病院・クリニック運営において負担の重い業務として「患者さんの来院予約の設定・管理」が挙げられます。多くの病院・クリニックでは、受付で患者さんと直接やり取りして来院予約を実施している状況です。
ただし、受付のみでの対応だと予約日時を決めるのに時間を要したり、患者さん側が予約日程を把握しづらいなど各種問題点が生じてきます。
そこでぜひ利用して欲しいのが「クリニック予約システム」です。本記事ではこのクリニック予約システムについて、概要や利用するメリット、おすすめの予約システムなどを詳しく解説していきます。ぜひ最後までご覧になってください。
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クリニック予約システムとは
クリニック予約システムとは、患者さんがインターネット上から自由に診療予約を行えるWebシステムになります。パソコンのみならずスマートフォンからも予約システムを利用できるので、場所や時間を選ばずに診療予約を行うことが可能です。
近年はインターネット環境の整備やスマートフォンの普及も相まって、クリニック予約システムを導入する病院・クリニックが増えてきています。今後はクリニック予約システムの利用がさらに一般化してくると予想されます。
クリニック予約システムを利用するメリット
クリニック予約システムを利用するメリットとして、下記の6点が挙げられます。
- 患者さんが待合状況、待ち順番を把握できる
- 曜日による患者数の波を抑えやすい
- 予約業務の手間を削減できる
- 受診予定の人数を事前に把握できる
- 電子カルテと患者さん情報を連携できる
- 患者さんの予約忘れを解消しやすい
それぞれ詳しく解説していきます。
患者さんが待合状況、待ち順番を把握できる
クリニック予約システムを利用することで、患者さん自身が待合状況・待ち順番を把握することができます。患者さんにとって、待合状況・待ち時間が分からないことは非常にストレスです。
特に混雑する時間帯の場合はいつ呼ばれるか分からない状態で数時間以上、待機するケースも少なくありません。
クリニック予約システムを使えば、患者さん側で待合状況・待ち順番を把握できるので、診察時間の見通しを立てやすくなります。呼ばれるタイミングがある程度予測できる点もあり、患者さんの待ち時間に対するストレスも軽減しやすいです。
曜日による患者数の波を抑えやすい
クリニック予約システムを利用すれば、曜日による患者数の波を抑えやすくなります。
患者さんは予約システム上で日にちごとの予約状況・混雑状況を把握可能です。このため、混雑していない日にちを選択する患者さんが増えてきます。
患者さんが自由に予約日時を選択できる分、曜日ごとの混雑度合いが自然と平準化されていくのです。
曜日による患者数の波を抑えられれば、人員配置の計画も立てやすくなります。人手不足の曜日が生じることも防ぎやすいので、医院・クリニック全体の業務効率向上にも繋げやすいです。
予約業務の手間を削減できる
予約業務の手間を削減できる点も、クリニック予約システムを導入するメリットです。
従来の予約業務では、受付で患者さんと直接日程を決めたり、電話で予約日程を決める等、手間がかかるケースが多く見られました。受付の従業員数が少数だと、予約日程を調整するだけでも時間を要してしまいます。
クリニック予約システムを活用すれば、システム上で簡単に予約業務を進められます。患者さんに都合の良い日程を選択してもらうことで、予約の確認業務の手間も省くことが可能です。
受診予定の人数を事前に把握できる
クリニック予約システムを使えば、受診予定の人数を事前に把握することもできます。システムの管理画面上に日別の受診予定人数が表示されるので、各種業務で忙しい時でもスピーディーに人数を確認可能です。
受診予定の人数をあらかじめ把握できれば、従業員の稼働人数なども調整しやすくなります。
電子カルテと患者さん情報を連携できる
クリニック予約システムの中には、電子カルテと患者さん情報を連携できるシステムもあります。
予約が入っている患者さん情報と電子カルテを連携しておけば、カルテの確認作業をスムーズに進めやすいです。PCのフォルダ内で電子カルテを検索して探すよりも、確認作業の効率を高められます。
ただし、電子カルテの連携に対応していない予約システムもありますので、導入する際に機能を確認しておきましょう。代表的なクリニック予約システムに関しては、後ほど詳しく解説させて頂きます。
患者さんの予約忘れを解消しやすい
クリニック予約システムを利用することで、患者さんの予約忘れを解消しやすいです。
受付で次回の診察日時を共有した場合、患者さんが予約日時を忘れてしまうケースも少なくありません。特に高齢の患者さんだと、予約日時を誤って認識してしまう可能性もあります。
クリニック予約システムを使えば、患者さんがオンライン上で予約日時をいつでも確認できます。もし予約日時を忘れてしまっても、オンライン上では予約記録が残っているので患者さんにとっても安心です。
クリニック予約システムを利用するデメリット
クリニック予約システムを利用する際は、メリットのみならずデメリットも生じてきます。デメリットについて把握しておくことで、クリニック予約システムをより効果的に利用することが可能です。
クリニック予約システムを利用するデメリットとして、下記の3点が挙げられます。
- 初期費用・月額費用が発生する
- ネット利用が苦手な患者さんもいる
- 患者さんの意志で予約が左右される
初期費用・月額費用が発生する
クリニック予約システムを利用する場合、初期費用・月額費用が発生してきます。費用の金額は予約システムによって様々ですが、規模の大きいシステム導入となると費用がかさんでしまうケースも多いです。
初期費用・月額費用を見積りで決める予約システムもあるので、各予約システムごとに費用額を比較するようにしましょう。
ネット利用が苦手な患者さんもいる
患者さんの中には、ネット利用が苦手な方も一定数います。特にネット利用に慣れていない高齢の患者さんだと、受付・電話で直接日時を決めた方が多いです。
ネット利用が苦手な患者さんでも無理なくシステムを使えるよう、使い方の説明資料を作成したり、実際に予約方法をレクチャーする等、サポートしていく必要があります。
患者さんの意志で予約が左右される
クリニック予約システムは患者さんが自由に予約を入れられる分、患者さんの意志で予約が左右されてしまいます。患者さん側の意志で予約がキャンセルされてしまうと、適切なペースで診療ができない可能性も生じてきます。
病状によっては早急な診察が必要な場合もあります。予約変更やキャンセルが生じた場合、患者さんの治療状況によっては病院側から直接連絡を入れて診察予約を催促しなければなりません。
おすすめのクリニック予約システム7選!
「クリニック予約システムを導入したいけど、どのシステムを導入すれば良いか分からない…」
このようなお悩みを解決するべく、当サイトでおすすめするクリニック予約システムを厳選して8つ紹介していきます。
今回紹介するおすすめのクリニック予約システムは下記の通りです。
- PLASIC
- Nest診療
- ドクターキューブ
- 診察予約2022
- Bee診察予約
- iTICKET Smart Cloud
- ヨヤクル
あなたのクリニックにあった予約システムを見つけましょう。
PLASIC
PLASICは、スタッフも患者様も、誰もが使いやすい診療予約システムです。
使いやすさ重視のシンプル設計で、機械が苦手な患者様(または受付スタッフの方)でも簡単に扱うことができるので、導入したその日からすぐに使い始めることができます。患者様への説明用チラシなども用意されているので、予約システムを初めて使う方でも安心してご利用いただけます。
予約だけでなく、患者様情報も一括管理することができる上、キャンセルが出た場合も予定表に即反映することができます。
また電子カルテ連携や着せ替え機能など、クリニックの要望に応じてカスタマイズも可能です。
PLASICを導入することで生まれる大きな変化は、電話予約が減ることです。その結果スタッフの対応がスムーズになり、診療や会計も早く終わるので、患者様の待ち時間も減ることに繋がります。また、電話予約と違って夜間でも予約を受け付けることができるので、患者様にとってもより予約を入れやすくなります。
お試し期間はたっぷり6か月。この間に、スタッフや患者様が実際に使いこなせるのか、今までと比べてどれだけ便利になるのかを実際に実感していただいた上で、じっくりご検討いただけます。
項目 | 内容 |
---|---|
初期費用 | 100,000円 ※今なら初期費用0円 |
月額費用 | 10,000円 ※今なら月額8,000円 |
主な搭載機能 | ・インターネット予約機能 ・患者管理機能 ・予約者リスト ・カスタマイズ可能 など |
電子カルテ連携 | 要お問い合わせ |
開発元企業 | 株式会社テクノクレア |
公式HP | https://lp.plasic.jp/ |
Nest診療
Nest診療はWEB予約など診療に関わるオペレーションをすべてLINE上で完結させるサービスです。
患者さんはLINEで友達登録をしてもらい、あとは画面の案内に沿って情報を入力していくだけで予約が完了します。
医療機関側の管理画面もシンプルでわかりやすく、簡単に予約情報を管理できます。予約枠の設定も直感的な操作でできる上、予約の変更、キャンセルも可能です。予約日が近づいたら患者さんにリマインドのお知らせを送ったり、診療後に患者さんへアンケートを送ることもできる上、LINEの自動返信機能で、簡単な質問に対しては即回答できることも患者さんの安心感に繋がるでしょう。24時間、予約の受付が可能になることで仕事で多忙な方も圧倒的に来院しやすくなることが見込めます。
LINEの利用者は現在国内で9500万人。幅広い年齢層が毎日のように使っているLINE内ですべてを完結させることで、若い世代からご高齢の患者さんまで、幅広い患者層のニーズに応えることができます。実際に、50代以上を中心に診ているクリニックでもLINE経由の予約が半分以上を占めているというクリニックもあります。
院内に掲示するアクリルスタンドとQRコードなどをセットにしたスターターキットを無料で提供しているので、LINEを初めて使うクリニックでも安心してすぐに導入することが可能です。
IVR(自動音声応答システム)やビデオ通話によるオンライン診療にも対応しているので、集患には大きな効果を生み出してくれるサービスと言えるでしょう。
項目 | 内容 |
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初期費用 | 250,000円 |
月額費用 | 24,800円 |
主な搭載機能 | LINE予約 WEB予約 顧客管理 IVR(自動音声応答システム) チャットボット ビデオ通話 |
電子カルテ連携 | あり |
開発元企業 | 株式会社Botlogy |
公式HP | https://nest.botlogy.com/lp/affiliate/wd |
ドクターキューブ
ドクターキューブは、インターネット予約や自動音声予約、タッチパネル予約などの基本機能に加えて、病院・クリニックの要望に応じたカスタマイズ性に強みがあります。
順番予約・時間予約など各種予約機能を追加したり、各予約機能を併用して搭載することも可能です。システム全体をフルカスタマイズして、病院・クリニックオリジナルのシステムを構築することもできます。
クリニック予約システムの中でも、フルカスタマイズに対応しているシステムは少数派です。フルカスタマイズできる点もドクターキューブの強みといえるでしょう。
またドクターキューブは他の予約システムと比べて小児科の診察予約に役立つシステムが豊富です。たとえば、予防接種予約・病児保育予約のシステムが挙げられます。予防接種の回数管理などもドクターキューブ内で合わせて行うことが可能です。
初期費用・月額費用に関しては導入規模によって変わってくるので、要お問い合わせとなっています。見積もりを出してもらうのに時間がかかるケースもあるので、導入を検討している場合はなるべく早めのお問い合わせをおすすめします。
項目 | 内容 |
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初期費用 | 要お問い合わせ |
月額費用 | 要お問合わせ |
主な搭載機能 | インターネット予約 自動音声予約 タッチパネル予約 院内表示ディスプレイ など |
電子カルテ連携 | あり |
開発元企業 | ドクターキューブ株式会社 |
公式HP | https://jtc.doctorqube.com/ |
診察予約2022
診察予約2022は、オンライン上でのクリニック予約を行うのに最低限必要な機能を集約したシンプルな予約システムです。予約種類ごとに「順番待ち版」「時間帯予約版」「複合版」の3つのライセンスに分かれています。
どの種類も操作がシンプルで、数クリックで予約確認などの操作を完了可能です。PC操作に慣れていない方でも無理なく使用することができます。
診察予約2022はシステム設計がシンプルな分、費用も低く設定されています。順番待ち版・時間帯予約版ともに月額10,000円で導入可能です。また複合版でも月額15,000円の費用設定となっており、他の予約システムと比べて費用が格段に低いです。
初期費用に至っては「0円」となっています。費用面で不安がある方でも、診察予約2022であれば無理なく導入することができます。
項目 | 内容 |
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初期費用 | 0円 |
月額費用 | 順番待ち版:10,000円 時間帯予約版:10,000円 複合版:15,000円 お試し利用60日間無料 |
主な搭載機能 | インターネット予約 順番待ちリスト 予約者リスト 患者データ取得 診察待ち時間・順番確認 など |
電子カルテ連携 | なし |
開発元企業 | 株式会社メディカルフォレスト |
公式HP | https://www.medicalforest.co.jp/ |
Bee診察予約
Bee診察予約は、オンライン予約と院内予約の両方に対応したクリニック予約システムです。オンライン予約・院内予約を一括して管理できるので、これから初めてクリニック予約システムを導入する場合でも無理なく使用開始することが可能です。
またBee診察予約では担当医や検査・処置内容に応じて予約管理することもできます。病院・クリニックの診療内容に応じて予約機能をカスタマイズできる点もBee診察予約の強みです。
患者さんサイドでは、予約完了後にそのままWeb問診を行うことができます。Web問診で事前に患者さんの病状・様態を把握しておけば、日にちごとの診察状況の予測もしやすいです。
項目 | 内容 |
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初期費用 | 要お問い合わせ |
月額費用 | 要お問い合わせ |
主な搭載機能 | オンライン診察予約 オンライン順番予約 予約票発券機 患者満足度調査システム など |
電子カルテ連携 | あり |
開発元企業 | 株式会社メディ・ウェブ |
公式HP | https://www.3bees.com/reza/ |
iTICKET Smart Cloud
iTICKET Smart Cloudは、アイチケット株式会社が提供するクラウド型のクリニック予約システムです。クラウド型のシステムであるため、院内サーバー不要で簡単に導入することができます。
端末型のシステムでない分、災害等で端末が故障しても手軽に交換できる点もメリットです。
また画面構成や操作方法もシンプルに設計されているため、端末機器の扱いに慣れていない方でも無理なく使用できます。直感的に操作できる点、iTICKET Smart Cloudの強みといえるでしょう。
月額費用に関しても比較的低い金額となっており、ライトプランであれば月額14,300円で利用をスタート可能です。
項目 | 内容 |
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初期費用 | 500,000円 |
月額費用 | ライトプラン:14,300円 スタンダードプラン:19,300円 プロプラン:24,300円 |
主な搭載機能 | インターネット予約 診察状況・呼び出し番号表示 オンライン問診 受付者の一覧表示 受付番号券出力 など |
電子カルテ連携 | あり ※ライトプランは連携不可 |
開発元企業 | アイチケット株式会社 |
公式HP | https://iticket.co.jp/product/iticket-smart-cloud/ |
ヨヤクル
ヨヤクルは、インターネット予約・タッチパネル予約・バーコード予約・自動音声予約など幅広い予約方法に対応しています。インターネットの利用が難しい高齢者の患者さんでも、自動音声予約を使うことで無理なく予約可能です。
また順番予約・日時指定予約・時間帯予約など患者さんが選択できる予約形式も豊富にそろっています。予約状況や待ち時間は、スマートフォン・携帯電話・パソコンからいつでも確認可能です。
月額費用は9,000円からとなっており、費用面を抑えて予約システムを利用したい方にもおすすめとなっています。
項目 | 内容 |
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初期費用 | 160,000円~ |
月額費用 | 9,000円~ |
主な搭載機能 | インターネット予約 タッチパネル予約 バーコード受付 ディスプレイ表示 お知らせ機能 など |
電子カルテ連携 | あり |
開発元企業 | 株式会社ヨヤクル |
公式HP | https://yoyakuru.jp/ |
まとめ:クリニック予約システムを導入して予約管理の負担を軽減しよう!
クリニック予約システムを導入することで、予約管理業の負担を軽減できます。患者さん側も予約内容や診察状況・待ち時間を手軽に確認できるので、待機時間に対するストレスを軽減しやすいです。
本記事ではクリニック予約システムを導入するメリット・デメリット、またおすすめのクリニック予約システムについて解説しました。本記事の内容を参考にして頂き、クリニック予約システムの導入を進めて頂けましたら幸いです。