薬剤師を辞めたいと思う10つの理由|後悔しないための対処法とは?

「薬剤師の仕事を辞めたい」「自分には向いていないのかもしれない…」と、悩んでいる薬剤師の方も多いでしょう。

プレッシャーのかかる仕事内容や職場の人間関係など、続けられるか不安に感じてしまいますよね。

ですが、薬剤師を辞めたいと思ったことのある方はたくさんいるので、決して1人で悩まないでください。

本記事では、薬剤師の方が辞めたいと思う10つの理由と対処法を紹介しています。

「辞める」か「続ける」か迷った時の判断基準や、注意点も紹介しているので、迷った際にご一読いただければ幸いです。

薬剤師を辞めたいと思う10つの理由

まず始めに、薬剤師を辞めたいと思う10つの理由を紹介します。

自分以外の薬剤師の方がどういう瞬間に辞めたいと感じたのか、口コミから同じ業界で働く方の考えを見ていきましょう。

プレッシャーが強くて不安になった

間違ってはいけないプレッシャーと、急がなければいけない緊迫感に毎日さらされる環境は、辞めたくなる大きな要因といえます。

ミスの許されない調剤業務だからといって、時間をかけすぎれば患者からのクレームに繋がってしまいます。

とくに新卒の方や入社したばかりの中途採用の方は、慣れない業務に強いストレスを感じるでしょう。

強いプレッシャーと襲い掛かる不安が重なり、実際に辞めてしまう薬剤師の方もいるようです。

調剤過誤・調剤ミスが怖い

こちらの口コミの方は、実際に患者さんに謝罪に行った経験があるそうです。

調剤ミスによる調剤過誤は患者の命に関わる危険性が高いため、責任の重さに辞めたいと思ったことのある方も多いです。

誤った調剤や他の患者の処方箋を渡してしまうなど、「調剤ミスを起こしてしまったらどうしよう」と薬剤師の仕事を怖いと感じている方もいました。

薬剤師が向いていないと感じた

「自分には薬剤師が向いていない」と感じて、続けられるのか不安に感じてしまったようですね。

調剤業務に対して、入社する前のイメージと働き始めてからのギャップが強い方にとくに多い理由です。

薬剤師が向いていないと感じた理由で多かったのは、主に以下のとおりです。

  • 患者とのコミュニケーションが苦手である
  • 調剤業務が苦痛に感じた
  • 勉強をしたくないと感じた
  • 職場の雰囲気が合わない
  • やりがいを見いだせない

とはいえ、慣れない職場や業務に対する不安も理由として大きいため、すぐに辞める選択肢は避けたいところです。

新人は慣れるまでがつらい

こちらの口コミの方は病棟についてコメントしていますが、入社してすぐの新人の時期は、「慣れない調剤業務に追われてつらい」と感じる方も多いようです。

転職してすぐの職場でも、これまでと異なる診療科目の処方箋になると慣れるまで時間がかかることもあります。

忙しい職場では、「大した研修も指導も受けずに不安だった」と感じた薬剤師の方もいるようです。相談もしにくい環境では、辞めたいと感じてしまいますね。

昇給・昇格の目途がない

薬剤師は昇給や昇格のチャンスが少なく、やりがいを感じられなくなって辞めたいと思うようになる人もいます。

昇給しにくい理由には、役職のポストが少ないことが要因にあります。

病院や調剤薬局では昇給の見込みが低いため、キャリアアップや年収アップを目指すのであれば転職を考えた方が早いかもしれません。

残業が多すぎる

人手が足りていない職場では、仕事量も残業も多くて嫌になってしまいますね。

残業なしを希望していた方が忙しい職場に勤めてしまうと、不満に感じてしまうでしょう。

調剤薬局でも門前薬局は忙しかったり、近くの医療機関に合わせて帰れなかったりします。

また、営業時間が長いドラックストアや夜勤のある病院勤務など、勤務時間以上に働く薬剤師の職場は多いです。

研修・教育体制が整っていない

研修制度や教育体制が整っていないと感じて辞めたいと思う場合もあります。

人手不足だからといって研修期間が短い職場だと、不安を抱えたまま現場に出るケースも少なくありません。

プレッシャーで調剤ミスをおかしてモチベーションが下がり、辞めたくなってしまう人も多いです。

業務量に対して給与が見合っていない

処方箋枚数が多く、業務量に対して給与が見合っていないと感じると、辞めたいと思う方が多くなります。

また、昇給が難しい職場では辞め時を考えてしまうという方もいるでしょう。

このような不満を抱かないためにも、自分の頑張りが評価される職場や、残業代や夜勤手当などが充実している職場を選ぶと良いですね。

薬剤師はいらないと感じてしまった

薬剤師の仕事にある程度慣れてくると、「薬剤師はいらないのでは?」と感じて、辞めたくなるケースもあるようです。

医師の指示のもと調剤するのが仕事ですが、「誰でもできる仕事」に感じてしまい、モチベーションが低下してしまう薬剤師もいます。

また、病院薬剤師の方が他の医療従事者の方とうまくいかず、嫌味を言われて嫌になって辞めてしまうケースもあります。

人間関係の悩みに疲れた

人間関係の悪い職場に通うのが疲れたと感じ、辞めたいと思う人も少なくありません。

とくに忙しい職場ではみんなが仕事に追われているため、お互いを気遣う余裕もなく、ストレスを感じやすくなります。

新人として入社すると相談もできず、辞めたいと強く思う瞬間もあるようです。

薬剤師を辞めたいと感じたのはどんな時?職場や立場ごとの悩み

病院やクリニック、管理職など、職場やポジションによってどのような悩みがあるのか見ていきましょう。

環境の違いで、辞めたいと感じる瞬間に違いがあるのか紹介していきます。

病院薬剤師

病院薬剤師になりたいと思って就職したのに、他の職場や職種の方の方が給与が良いと辞めたくなってしまいますね。

「まずは経験を積みたい」という理由で就職先として考える方が多いですが、給料の低さから転職を迷っているという方も少なくありません。

病院によっては、「医師や看護師からの当たりが強い」といった人間関係の悩みを抱える方もいるようです。

調剤薬局

最低限の人数で回さないといけない忙しい職場では、辞めたいと思ってもしょうがないですね。

調剤薬局の規模や門前薬局であるかによっても忙しさは変わるため、実際に営業時間に店舗に行って薬剤師の様子を見てみると良いでしょう。

また、「閉鎖的な空間でひたすら調剤業務をこなすのが苦痛に感じる」という方も多かったです。

ドラッグストア

営業時間の長いドラッグストアでは、人手が足りていなければ時間外まで働かなければいけません。

残業代が出ない職場では、やる気も低下してしまいますね。

また、ドラッグストアでは調剤業務・OTC医薬品の販売以外にも、レジ打ちや品出しといった仕事も任される場合もあるため、一般業務が嫌で辞めたいと感じる方も多いようです。

急性期病院

急性期病院は救急患者・重症患者を相手にする場面も多く、薬剤師にも正確さとスピードを求められます。

仕事に追われる環境で人間関係の悩みも多く、疲れてしまう方も多いです。

24時間体制の病院では夜勤も入らなければいけないため、嫌になって日勤のみの職場へ移る方もいます。

公務員

安定のイメージがある公務員薬剤師でも、入社してすぐは給与が低いため不満に感じる方もいます。

「6年間頑張って薬学部に通ったのに…」など見合っていないと感じると、年収の低い職場からの転職を考える方も多いようです。

他にも、「調剤業務から離れてしまうのも寂しさを感じる」と感じている方もいます。

在宅薬剤師

患者のお宅を訪問する在宅薬剤師は、いろいろな家庭を見ることになり、さまざまな患者の話しを聞くことに疲れてしまうケースも多いようです。

調剤室で処方せん調剤だけを行っていた方にとって、少しショックを受ける場面もあるのかもしれません。

新卒・新人

新卒・新人の時期は、入社する前と後のギャップを感じて辞めたいと感じてしまいます。

聞いていた話より残業が多かったり、イメージと違うことが多かったりすると嫌になってしまいますね。

苦手な上司との関係など、人間関係の悩みでストレスを抱える方も多いようです。

管理薬剤師

「管理薬剤師になっても給与が上がらない」「残業代がでない」など、給与が見合っていないことに対する不満が、辞めたいと思う1番の要因に挙げられます。

責任だけ増えて給与が上がらなければ、辞めたいと思うのは当たり前です。

薬剤師は給与が上がりづらい、昇給しにくいとも言われているため、慎重に職場選びをしましょう。

派遣薬剤師

正社員より働きやすいと言われる派遣薬剤師ですが、「安定」という面では、不安を感じている方も多いようです。

次の仕事が決まらないまま契約満了を迎えれば、無職になってしまうリスクもあります。

働きやすさのメリットを感じながらも、派遣切りの不安から正社員へ戻る方もいるようです。

薬剤師を辞めたい時の6つの対処法

薬剤師を辞めたいと思った時の対処法を、6つ紹介します。

今の職場で行動することで解決することもあるので、辞める以外の選択肢にも目を向けてみましょう。

信頼できる上司に相談する

薬剤師を辞めたいと思ったら、信頼できる上司がいる方は相談してみましょう。

自分が今何に悩んでいるのか、業務内容や職場の人間関係なのかなど、整理しながら話すと良いですね。

話しを聞いてもらうと気持ちが軽くなる場合もあるため、モチベーション回復にも繋がります。

また、他の職種に興味がある方は、他業種で働く友人にも話を聞いてもらうと良いでしょう。

職場環境の改善を提案してみる

職場環境に不満のある方は、改善の提案を上司にするのもありです。

今の職場の環境が改善されるなら、そのまま留まる選択肢も生まれますね。また、他の薬剤師の方も感じていた不満であれば、改善した際に周りから感謝されるかもしれません。

しかし、相談しても改善されないのであれば、転職を検討しても良いかもしれません。

仕事に慣れるまで業務をこなす

入社してすぐは慣れない業務にマイナスな感情を抱きやすいので、「慣れるまではとにかく業務をこなす!」と考えるとモチベーションを保ちやすくなります。

新卒や新人の頃は、初めての調剤業務でミスを連発してしまい、「自分は仕事ができない」と落ち込んでしまう人も多いでしょう。

ですが、研修制度が整っていない職場ではいきなり仕事を任されるケースもあります。

仕事に慣れるまでは修行期間と開き直り、業務を淡々とこなしていくことで、気付けば辞めたいという気持ちも薄らいでいくかもしれません。

休職をして心身を休める

有給休暇などを利用して、少し今の職場から離れてみるのも良いでしょう。

あまり休めていない方や寝不足の場合、体だけでなく精神的にも疲れています。思い切って仕事を休んでみると、今の仕事を続けてみようと思えるかもしれません。

忙しい職場では休みづらいと感じるかもしれませんが、自分自身の気持ちとゆっくり向き合うためにも、一息つける時間をとってみましょう。

雇用形態を変えて負担を軽くする

正社員からパート・派遣薬剤師にシフトするなど、雇用形態を変えて負担を軽くするのも一つの手です。

とはいえ、収入のことを考えると今すぐに変えるのは難しいかもしれません。そんな時は、支出を減らせないか見直すところから考えてみることをおすすめします。

正規雇用でなくなることでボーナスは減ってしまう可能性もありますが、ライフワークバランスの良い職場ならメンタル面での負担は軽減されるでしょう。

薬剤師を辞めずに転職する

薬剤師を辞める選択をする前に、同業種で転職先を探してみましょう。

今の職場の雰囲気が自分に合っていないだけで、転職をしたらまた頑張れるケースも多いです。

また、いきおいで辞めてしまうと「6年間薬学部で頑張ったのに…」と後悔する可能性もあるでしょう。

転職エージェントに相談すると、病院勤務やクリニックなど、自分の性格や目指したい薬剤師の希望に合わせて職場を提案してくれますよ。

「薬剤師を辞めたい…」辞めるべきか続けるべきか迷った時の判断基準

「薬剤師を辞めたいけど正直迷っている…」という薬剤師の方は多いはずです。

時間をかけて取得した薬剤師の資格を捨てて他の仕事を選ぶのは、勇気がいると感じる方も多いでしょう。

ここでは、薬剤師を「辞めるべき」か「続けるべきか」の判断基準をお伝えしています。迷った際の参考にしてください。

続けた方が良い場合

薬剤師を続けた方が良い場合は以下のとおりです。

  • 今の職場に対する不満がある
  • 人間関係の悩みを抱えている
  • 慣れない業務への不安が強い
  • やりがいを感じない
  • 待遇・労働環境の不満がある
  • 向上心が満たされない

続けた方が良いケースは、主に今の職場に対して不満がある場合です。

今の職場を変えるだけで改善できる場合も多いので、異動や同業種への転職を検討してみましょう。

また、転職を検討する際は、希望条件に優先順位をつけると理想に近い職場を見つけやすくなります。

辞めた方が良い場合

辞めた方が良いケースは、主に以下の場合です。

  • 何年続けても成長を感じない
  • 調剤業務が苦痛でしかない
  • 精神的に限界を感じている
  • やりたい仕事が明確にある

薬剤師の仕事自体に嫌気がさしている場合や、精神的に限界を感じている方は、環境を変える準備を始めても良いかもしれません。

同じ薬剤師でも、製薬会社や製薬メーカーなど、調剤業務のない業界もあります。

転職の難易度は上がりますが、薬剤師の資格を活かせる業界から選択肢を広げてみると良いでしょう。

また、同じ業界へ戻ろうとしても待遇や年収面で期待はできないため、後悔しない転職をするためにも、転職エージェントに相談することをおすすめします。

薬剤師を辞めて違う仕事を探す時の注意点

薬剤師以外の仕事を選ぶ際の注意点を紹介します。

ここでは、女性薬剤師と男性薬剤師のパターンに分けて見ていきましょう。

女性の場合

女性は育児や子育てのタイミングで、働き方を変える選択を迫られることが多いです。

あらかじめ産休・育休制度のある職場や、女性が働きやすい会社を狙うと転職の回数を減らせるでしょう。

また、女性薬剤師の方が異業種へ転職すると、給与が下がる可能性があります。

女性の平均年収302万円に対し、女性薬剤師の平均年収は約545万円とその差は一目瞭然です。

女性の平均年収 302万円
女性薬剤師の平均年収 約545万円

参照:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査

「子育てと仕事を両立したい」「働けるときにバリバリ稼ぎたい」など、理想の働き方とキャリアプランを立ててから転職活動を始めると良いでしょう。

男性の場合

男性薬剤師から異業種へ転職する場合、女性薬剤師と同様に、年収が下がるリスクを念頭に入れましょう。

そもそも薬剤師は高年収が期待できる国家資格であるため、転職先を吟味しないと、年収ダウンは避けられません。

男性の平均年収と男性薬剤師の平均年収を比較すると、以下のようになります。

男性の平均年収 545万円
男性薬剤師の平均年収 約630万円

参照:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査

女性ほど大きな差はないとはいえ、約100万円近く年収が下がるのはあまり嬉しくはありませんね。

薬剤師を辞めるリスクを理解し、納得できる形で転職できるよう慎重に転職活動は進めていきましょう。

薬剤師を辞めたい方に選んでほしい転職サイト

薬剤師を辞めたいと考えている方に向けて、選んでほしい転職サイトを2つのタイプに分けて紹介します。

薬剤師以外にも視野を広げたいのか、薬剤師を続けるのか、選択肢に合わせて転職サイトを選ぶと良いでしょう。

薬剤師以外の選択肢もある転職サイト

薬剤師以外の職種に興味のある方は、幅広い職種を扱う総合型の転職サイトをおすすめします。

キャリアアドバイザーに相談することで、自己分析やあなたの適性から、向いている職種や業界を提案してもらえます。

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1人のアドバイザーの意見だけで判断しないように、複数の転職サイトを利用するのが定石です。

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薬剤師を続ける方におすすめの転職サイト

薬剤師のまま転職を目指す方には、薬剤師に特化した転職サイトをおすすめします。

特化型の転職サイトのメリットは、薬剤師向けの求人しかないことで効率よく転職活動を進められるところです。他にも、薬剤師の転職事情に強いアドバイザーに相談できる点も魅力といえます。

一度でも薬剤師を辞めたいと思ったことのある方は、転職活動を始める前に、自分が身を置きたい環境をイメージしてみましょう。

優先順位を決めてアドバイザーに相談すると、希望に合った求人を提案してくれますよ。

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薬剤師を辞めたいと思ったら、一呼吸おいてから考えよう

薬剤師を辞めたいと悩んでいる方は多く、プレッシャーとストレスを抱えながら続けている方が大半です。

他の職種に転職するか迷った際は、転職して環境を変えれば解決できないか、本当に辞めて後悔しないか慎重に考えましょう。

人間関係や年収の悩みは、薬剤師自体を辞めなくても、環境を変えるだけで解決できる可能性があります。

「年収に不満がある」「調剤業務が嫌になった」「人間関係に疲れた」など、今の職場に不満を感じたら、転職サイトのアドバイザーに相談してみましょう。