17年にわたって研鑽を積み、小動物を幅広く診療できる獣医師に

私は小さな頃から動物が好きでしたけれど、はじめは「人間のお医者さん」になりたいと思っていたんですね。でも、祖父母の家で飼っていた犬が体調を崩したこともあり、中学に入る頃になると「獣医師になろう」と心に決めていました。
大学卒業後は、勤務医として診療をはじめ、都内や神奈川県内の動物病院で経験を重ねました。そして開業までの約10年は、同じ大田区内にある動物病院に在籍し、フェレットを中心に幅広い症例を担当してきました。そうした経験をふまえて2016年2月、この場所に『しんか動物病院』を開設することができました。

地域の動物たちの「かかりつけ医」として

以前務めていた動物病院では、それこそ「一生分」と言えるくらいフェレットを診ていましたけれど（笑）。私としては何か1つのことに特化するのではなく、オールマイティに診療していきたいと思っています。「スペシャリスト」をめざすよりも、「ジェネラリスト」になりたい、と言いますか。地域のみなさまが何かお困りのとき、最初にご相談いただけるような、地域密着型の診療をしたいと考えています。
当院では、犬・猫のほか、フェレットやウサギ、ハムスターなどの小動物を診療しています。今は診療科目が細分化されて、それぞれの分野に専門家の先生がいらっしゃいますので、鳥の診療であったり、高い専門性が求められる場合については、大学病院などをご紹介するケースもありますね。私としては飼い主さんのお気持ちに寄り添いながら、動物たちと過ごす時間が少しでも豊かなものになるように、しっかりとサポートしていきたいと思います。

飼い主さんとの「対話」を大切に、見落としのない診察を心がける

私は人と話をするのが好きですし（笑）、診察をするときには飼い主さんとの対話を大事にしながら、動物たちの症状を正しく見極めたいと思います。たとえば、「吐く」という症状は生理現象の場合もあれば、何らかの病気を疑うべきケーもあるんですね。そのため、彼らの日頃の様子や、飼い主さんが気になっていることなどを細かく伺う必要があるのです。
動物たちといつも一緒に過ごしている飼い主さんが、「いつもと違う」と感じるときは、何らかの病気が隠れていることが少なくありません。ですから、診察をするときには動物たちの体をよくみて、実際に触ってみて、必要であれば検査をしてみて。その上で何もなければ、「大丈夫ですよ」と言って、安心してお帰りいただくことができるでしょう。幸い当院は、待合室も診察室も広々としたスペースを確保することができましたので、時には扉を開け放って、動物たちに自由に動き回ってもらうんです。こうすることで、検査の数値にはあらわれない「痛み」にも気づくことができますし、見落としのない診察をすることで、適切な治療につなげることができます。

動物たちと飼い主さんの暮らしが、より良いものになるように

これから受診される患者さんへ

『しんか動物病院』は、「糀谷駅」から歩いて4分ほどの場所にあります。私はよく、飼い主さんに「小さなサインを見逃さないでください」とお伝えします。動物たちの様子に何か気になること、いつもと違うと感じることがあったときには、ぜひ早めにご相談いただきたいのです。飼い主さんの中には、彼らの様子がおかしいと感じても、1週間、1ヵ月と様子をみてしまう方もいらっしゃいます。でも、もしも自分だったら？という目線で考えて、積極的に医療機関を受診してほしいと思います。たとえささいな症状であっても、「そんな事で、ですか？」とは決して言いませんので（笑）。どうか気兼ねなくご来院いただければと思います。

※上記記事は2018年9月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。