気が高い ・とくに20代、30代の看護師のサポートに強い |
・情報収集に活用したい ・看護師向けのコンテンツが気になる ・初めて転職サイトを利用する人 ・20代、30代の看護師 |
2位:レバウェル看護 |
・求人数153,322件 ・オリコン顧客満足度調査 看護師転職「アドバイザーの質No.1」「紹介求人の質No.1」を獲得 ・実際に働いている看護師の声が聞ける ・アドバイザーにLINEで気軽に相談できる |
・実績のある転職サイトがいい人 ・求人の質を重視したい ・実際に働いている人の評判が気になる ・インタビューありの看護師求人が気になる |
3位:ナース人材バンク |
・求人数20万件以上 ・オリコン顧客満足度調査 看護師転職総合1位を2年連続獲得 ・年間利用者10万人以上 ・アドバイザーは地域担当制で職場の内情に詳しい ・LINEでかんたんに登録可能 |
・豊富な求人から選びたい ・実績のある転職サイトを利用したい ・地域の求人が集まる転職サイトを利用したい ・職場の内情を知りたい ・アドバイザーの質の高さに期待している人 |
看護師の転職の時期が気になる人によくある質問と答え
看護師に最適な転職時期を調べている方に、下記のよくある質問と答えをご紹介します。
- 転職までの期間(転職活動)はどのくらい?
- 転職活動は何ヵ月前からすべき?
- 看護師は中途採用が難しいってホント?
- 転職に踏み切れないときはどうすべき?
- 看護師の転職先はすぐ決まる?
- 看護師の転職活動は何社受けるべき?
本格的に活動を始める前に、気になる項目をチェックしておきましょう。
転職までの期間(転職活動)はどのくらい?
傾向としては、3ヵ月程度の方が多いようです。
早い方ですと、転職サイトなどを活用して1ヵ月程度で転職する方もいます。
転職活動は何ヵ月前からすべき?
中途採用を目指す看護師は、転職したい時期から3ヵ月前には転職活動を始めると良いでしょう。
公立病院や大手企業など、比較的規模の大きい施設や企業は、4月入社・入職に向けて1年前から動き始めているケースも多いです。
気になる職場がある方は、早めに募集情報を確認しておきましょう。
看護師は中途採用が難しいってホント?
看護師を含む医療業界は人手不足の業界なので、中途採用が難しいということはありません。
実際に厚生労働省が発表しているデータをみると、看護師の有効求人倍率は2.53倍のため、転職はしやすい職種といえます。
公務員看護師、企業看護師、健診センターの看護師など、人気の職場はライバルが多く難易度が高いため、中途採用が難しいと言われるのかもしれません。
参照:厚生労働省「職業情報サイトjobtag」
転職に踏み切れないときはどうすべき?
転職に踏み切れないときは、理想の働き方やキャリアプランを考える時間を取ってみましょう。
迷っているときは将来のビジョンが明確でない場合が多く、転職活動に前向きになれません。
また、「私が辞めたら周りに迷惑がかかる」と遠慮してしまっている方も多いでしょう。
転職を迷っているということは、今の職場に不満があったり、他の職場で活躍してみたいといった意思があるはずです。
自分の気持ちと向き合い、転職した先の未来を想像してみましょう。
看護師の転職先はすぐ決まる?
医療業界は人手不足のため、ある程度の臨床経験があればすぐに決まります。
応募者の多い人気の病院や企業でなければ、転職の難易度は低めです。
看護師の転職活動は何社受けるべき?
看護師の有効求人倍率は2.53倍と高めなので、3社程度で十分なケースがほとんどです。
人が足りていない地域や医療施設によっては、応募してすぐに決まる場合もあります。
応募者数や難易度が気になる方は、転職サイトのアドバイザーに聞いてみることをおすすめします。
参照:厚生労働省「職業情報サイトjobtag」
看護師の転職時期は1月が狙い目の職場が多い!
看護師の転職に最適な時期は、希望する職場によって多少異なりますが、1月が意外と狙い目です。
他にも大量募集の多い4月と9月、離職者の多い6月、採用活動が活発になる11月が看護師の転職時期におすすめといえるでしょう。
とはいえ、あくまで看護師全体の転職時期の目安のため、医療施設や職場によって異なる場合があります。
転職したいと思ったときや気になる職場が見つかった際は、早めに転職サイトで情報収取を始めましょう。