藤野 泰人 院長
YASUHITO FUJINO
負担を最小限に迅速に詳細診断、QOLを大切にした治療
日本獣医生命科学大学を卒業後、東京大学大学院博士課程に進学。博士修了後、南カリフォルニア大学医学部にて病理学研究員として2年間従事。その後、東京大学獣医内科教員・動物医療センター臨床教員に就任し、臨床教育・研究・診療に10年間従事。2022年7月に『西新井大師動物病院』を開院。全国各所の動物病院から診療アドバイザーや臨床セミナーの依頼も受けている。
藤野 泰人 院長
西新井大師動物病院
足立区/西新井/大師前駅
- ●犬
- ●猫
愛犬キャバリアの病気をきっかけに獣医師を目指す
小学生くらいの時にキャバリアが家族として家にいました。心臓や皮膚が悪かったのですが、特に僧帽弁閉鎖不全症という病気を抱えていたことが私の将来に影響したと思います。結局、獣医師国家試験直前に亡くなってしまったのですが、14年ほどの命でした。病気を何とかしたい、自分が治療できたら、という想いがありました。幼少期から命や医療を意識してきましたが、大学受験の時に医師か獣医師を目指すかで悩みました。というのも動物は純粋に本能で生きていますが、人間は悪いことをする人もいれば、真当に生きている人など様々な人が存在します。「全ての患者様を平等に診療する」としたら、動物ならば真摯に全力で診療できると思い、獣医師を目指しました。
日本獣医生命科学大学では臨床病理学研究室に所属し、病気の臨床検査や病理診断に関して多くのことを学びました。大学卒業後は東京大学大学院へ進学して、獣医内科学研究室にて臨床腫瘍学や感染症を中心に研究し、獣医学博士を取得しました。その後、Los Angelesにある南カリフォルニア大学医学部の病理学研究員に就任し、悪性腫瘍や白血病ウイルスについて2年間研究しました。その後、大学教員に就任することになり、日本へ帰国することに。東京大学の獣医内科教員と動物医療センター臨床教員として臨床教育・研究・診療に10年間従事した後、一般動物病院にお声がけ頂き、獣医師として診療に携わりました。そして、2022年7月に『西新井大師動物病院』を開院し、現在に至ります。この場所に開院した理由は、もともと足立区で育ったことや、西新井大師近隣の閑静な地域で、周辺環境や人情など雰囲気がとても良いためです。
迅速に的確かつ詳細に診断し、QOLを大切に診療する
いかに動物患者様の負担を最小限にして、迅速に、正確かつ詳細に診断するか、ということをこれまで学び研究してきました。例えば、犬や猫はリンパ腫という悪性腫瘍をしばしば発症しますが「リンパ腫」とは大まかな病名で、実は多くの病型が存在します。患者様に合った適切な治療を実施するためには、詳細な病型を診断することが重要です。リンパ腫の病型など、様々な病気を病型まで詳細に診断し、個々の患者様に合った適切な治療を提案できる獣医師はとても少ないのが現実です。
診療の際に常に心がけていることは、患者様の Quality of Life(生活の質)が最も大切だと考えています。そのため、体調の悪い患者様ならば、いかに迅速に正確かつ詳細に診断できるかが生命線になります。動物患者様の悪い病気というのは進行が速いことが多いので、詳細な診断が早ければ早いほど、適切な治療を速やかに実施できます。動物は体調を崩しているかどうかがなかなか気付かれず、わかりにくいことが多いので発見や対応が遅れがちです。普段の様子を詳しく知るために、御家族の方々としっかりとコミュニケーションをとりながら状態を把握するようにしています。
臨床病理エキスパートとしての知識や経験を生かし、専門的に診療する
血液検査、X線検査、超音波検査の詳細な解析はもとより、内視鏡検査、骨髄検査、病理検査などの精密検査も速やかに結果を御説明できるのも、当院の大きな特徴です。一般的な動物病院では精密検査のために2次病院へ紹介したり、検査を外部機関に依頼して検査結果が届くまでに1~2週間程度かかるのですが、当院では患者様の状態に応じて素早く精密検査を実施し、検査結果を速やかに御説明し、患者様に合った適切な治療法を御相談可能です。体調の悪い患者様は時間との勝負が命にかかわります。
当院の専科としては、がん腫瘍科、消化器科、総合診療科を中心として、歯科、耳鼻咽喉科、心臓循環器科、皮膚科、内分泌科、腎臓泌尿器科、血液病科、臨床病理科などを専門的に診療しております。患者様の状態に応じて必要な検査を御提案し、検査結果や詳細な診断を速やかに御説明できるよう心がけております。どのような病気も早期診断と早期治療が患者様にとってより良いことは、人間と同様に重要となります。獣医師の先生からの御紹介やセカンドオピニオン診察も御来院頂いています。
安心して通院していただけるように、御家族との信頼関係を築く
獣医師になり大学病院で診察して最初の重症患者様は、「急性リンパ芽球性白血病」を罹ったシェルティーのジョンちゃんでした。僕が大学院生のときの患者さんなので指導教員と一緒に診察をしたのですが、骨髄検査などの精密検査により重篤な疾患を診断しました。DIC(播種性血管内凝固症)も起こしていて、入院の際には私も病院に泊まって傍で診ておりましたので、とても印象的でした。当初は重篤な貧血と血小板減少症を呈し、1週間以内に亡くなってもおかしくないような状況でしたが、治療により半年以上QOLを保つことができました。最終的には白血病により亡くなってしまいましたが、御家族の方々には信頼していただき、年賀状交換など近況連絡をさせて頂いておりました。
こなつちゃんというゴールデンレトリーバーの患者様も、とても印象に残っています。「急性リンパ芽球性白血病」を発症し、精密検査・診断から治療まで従事させて頂きました。入院治療の際には、急変でもすぐに対応できるように私も病院に泊まって傍で診ておりました。こなつちゃんは急性白血病にもかかわらず、治療により1年程QOLを保つことができました。最終的には白血病により亡くなってしまいましたが、こなつちゃんの御家族の方とは、今でもメールで近況報告など交換させて頂いております。
これまでに数多くの重篤な患者様を診療させて頂いてきましたので、エピソードは紹介しきれないくらい沢山あります。患者様と御家族に安心して通院して頂けるように、今後も患者様の体調を全力で支えていきたいと思います。
これから受診される患者様・御家族へ
『西新井大師動物病院』は東武大師線「大師前駅」から徒歩3分にあります。当院は総合診療はもちろんのこと、専科として消化器科、がん腫瘍科、歯科、耳鼻咽喉科、心臓循環器科、皮膚科、内分泌科、腎臓泌尿器科、血液病科、臨床病理科などを専門的に診療しております。
ワンちゃんネコちゃんにとって、御家族の方々と一緒に快適に生活していくことはとても重要なことです。病気を患っても、QOL(生活の質)を大切にして体調を改善できるように常に考えて診療しています。ワンちゃんネコちゃんは体調が明らかに悪くなっているときには、病気が既に進行していることが多いです。病気の早期発見と早期治療は、人間だけでなく動物も一緒で、命を考える上でとても重要です。明らかな症状として出る前に気付いてあげることは、動物にとって非常に大事です。動物患者様の命とQOLのために、定期的に予防や検診を実施して頂ければ幸いです。
※上記記事は2022年8月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。
藤野 泰人 院長 MEMO
- 出身地:東京都
- 出身大学:日本獣医生命科学大学、東京大学大学院(獣医学博士)
- 趣味&特技:ドラマ・映画鑑賞、硬式テニス、動物医療
- 好きな本:三国志、寄生獣、SLAM DUNK、YAWARA!、機動戦士ガンダム
- 好きな映画:となりのトトロ、天空の城ラピュタ、風の谷のナウシカ、ET、ネバーエンディングストーリー、ストリートオブファイヤー、男はつらいよ、刑事物語、ストロベリーナイト
- 好きな音楽・アーティスト:渡辺美里、ZARD、MISIA、THE BLUE HEARTS、サンボマスター、Eric Clapton、Extreme、Mariah Carey、Celine Dion
- 好きな場所:Los Angeles、Santa Monica、沖縄
- 好きな言葉・座右の銘:あきらめたらそこで試合終了ですよ…(SLAM DUNK 安西先生)
藤野 泰人 院長から聞いた
『猫の消化器型リンパ腫』
『病型』まで診られる病院へ連れていくことが重要
症状としては、元気がない、食欲がない、便がゆるい、吐く回数が多くなった、だるそうにしているなど様々あります。腫瘍細胞が全身に拡がるため、貧血、血小板減少、肝臓障害、腎臓障害など様々な併発症を引き起こし、整腸剤や抗菌薬など処方されても根本的治療となりません。
実は「リンパ腫」とは大まかな病名であり、細かな病型が多数存在します。その病型ごとに治療法、注意点、予後などが異なります。リンパ腫の病型を含めて詳細に診断するためには、知識、経験、技術が必要で、特に消化器型リンパ腫では開腹手術しなくても診断できることがほとんどです。手術してしまうことで動物患者様に負担がかかり、消化管に穴が開いたり、腹膜炎を起こしたり、肝臓や膵臓が障害されたりと、死に至ってしまうことがあります。
治療は抗腫瘍薬療法が中心になります。リンパ腫には様々な病型があり、患者様の病態とリンパ腫の病型に応じた治療が必要です。個々の状態に合わせて、オーダーメイドの治療を考えることがQOLを大切にするために重要です。
詳細に病型を診断し、患者様に合った適切な治療ができる医療であれば、多くは寛解が期待できます。しかし、病型や状態に合った治療ではない場合、寛解せずに早期に亡くなってしまいます。したがって『詳細な病型が診断可能であり、患者様の病態に応じた治療ができる獣医師』を受診することが救命に重要となります。
グラフで見る『藤野 泰人 院長』のタイプ
穏やかでやさしく話しやすい先生 |
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
穏やかでやさしく話しやすい先生 | ||||
穏やかでやさしく 話しやすい |
エネルギッシュで 明るく話しやすい |
先生を取材したスタッフまたはライターの回答より
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