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岩田 誠 院長

MAKOTO IWATA

個々人の生活スタイル、価値観を尊重したテイラーメイド医療を提供

東京大学医学部医学科卒業。同大学神経内科助教授を経て、東京女子医科大学神経内科主任教授に就任。2009年より『メディカルクリニック 柿の木坂』を開設(東急東横線「都立大学駅」から徒歩4分)。現・東京女子医科大学名誉教授。

岩田 誠 院長

岩田 誠 院長

メディカルクリニック柿の木坂

目黒区/柿の木坂/都立大学駅

  • ●内科
  • ●脳神経内科

不思議な運命に導かれ、医師の道に

岩田 誠 院長

当初、私は大学の教養学部に籍を置いていて、文化人類学に進もうと考えていました。当時の教養学部に南米のインカ帝国の研究で著名な方がいらっしゃって、私は先生の存在に憧れ、その跡を継ぐつもりでいたのです。医学部に進むことを勧められたのは、その先生でした。先生曰く、世界中、どこにいっても医者だとなればみんなが信頼してくれる。私は医師免許がないためにずいぶん苦労したから、まずはその道に進みなさいと仰ったのです。私の家は、代々医師の家系でしたから、そこに進むことに抵抗は全くありませんでした。ただ1つ計算が違ったのは、医学部で神経内科を学ぶうちに、その面白さに惹かれ、文化人類学のことは頭になくなったことでした。ミイラ取りがミイラになったというのは、まさにこのようなことを言うのでしょうね(笑)。

それからずいぶん後のことになりますが、あるシンポジウムでその先生とお会いする機会がありました。無沙汰を詫び、経緯を話しますと、「そんなこともありましたなあ」と先生は笑っておられたものです。先生が亡くなったことを告げる記事が新聞に載ったのは、その半年後のことでした。今にして思えば、最初から最後まで、何か不思議な力が先生との出会いにはあったような気がしています。

神経内科的な症状で困っている方々の最後の砦として

岩田 誠 院長

『メディカルクリニック 柿の木坂』は、総合内科と神経内科を標榜しています。総合内科については、義理の娘である岩田晶子が担当させていただいており、風邪等の感染症や腹痛はもちろんのこと、高血圧や糖尿病、高脂血症、腎機能障害、肝機能障害等の慢性疾患を診させていただいております。また、娘は抗加齢医学会の専門医でもあり、アンチエイジングを願う方々に対し、有効なサプリの処方を含め、様々なご相談を承っています。

私は神経内科を専門に診ていますが、その患者さんは大きく分けて2つの流れがあります。1つは、お近くの方で、認知症やパーキンソン病、脳梗塞後の後遺症などなど、比較的高齢の方に多く見られる症状を抱えた方々。そしてもう1つが、紹介やネットを介していらっしゃる患者さんで、その方々の中には、これまで多くの医療機関を受診されたものの、なかなか診断がつかなかったというケースが多く見受けられます。私は女子医大で長くそういった患者さんを診てきたものですので、全国各地からそうした患者さんが多くいらっしゃっているのです。

なにより、患者さんの話にしっかり耳を傾けることが大切

岩田 誠 院長

インターネットを通じて来院される患者さんでもう1つ顕著に多いのが、頭痛を訴える方々です。頭痛を診る上で気をつけなければいけないのは、患者さんの話をとことん聞いていくということでしょう。たとえば、普段は何ともなく、急に頭痛が起こってそれが3時間で収まるようならば、片頭痛の可能性が高いということになります。また、朝から夜までずっと頭痛がやまないのが半年も続くようならば、頭痛薬の乱用から起こる症状という見方ができます。このように、頭痛を分類するには、患者さんの話をしっかり引き出すことが大切なのです。昨今はすぐに画像を撮る傾向がありますが、MRIで問題が見つかるのは、頭痛患者さんの100人のうち1人いるかいないか、というところでしょう。確実を期すために撮影をすることが悪いとは申しませんが、その前にやるべきことがあるというのが私の認識です。

テーラーメイド医療の実現を目指して

当院ではテーラーメイドメディスンの実現を目指しています。テーラーメイドとはつまり、病気を診るのではなく、病人を診るということに他なりません。EBM(エビデンス・ベースド・メディスン)という考え方があります。根拠に基づいた医療をおこなうのは大切なことですが、EBMは病気を診るものです。同じ病気であっても1人ひとり違うわけですから、その方に合わせて考えていくことを優先すべきなのです。また、病気ごとにガイドラインというものがありますよね。ガイドラインは専門外の医師がまずすべきことを示したものであって、そこにだけとらわれてしまうと、病人を診るということにはつながっていかないのです。
私は慈恵医科大学を創立された高木兼寛先生を尊敬しています。彼の残したものに「病気を診ずして病人を診よ」という有名な言葉がありますが、テーラーメイドメディスンの実現は、まさにそれをおこなうものなのです。

これから受診される患者さんへ

めまいやしびれという言葉には、幾通りもの意味があります。たとえば、「ぐるぐる回る」という症状であっても、それが自分が回っている感じがあるのか、それとも周囲が回っている感じがするのかによって対応の仕方は全く違ってきます。それを判断するのは、患者さんの言葉が頼りなのです。
医者というものは、使い方によってあなたにとって便利な道具となり得ますが、いくら良い道具であっても、使い方を知らなければ宝の持ち腐れということになります。我々が持っている能力を引き出すのは、患者さんご自身なのです。私の著書(『臨床医が語るしびれ・頭痛から認知症まで: 神経内科のかかり方』)にもそれを詳しくご説明してありますが、お医者さんの上手な掛かり方を学んでいただくことがあなたの健康のために重要ということをご認識いただければと思います。

※上記記事は2018年2月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

岩田 誠 院長 MEMO

神経内科専門医

  • 出身地:東京都
  • 趣味:ビオラ演奏、物書き、野菜作り
  • 好きな映画:ナポリの饗宴、天井桟敷の人々
  • 座右の銘・好きな言葉:Frei aber einsam (自由にされど孤独に)
  • 好きな音楽・好きなアーティスト:J.Sバッハの音楽
  • 好きな場所・好きな観光地:パリ

グラフで見る『岩田 誠 院長』のタイプ

穏やかで明るく話しやすい先生

穏やかでやさしく
話しやすい
エネルギッシュで
明るく話しやすい

先生を取材したスタッフまたはライターの回答より

穏やかで明るく話しやすい先生
穏やかでやさしく
話しやすい
エネルギッシュで
明るく話しやすい

先生を取材したスタッフまたはライターの回答より

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