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原井 宏明 院長

HIROAKI HARAI

「強迫症/強迫性障害(OCD)」に向き合ってきた34年間の経験と実績を還元していく

岐阜大学医学部医学科卒業。国立肥前療養所(現:肥前精神医療センター)にて行動療法と不安障害、アルコール依存症について臨床経験を積む。国立菊池病院(現:国立病院機構菊池病院)に移ってからはパニック障害や恐怖症に対する行動療法プログラム、強迫性障害に対する短期集中治療プログラムに従事。なごやメンタルクリニック院長を経て、2019年1月に『原井クリニック』を開業(京橋駅から徒歩2分、宝町駅から徒歩3分、東京駅から徒歩10分)。

原井 宏明 院長

原井 宏明 院長

原井クリニック

中央区/京橋/京橋駅

  • ●精神科
  • ●心療内科

苦手と自覚するものに向き合った結果、たどり着いた世界

原井 宏明 院長

精神科を志したのは、「自分に向いていない」と思ったからでした。精神科という学問に興味は抱いていましたし、人間というものが好きだったということはあるでしょう。しかし、決して自分が精神科医に向いているとは思っていなかったのです。いつの頃からか、苦手なものを避けるのではなく、むしろ近づいていこうという意識が働いていたような気がします。学生時代に水泳部に入ったのも、今、エアロビクスをしているのも、突き詰めるとそういう理由が思い当たるんですね。まあ、だからといって踊りが上手くなるわけではないのですが(笑)。
大学卒業後は研修を経て、国立肥前療養所(現:肥前精神医療センター)で11年、国立菊池病院(現:国立病院機構菊池病院)で10年、そして2008年から名古屋のメンタルクリニックで院長職を10年勤め上げました。自分のキャリアを決めたという点では、最初に勤務した肥前療養所が大きかったでしょう。結果的に10年おきに場所を変えていることになりますが、自分のスキルを伸ばす環境を求め続けたということになるのでしょう。
『原井クリニック』は2019年1月に開院いたしました。名古屋において、全国から強迫性障害の患者さんが見えるようになっていました。そちらのクリニックは名古屋駅の前にありましたら、決して不便ではなかったのですけれど、関東や東北から来られる方も多かったですから、患者さんの利便性を考え、東京駅から歩いてこられる場所にクリニックを求めました。(東京メトロ銀座線「京橋駅」から徒歩2分、都営地下鉄浅草線「宝町駅」から徒歩3分、JR「東京駅」から徒歩10分)。

「強迫性障害」とは

原井 宏明 院長

「何度手を洗っても、手が汚れているような気がする」「歯並びが気になって仕方がない」など、ご本人も不合理だと思っていても、衝動のようなものを止められないのが強迫性障害ということになります。この病気は、人前で出るものではありません。人前で手を洗う人はいませんし、確認を繰り返すこともありませんよね。社会生活を営めないまでの状態の方は数%かと思われますが、軽度を含めれば、全体で1割くらいに及ぶのではないかと推測されます。そのうちの数%の方がクリニックにお越しになっていることになるでしょう。

「エクスポージャー」を中心とした行動療法

原井 宏明 院長

当クリニックでは、「エクスポージャー」を中心とした行動療法をおこなっています。エクスポージャーは曝露法とも言われ、不快や不安を感じる行為を避けるのではなく、むしろ積極的に向き合っていく療法です。例えば、歯磨きにこだわりのある方がいたとしましょう。その場合には、歯磨き粉を残したまま、ゆすがずに済ませるということをします。我々からしても気持ち悪さが残りますが、1日経ってしまえば、さして問題のないことがわかります。それを繰り返すことによって症状の改善につなげるのがエクスポージャーです。
ここでは、それを集団でおこなっていきます(集団集中治療)。潔癖症の方に対して、トイレの中に手を入れる、といった方法を採ることがあります。様々なタイプの方がいますから、中には積極的にそれができる方もいらっしゃいますが、お互いがどんな悩みを抱えているかを共有することで、治療に前向きになれるのです。みんなでやるから、できることがあるということですね。
考え方を変えていけるのはあくまでご本人であり、こちらから強制することに意味はありません。私たちは患者さんに気づきを提供し、治療に向かっていく動機づけをしてあげることが大切になってくるのです。

社会に戻っていける準備をも含めた治療

10代で、まだ発症からそれほど経ってない方はお薬を使わずとも良いケースもありますが、病歴が長い方については、お薬を併用したほうが良いケースもあります。お薬を使うか否かは患者さんの価値観に負うところが多いものですから、こちらの判断だけで薬を使うか使わないかを決められるものではありません。
集団集中治療の明確なメリットとしては、効率性があります。グループでエクスポージャーをおこなうことで、2ヶ月足らずのうちに改善に向かうケースも少なくありません。また、強迫性障害の方は、対人恐怖症を伴う場合があります。端的にいえば、上手にコミュニケーションがとれないわけですが、グループで悩みを共有し、共感する体験を通じて、社会性を養える面があります。これは、個人でお薬を飲んでいるだけでは絶対にできないことで、これから社会に戻っていくための準備としても非常に大きなものがあると考えています。

クリニックのこれからについて

『原井クリニック』では、教育・研修も大きな柱としています。一般に精神科医療では、できる限りストレスを減らし、不安が少なくなるように持っていくわけです。強迫性障害の治療は、それと相反する面がありますので、患者さんはもとより、医療者の側が認識を変えていく必要があります。専門的な知識に加え、その意識の変化も含めた教育・研修が必要となってくるのです。さらに、患者さんの中には、入院加療が必要な方もおられます。そうした方々のための施設も、いずれは考えていかなければならないでしょう。強迫性障害の治療を手がけている医療機関はまだまだ少ないものですから、ここを拠点として、全国に広めていければと考えています。

※上記記事は2019年7月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

原井 宏明 院長 MEMO

精神科専門医

  • 出身地:京都府
  • 趣味・特技:エアロビクス/英語通訳・翻訳
  • 好きな作家:ユヴァル・ノア・ハラリ
  • 好きなドラマ:『ブレイキング・バッド』
  • 座右の銘:「災難に逢う時節には災難に逢うがよく候。死ぬ時節には死ぬがよく候。これはこれ災難をのがるる妙法にて候」(良寛)
  • 好きな音楽:クラシック
  • 行ってみたい場所:タリン(エストニア)

グラフで見る『原井 宏明 院長』のタイプ

穏やかで明るく話しやすい先生

穏やかでやさしく
話しやすい
エネルギッシュで
明るく話しやすい

先生を取材したスタッフまたはライターの回答より

穏やかで明るく話しやすい先生
穏やかでやさしく
話しやすい
エネルギッシュで
明るく話しやすい

先生を取材したスタッフまたはライターの回答より

CLINIC INFORMATION