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安來 大輔 院長

DAISUKE YASUGI

病気・心理・暮らしを見つめ、地域連携を重視した診療をめざす

名古屋市立大学医学部卒業。卒後研修義務化前に救急病院で救急科・内科などの身体科研修を経てから精神科医となり、広域基幹病院に勤務後、精神科単科病院、精神科・内科訪問診療で経験を積む。2024年に国立市にて開業。

安來 大輔 院長

安來 大輔 院長

国立駅前やすらいクリニック

国立市/東/国立駅

  • ●精神科
  • ●心療内科

自由と個別性のある診療をもとめて精神科へ

安來 大輔 院長

10代から小難しく考え込む癖があり、医学部に入ってからは文学、哲学の要素が当時はまだ残っていた精神医学に興味を抱いていました。しかしそれは個人的興味であるから仕事を選ぶ基準にしてはいけないと思い、卒業後は早く自立した一人前の医者になるべく、地元を離れ神奈川県の救急病院での研修を選びました。救急科、内科、外科、小児科などでの過酷な研修で学んだことは今も医師としての基礎として残っています。しかし、非常に多忙な現場では、次から次にやってくる患者さんに適切な正しい医学知識を吟味して探し出し、それに則った治療⼿順を適⽤していくというもので、全く正しいものでしたが、それを行うのが⾃分でもなくてもよい気がしました。研修後の進路を選ぶにあたり、漠然と“⼈と⼈のあいだに⾏われる治療”、そういった場所はないだろうかと考えた時、まだ当時はポピュラーでもなく均⼀化もされていなかった精神科の道に進むことを決めました。

さまざまな診療場面を経験して地域の町医者へ

安來 大輔 院長

⼤学病院で基礎を学んだのち、自ら門をたたいて入職した都⽴病院では精神科救急、⾝体疾患の合併例、内科外科などの⾝体疾患で⼊院している⽅へのリエゾン診療などによって、主に重症例や体の病気にからんだ精神症状の治療に携わらせていただき、精神科医としてある程度⾃信をもてるようになりました。一方、研修医時代に叩き込まれた⾝体科医療と⽐べると精神医療は⾃由な部分がある反面、診断治療の根拠の曖昧さや慣習的な部分が⼤きいことにとまどい、懸命に医学文献を調べ根拠にもとづいた治療ができるように努めました。この過程で精神疾患の分類と診断についての疑問がはっきりとするようになり、一つ一つの疾患概念の歴史を調べるようになり、同時にそれに関連した研究発表も⾏いました。日々の診療や研究に取り組んでいるうち、気がつくと13年の間、都⽴病院という枠で過ごさせていただくことになり、医師キャリアも後半に入ったと自覚するようになり閉塞感を抱くようになりました。そこで思い切って未経験だった精神科単科病院、続いて精神科・内科訪問診療で経験を積ませていただきました。病院には⼈⽣の多くの年⽉を病院で過ごす⽅も、訪問診療では受診を拒否して⻑年暮らしている⽅もおられ、ある意味両者は対極的な診療環境で、いくつも発見と驚きがありました。このなかで病院という枠組み、医学だけによる治療の限界というものを痛感するようになり、精神・⼼の問題を和らげるためにはその⼈固有の⽣活環境や性格、悩み⽅にアプローチすることが⼤切だと考えるようになりました。このようにさまざまな経験を経て、学んだことを具現化し、医師人生の最後まで自分の診療を行う場所として、患者さんが来院しやすい場所で町医者になろうと思い、2024年5⽉に国⽴駅南⼝ロータリーに⾯したビルで『国⽴駅前やすらいクリニック』を開院しました。国⽴の地を選んだのは、病院時代から⻑年お会いさせていただている患者さん⽅との関係を続けられること、また⽐較的⼩さな地域でありながら開放性を感じられる⼟地柄が気に⼊ったためです。

病気・心理・暮らしを見つめ、地域連携を重視した診療をめざす

安來 大輔 院長

ひとつの考え方として、医者は病気の専門家だから病気のことだけ扱うべきだというスタンスもあるかと思います。しかし、来院した方が抱える問題を和らげようとすれば、現実的にはどうしても病気以外のこと、心理―心情のほか考え方や物事のとらえ方の問題も含みます―、そして、暮らしの状況について考えざるを得ません。精神科で相談をうける事柄は本当にさまざまですが、問題の性質によって病気・心理・暮らしのどこに重点を置くべきかが異なります。自然に生まれてくる精神変調、脳の不調ともいえる狭い意味での精神疾患はやはり内服を主とした医学的治療がたいへん重要ですし、またその人と周辺環境との相互反応でストレスが強い場合には、心理的問題または生活環境のどちらかへの働きかけが最も重要です。ただ経験上、病気・心理・環境のどれが最重要の問題であったとしても、会社や学校、就労支援センター、保健所、市役所などの福祉・保健機関、また介護機関との連絡・連携が多くの場合で望まれ、またそれが最も有効な手段であることが大変多いように思われます。このような連携調整の最初の窓口として当院をお訪ねになった場合は、できる限り一人一人に適した道案内をしていきたいと思っています。

臨床心理士による心理検査とカウンセリングの重要性

病気、心理、生活のうち心理の部分では、感情コントロールと密接に関連した物事のとらえ方(認知)に問題がある場合が多くみられます。また生活ストレスへの対処がうまくいかずに苦悩するといったケースも多いです。これらの問題には医師の診察と同時に心理士をパートナーとした認知行動療法やストレス対処技術に焦点を当てたカウンセリングが有用です。また近年は発達障害(自閉症スペクトラム障害、ADHDなど)による職場や学校で居場所が見つけられず受診される方が増えています。どうして自分が集団の中で苦しんできたのかを理解し、今後の環境選びの参考になるものとして発達検査が助けになります。当院にはこれらのカウンセリングと心理検査をおこなえる心理士が在席していますので、関心のある方はまず気軽に医師にお尋ね下さい。

これから受診される患者さんへ

『国立駅前やすらいクリニック』という医院名は、安來(やすぎ)という私の苗字の読みをひねったものですが、同時に、息詰まるようなルールや他人との比較が増えて自由に生きづらい世の中にあって、安らかな心持ちを取り戻したいという思いも込めています。しかし、私が思うに誠実な精神科診療とは来院される方の感情や考えを支持することばかりではありません。それは一見“よりそった”治療と見えるかもしれませんが、私の考えでは、患者さんが自覚していない疾患や、物事のとらえ方と行動パターン、生活状況の課題などがあればそれらを指し示し、それらを変えていく苦労に並走することこそが医療における“よりそい”だと思います。大学生から勤労世代、後期高齢者まで広い年代、そして適応障害から統合失調症まで幅広い病態について長年の知識経験をもって診療にあたります。どうか来院される方には当院の目指すところをご理解いただければ幸いです。

※上記記事は2024年6月に取材したものです。時間の経過による変化があることをご了承ください。

安來 大輔 院長 MEMO

  • 出身地:愛知県名古屋市
  • 趣味・特技:自転車
  • 好きな本・作家:ノンフィクション/吉村昭
  • 好きな映画:ヴィクトル・エリセ作品
  • 好きな音楽:ボサノヴァ、チェロ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲
  • 好きな場所:アンダルシア
  • 好きな言葉: ”なににもまして重要だというものごとは、なににもまして口に出して言いにくいものだ。”(The most important things are the hardest to say.――Stephen King ”The Body”)

安來 大輔 院長から聞いた
『広場恐怖症』

広場の意味、パニック障害との関係

広場恐怖とは、文字通りでは〈広場が異常に怖い病気〉ですが、ヨーロッパの都市環境を前提にしているため、日本ではピンとこない病名です。「広場」とはだだっ広い場所というだけではなく、ヨーロッパの街では市民がたくさん集り売り買いや議論をする公共の場所でもあります、物理的にだけでなく他者の視線からの逃げ場がないというのが広場ということです。現代では、逃げ場がない場所として乗り物、映画館、繁華街などが恐怖の対象となります。原点は“広い場所”でしたが今は逆に“狭い場所”が多くなっているわけです。この疾患は大変多くの方が悩んでおられます。不安が高じるとパニック発作がしばしば起きること、また10年程前までアメリカの診断分類では広場恐怖をパニック障害の一亜型として分類していたため、多くの方が“パニック障害”という病名で呼んでいますが、広場恐怖とパニック障害は重なるところはあっても別のものと言えます。

グラフで見る『安來 大輔 院長』のタイプ

穏やかでやさしく話しやすい先生

穏やかでやさしく
話しやすい
エネルギッシュで
明るく話しやすい

先生を取材したスタッフまたはライターの回答より

穏やかでやさしく話しやすい先生
穏やかでやさしく
話しやすい
エネルギッシュで
明るく話しやすい

先生を取材したスタッフまたはライターの回答より

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