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池谷 敏郎 院長

TOSHIRO IKETANI

病気をその一歩手前の「未病」でとらえて予防する。「古くて新しい予防医学」を目指して

東京医科大学医学部卒業。東京医科大学客員講師、総合内科専門医、循環器専門医。東京医科大学医学部卒業後、同大学病院第二内科に入局。1997年に『池谷医院』を開院 (JR五日市線「秋川駅」北口より徒歩2分) 。臨床の現場に立つ傍ら、内科、循環器科のエキスパートとして、数多くのテレビやラジオ番組に出演。雑誌、新聞への寄稿、講演を行うなど多方面で活躍中。著書も多数あり。

池谷 敏郎 院長

池谷 敏郎 院長

池谷医院

あきる野市/秋川/秋川駅

  • ●内科
  • ●循環器内科
  • ●小児科

同じ境遇を持つ医師に自らを重ね合わせ、この道に

池谷 敏郎 院長

小学三年生の時に読んだ野口英世の本が私をこの世界に導いてくれました。その本を手に取った時、私は頭に火傷をしていたのです。昭和30年代の東京都下には、まだ掘りごたつがありました。私の実家にも掘りごたつがあり、そこでうっかり火傷を負ってしまったんです。それがもとでいじめられることもあり、ずいぶん落ち込んでしまうこともありました。そんな小学3年生のころ、たまたま図書館で見つけたのが野口英世の伝記でした。手に大火傷をおいながらも、人一倍努力して立派な医師になるという彼のストーリーに感動し、とても励まされたのです。9歳の純粋な男の子が、野口英世の人生をそのまま自分の境遇と重ね合わせたんですね。この“出会い”をきっかけに、「将来は医者になる」という夢をもつことになったのです。彼のような奉仕の心が私にあるかどうかはわかりませんが、「目の前のことに120パーセントの力を注ぐ」という姿勢は、きっと野口英世の生き方に感化されてのことだったのでしょう。

『池谷医院』は私が32歳の時に開設した医院です。おそらく大学の同期では最も早い開業だったのではないでしょうか。きっかけは子供が生まれたことでした。ちょうどその頃、病院勤務で無理を重ねて健康を害してしまい、父親として子育てをしっかりするためにも、新たなスタートを切る必要があったのです。まだ論文も書き上げておらず、結局、診療と並行して子育てをしながら、寝る間も惜しんで書き上げることになりました(苦笑)。その研究が私のライフワークである「血管力」に繋がるもので、そこからすべてが始まったのです。

患者さんのあらゆる疑問に答えてきたらこその今がある

池谷 敏郎 院長

ご高齢の方が多いですが、30代、40代の比較的若い層の患者さんも少なくありません。その大部分が生活習慣病を抱えておられ、私の専門である循環器の疾患の方もおられます。加えて目立つのが、心のケアを要する方々です。不定愁訴というものがあります。不定愁訴とは、原因がわからず何らかの症状をきたすものですが、一般的にお医者さんが最も苦手とするものです。その訴えに対して、1つひとつ丁寧にわかりやすく説明することを開院以来、続けてきました。うやむやにはしたくないのです。中には、思い込みで病気と思っておられる方もいらっしゃいますから、医学的な立場で理論的に解明して差し上げることが大切なのです。
一般的には“取るに足らない”と言われるような質問を、逐一調べあげ、30年近く向き合ってきました。自然、専門以外の分野であっても知識が蓄積されていきます。私はメディアにも多数出させていただいていますが、普段は雄弁でも、カメラが回ると途端に話せなくなる方もいらっしゃいます。確証があることしか言えないと思っているだけに、専門以外のことは言えないということでしょう。患者さんの疑問に答え続けてきたからことがそうした場面でも役立っていると思いますし、今後もこの姿勢は堅持していきたいと考えています。

市井に生きる専門医だからこそ可能な役割を全うしていく

池谷 敏郎 院長

大きな病院の循環器内科で20年前に狭心症と診断され、ずっと治療をうけてきた患者さんが来院されたことがあります。心臓の薬を山ほどもらっておられるのですが、一向に胸の痛みが治まらないだけでなく、めまいや立ちくらみまで生じているとのことで相談に訪れたのです。よくよく話を伺ってみますと、どうも疑わしい。聞けば、たまたま1つの検査で狭心症を示す結果が出て、それから自覚症状はすべて心臓由来として対処されてきたようなのです。この方には、症状に合わせて逆流性食道炎の治療や肩こり解消の体操などを指導しつつ、狭心症治療薬を少しずつ減らしてみました。すると、だんだんと症状が治まり、最終的には1剤の投薬で不快な症状をすっかりコントロールすることができたのです。私より優秀な循環器のドクターはたくさんいらっしゃいますが、かかりつけ医として診療をおこなう専門医として、少し時間をかけて患者さんの悩みに寄り添い、専門外の病態も考えつつ、試行錯誤して治療にあたる姿勢が大事だと思います。例えば消化器が専門の先生ですと、心臓の病気を否定することは容易ではないでしょう。循環器科の専門的治療に携わってきたからこそ、自信をもって心臓病から患者さんを解放してあげることも、時には可能となるのだ思います。また、大きな病院では、どうしても説明の時間が足りず、結果として言葉が足りない場面も考えられます。私たちはその医療の隙間を埋める役割も担っていると自覚しています。

血管力アップで健康寿命を延ばす

血管年齢とは、血管の硬さを評価するものです。一般に、年齢とともに血管がしなやかさを失い、硬くなることが動脈硬化の最たる要因と言われてきました。ところが、実は血管には硬くなる要素ともう1つ、血管の中(内腔)にやわらかいプラーク(コブ)ができてくるという要素があります。血管年齢と相対にあるのですけども、中には血管年齢が「若い」と判定される患者さんでも、血管壁に柔らかいコブができてしまっていることも少なくありません。つまり動脈硬化には、血管壁がしなやかさを失って硬くなることと、血管壁にプラークが生じることの2つの要因があるのです。そこで、血管がしなやかで、かつ、内腔にコブがなく、なめらかであること。そして、血液を正常に循環させることのできる血管の機能を「血管力」と定義したのです。血管力は加齢とともに生理的に弱くなりますが、喫煙やストレスなどの悪しき生活習慣やメタボリックシンドローム、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病があると生理的範囲を超えて弱化します。

これから受診される患者さんへ

生活習慣病は自覚症状が伴わないことが多く、それゆえに危険性をご本人が自覚されていないケースがほとんどです。皆さんに血管力に目を向けてみることをお勧めします。血管力は、脈波検査や頸動脈エコー検査によって容易に評価できます。患者さん自身が、自分の動脈硬化を血管年齢として把握したり、血管壁に生じたプラーク(コブ)として実際に目にすることができれば、病的な状態が迫っていることの自覚(病識を有すること)につながります。生活習慣づくりに取り組み、生活習慣病の予防や治療に役立てていただけましたら幸いです。

※上記記事は2023年8月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

池谷 敏郎 院長 MEMO

  • 出身地:東京都
  • 趣味:ゴルフ、テニス
  • 好きな作家:山崎豊子
  • 好きな映画:トム・クルーズ/福山雅治主演作品
  • 座右の銘:「目の前の仕事に120パーセント打ち込む」
  • 好きな音楽・アーティスト:J-PO P(清水翔太) 、ジャス
  • 好きな場所:ゴルフコース、海の見える丘

グラフで見る『池谷 敏郎 院長』のタイプ

穏やかで明るく話しやすい先生

穏やかでやさしく
話しやすい
エネルギッシュで
明るく話しやすい

先生を取材したスタッフまたはライターの回答より

穏やかで明るく話しやすい先生
穏やかでやさしく
話しやすい
エネルギッシュで
明るく話しやすい

先生を取材したスタッフまたはライターの回答より

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