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間壁 さよ子 院長

SAYOKO MAKABE

婦人科という枠ではなく、むしろかかりつけ医として
女性のすべての段階に寄り添い、相談にのりたい

東邦大学医学部卒業後、同大学婦人科医局を経て、ローマ大学、米国ウェイン州立大学産婦人科客員教授、東邦大学医学部客員講師などを歴任しながら、西麻布の「神田第二クリニック」院長に就任。医学博士。日本産婦人科学会認定医。

間壁 さよ子 院長

間壁 さよ子 院長

神田第二クリニック

港区/西麻布/六本木駅

  • ●産婦人科
  • ●内科

生殖の瞬間を目撃する電子顕微鏡研究とクリニックでの診療、どちらも大事

間壁 さよ子 院長

これまでずっと、生殖医療、産婦人科を専門にやってきました。恩師は東邦大学の林基之教授。生殖医療の世界的パイオニアで、私は同大学の産婦人科に入局してこの先生のもとで、ウサギの精子や卵子で研究を開始し、その後ヒトの卵子、精子の研究へ移りました。当時は世界でもヒトの卵子・精子を使っていた研究者は少なかったらしく、イタリアのローマ大学やアメリカのウェイン州立大学などの生殖専門教授たちと共同研究を求められ、当院の勤務医をして臨床を行いながら、同時に研究、学会で世界各国を飛び回る生活をしておりました。
電子顕微鏡で生命が誕生するその瞬間をのぞく…素晴らしくドラマチックな研究だと思いませんか? その奥深さに魅了され、とことん没頭してしまったというわけです。周囲の人たちには「そのエネルギーはどこからくるの?」とよく言われましたね。
 ローマ大学で共同研究をしていた頃、世界で初めて体外受精を成功させたロバート・G・エドワーズ博士に良くお目にかかりました。この写真はその頃一緒撮っていただいたもので、今では私の宝物です。
私がヒトの卵子・精子で研究していたことは想像以上にインパクトがあったらしく、世界一の走査電子顕微鏡を開発された鳥取大学の田中敬一教授、名黒知徳助教授にもローマ大学でお会いして、この電子顕微鏡で素晴らしいミクロの生殖細胞を撮る共同研究をする事ができました。これらの電子顕微鏡撮影写真のアトラス(図版の医学書)をイギリスの出版社から数冊出しました。卵管や子宮内膜などの器官から、卵胞細胞、精子、卵子、そしてそのもとになる生殖細胞…これらが活動して命を生み出す瞬間を捉えています。すごくきれいですよね。実はこれ、もとはモノクロなんです。見やすいようにと彩色したらとても素晴らしいアートとなりました。おかげで大学の講義中学生が眠らなくなったという効果がありました(笑)。
患者さんたちに会いたくて当院での勤務も研究と並行して続けていました。ここは土地柄外国の患者さんも多く、日本はもちろん世界中の患者さんの治療をしていています。最近は当院での診療がメインで、毎日楽しく診療に明け暮れています。婦人科全般を扱っていますが、とくに不妊、不育治療に力を入れています。不妊症であった患者さん達もそろそろ更年期を迎えていますから、その悩みの相談や加療も行っています。

不妊に悩む夫婦と根気よくつきあい、学生時代の感動の原点を目指す

間壁 さよ子 院長

長いこと不妊に悩む女性たちと一緒に、妊娠に向けて努力してきました。不妊には様々な原因があります。女性側の卵管や卵巣、男性側の精巣や尿道など様々な器官の異常から、ホルモンが正常に分泌されないなどの脳の問題、さらには性行為を行うタイミングのずれなど。だいたい女性側の原因が30%、男性側が30%、両方の原因によるものが30%と考えられています。まずは検査をしてその原因を探り治療を行うのですが、検査も治療も、基本的には時間がかかります。ときには同じ治療を何度もトライすることもある。妊娠は生殖年齢の期間中が安全に確実にできるものですので、時間がないと考えてほしいんですね。
よくあるパターンは、まず妻が検査に来て、それで異常がないなら夫が検査に訪れるというもの。どうも男性がそう言って最初から検査に来るのを嫌がるようです。でもこのやり方では相当に時間がかかってしまい、その間に女性は年をとってどんどん妊娠しづらくなるのです。ぜひ検査と治療にはご夫婦一緒に来てください。当院ではなるべく体外受精ではない方法で妊娠することを目指しています。もちろん、体外受精、移植は最も有効な方法のひとつで、どうしても妊娠できない場合は使いたい手段ですが、やはり心身ともに負担の大きいものであることは変わりないので、自然に妊娠できるのならそちらを選びましょうということですね。
不安に陥りがちな患者さんに寄り添い、励まし、結果を待つ。とても根気のいる作業です。ゴールの妊娠に達成すれは 患者さん以上に私の方が感激しますね。それから無事妊娠・出産できたときの喜びは何事にも代え難いです。そもそも、婦人科を選んだのも、学生のときに出産の現場に立会い、膨大なエネルギーを感じて感動したからです。あの喜びをまた感じたくて、この仕事を続けているのです。

︎精子が減りつつも、卵巣の寿命は伸びている可能性が。人の身体に異変が起きている

間壁 さよ子 院長

最近は高齢出産がずいぶん当たり前になりました。今、多いのは、二十代、三十代とがむしゃらに仕事をしてきて、四十代になるかならないかというところで、はた、と気づくというものです。”あ、あたし赤ちゃん産みたい!”ってね。それで、「最近は四十代でも可能ですよね?」とご相談に来られるのですが、やはり難しいことは難しいんです。どうしたって妊娠確率は低くなりますし、妊娠できてもその後出産するまでにさまざまなリスクが増えます。つい先日(2018年2月6日)は、NHK『クローズアップ現代』で、欧米男子の精子の濃度がこの40年で半減したという衝撃的な事実を報道していましたね。だから高齢出産も可能だからあとで産もう、と妊娠を後回しにしていただきたくなんです。ただ、それでもどうしても子供を産みたいんだという方にはもちろん全力でサポートいたします。そういう方たちのために、当院があります。
でも同時に、女性の側には別の異変も起こってもいると感じています。生命としての寿命は伸びても卵巣の寿命は伸びないと言われてきたのですが、四十代での妊娠率が明らかに上がっているのです。私の患者さんたちのなかで、これは難しいのではと思われていたような人があっさり妊娠する。それがたびたび起こっている。六十代でもまだ生理がある人もいるし、これはどう考えても卵巣の寿命は伸びつつあることを示しているのではないかと。詳しいことは今後解明されるでしょうが、とりあえず今はそんな現象もあるのだと感じております。悪いニュースばかりじゃないということです。

外国人患者に教わった低容量ピル(OC)の普及︎に尽力

低容量ピル(OC)の普及に尽くしているのも当院の特徴です。六本木という場所柄、当院の患者さんは外国の方たちが多く、彼女たち…特に欧米の方たち…が避妊のためだけでなく、生理痛や子宮内膜症などの病気治療にもピルを活用していることを知り、詳しく調べて処方するようになったんです。つまり患者さんが教科書だったということですね。2001年にはピルを広めるための「オーキッドクラブ」を婦人科医師たちと設立しました(ピルのガイドラインができたので2017年に終了)。ピルは低容量を正しく使えば、女性の様々な不調を改善することができます。ただ、静脈血栓などの副作用があることも事実なので、服用について正しい知識が絶対必要です。当院でぜひその指導をさせていただきたいと考えています。
あとはセミオープンシステムによる妊婦検診も行っています。セミオープンシステムとは、妊娠33週目頃まではクリニックで検診を行い、それ以降の出産直前の検診、入院、分娩は提携している大病院で行うというもの。当院では愛育会愛育病院や日本赤十字医療センターと連携しています。当院の妊婦検診は毎回3D/4D超音波診断装置を使用しており、これは赤ちゃんの動く姿をとてもクリアに、立体的に見ることができる最新機器です。毎回ご主人と来院して成長する姿を見ていくご夫婦も多いんですね。
ほかに最近力を入れているのは、閉経後の身体のケア=セカンドライフの充実です。何年か前に群馬大学の前教授、五十嵐正雄先生に「閉経した女性たちは女性ホルモンが激減し、骨が弱り骨折、そのまま寝たきりになり、やがてアルツハイマーになる。この高齢者の典型的パターンをなくしていかなければいけない、まずは間壁先生が婦人科でその努力をしてくださいね」と言われたことがきっかけです。女性は閉経後、女性ホルモンの量が激減し、それによって骨がカルシウムを吸収できなくなり、骨粗鬆症になります。そして最終的には認知症を引き起こす。これは女性なら誰でもあてはまることです。先生のご指示通り、まず婦人科の私が、閉経後の女性に指導して骨が弱くなるのを最大限防ぐことが必要なんですね。現在の状態を知るための検査、カルシウムやビタミンDを多く含む食事指導や、必要ならビタミンD剤、ホルモン剤なども処方します。そして骨を丈夫に保つための生活指導、運動指導も。この活動は患者さんの日常により密着する必要があり、それはうれしいことでもありますね。

これから受診される患者さんへ

私にはそもそも、婦人科という枠ではなくむしろ内科、かかりつけ医になりたいという希望があります。だから内科も標榜しています。例えば不妊の問題は、当事者にとってはとてつもなく大きな問題です。望んでいるのに赤ちゃんができないと、ご本人は文字どおり絶望してしまう。当院ではそんな方達の心のケアも積極的に行いたいとも考えています。妊娠はできなかったけれど、その後の検診に通い続けてくれて様々なことを相談してくださる方たちがたくさんいらっしゃいます。
…なんでしょう、おせっかいなのですね、私(笑)。女性の様々な段階、初潮から妊娠前、妊娠中、出産後、更年期、そして更年期後…。すべての女性の、すべての段階に関わり、力になりたい。日本では婦人科というと、特定の症状の特定の一時期にしか行かない、若い頃など婦人科に通うというだけで、色眼鏡で見られることすらありましたが、欧米では婦人科をかかりつけ医として、なにかあるとまず行く場所にすることは普通です。当院もそんな場でありたいと思います。
院内の廊下には、患者さんたちからいただいた写真やお便りをずらりと貼っています。みんないい顔をしているでしょう? このたくさんの笑顔こそ、私の力の源であり、喜びです。みなさんもぜひ、どんなお悩みでも構いませんからなにかあったらご相談ください。六本木から徒歩5分、六本木通り沿いのビルの2階です。www.kanda2nd.comにも当院の方針やアクセスが載っておりますので、ぜひご覧になってください。

※上記記事は2018年2月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

間壁 さよ子 院長 MEMO

産婦人科専門医

  • 出身地:
  • 趣味・特技:
  • 好きな本:
  • 好きな映画:
  • 好きな音楽やアーティスト:
  • 好きな場所・観光地:
  • 好きな言葉・座右の銘:

グラフで見る『間壁 さよ子 院長』のタイプ

穏やかで明るく話しやすい先生

穏やかでやさしく
話しやすい
エネルギッシュで
明るく話しやすい

先生を取材したスタッフまたはライターの回答より

穏やかで明るく話しやすい先生
穏やかでやさしく
話しやすい
エネルギッシュで
明るく話しやすい

先生を取材したスタッフまたはライターの回答より

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