芳賀医院

芳賀 敏昭 院長への独自インタビュー

大森の地に半世紀。地元に住む人のための相談役的存在に

父親がこの地に芳賀医院を開院したのが約50年前ですから、もう半世紀たちますね。実は父は昨年92歳で亡くなるまで院長として勤めていましたから、私が院長になったのは昨年２月のことです。父は当初は産婦人科だったのですが、地元の人の要望に応えて診ていくうちに転科して内科医になりました。地元の人たちが、どこかおかしいと感じたらとりあえず来るという“かかりつけ医”ということですね。この方針は代が変わっても同じです。父の代はほとんど機械らしい機械のない、昔ながらの病院でしたが、今の代になってレントゲン、心電図など基本的な機器はそろえて、でもそれくらいですね、変わったところは。当院は町の人が気軽に来れる地元のクリニックであり、これからもそうありたいと思っています。

大病院へ紹介し、検査や入院に対する不安を取り除き、退院後のケアも行う

小さな町医者ですから手術はもちろん詳しい検査なんかも行えません。適切な病院を紹介するというのも大きな役目のひとつですね。長年診ている患者さんが来て、よくわからないけど、なにかがおかしい、などという曖昧な訴えをしてきたときに、どこがどう悪いのか、どの病院のどの科を紹介すれば適切なのか。その見立ては重要な仕事になります。患者さんは年配の方が多いのですが、その方たちにとっては大病院に検査に行く、ということは大仕事。その方たちに、今必要なのはここを調べるこういう検査で、それはここの大学とここの大学でやってます。こっちの大学は待ち時間が長くて、こっちの大学は比較的検査が短くて…などと事細かに選択肢を説明します。検査ですらこうなんですから、ましてや入院なんて、たとえ短期でも一大事。それも各病院の特徴を細かく説明して、少しでも不安を取り除いてあげる努力をしていますね。病院の相談をする病院、という感じでしょうか。大病院のような検査ができないかわりに、大病院ではできない細やかなケアができるのです。そんな患者さんたちは、検査後や退院後は、また戻ってきてくれますので、つまりまあ、一生のおつきあいですね。

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